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エレミヤ書

エレミヤ書 52

エルサレムの陥落

(以下は、三十九章の記事の補足です。)

1 ゼデキヤは二十一歳で王となり、十一年間エルサレムで王座につきました。彼の母はリブナ出身のエレミヤの娘で、名をハムタルといいました。

2 ところが彼は、先代のエホヤキムのように悪名の高い王でした。

3 悪事の限りを尽くす王に、神はとうとう怒りを燃やし、バビロン王に反逆するよう仕向けたのです。こうして王とイスラエルの民は、神の前から追放され、エルサレムとユダをあとにして、遠くバビロンへ捕虜として連れ去られました。

4 ゼデキヤが即位して九年目の、十二月二十五日(ユダヤ暦では十月十日)に、バビロンのネブカデネザル王は全軍を率いてエルサレムを攻め、周囲にとりでを築き、

5 二年間この町を包囲しました。

6 六月二十四日(ユダヤ暦では四月九日)になって、町ではききんがひどくなり、ついに最後の食糧も底をついたので、

7 住民は城壁に穴をあけ、また兵士たちもみな夜の闇にまぎれ、王の庭園の近くにある二重の城壁の間にある門を通って、町の外へ逃げました。町はカルデヤ人にすっかり囲まれていたからです。人々は野原を横切り、アラバめざして急ぎました。

8 しかし、カルデヤ兵はあとを追い、エリコに近い野原で、護衛兵に逃げられて孤立しているゼデキヤ王を捕まえました。

9 兵士たちは、ハマテのリブラという町にいるバビロン王のところへ彼を引き立てて行き、そこで軍事裁判にかけました。

10 ゼデキヤは、目の前で、息子をはじめユダの重立った人たちが虐殺されるのを見せつけられたあと、

11 両眼をえぐり出され、鎖につながれてバビロンへ引いて行かれ、死ぬまで牢に閉じ込められていました。

12 バビロンのネブカデネザル王が即位して十九年目の七月二十五日(ユダヤ暦では五月十日)に、親衛隊長ネブザルアダンがエルサレムに乗り込んで、

13 神殿と王宮、それにすべての邸宅を焼き、

14 兵士たちに、町の城壁をいっせいに取り壊すように命じました。

15 それから、貧しい人々の一部、町が壊された時に生き残っていた者、ゼデキヤを見限ってバビロン軍に投降した者、それにまだ残っていた交易商人を、捕虜としてバビロンへ連れて行きました。

16 しかし貧しい人々の一部は残して、ぶどう園の手入れをさせたり、畑を耕させたりしました。

17 バビロニヤ人は、神殿の入口に立つ二本の大きな青銅の柱と、牛の形をした青銅の台と、その上にすえてある青銅の洗盤を取りはずして、バビロンへ運びました。

18 また、すべての青銅のつぼと湯わかし、祭壇で使う十能、芯切りばさみ、そのほか神殿で使ういっさいの器具を差し押さえました。

19 さらに、火皿、純金と純銀の燭台、茶わん、鉢も奪いました。

20 途方もなく大きな二本の柱、洗盤、それに十二の青銅の牛の重さは、大変なものでした。とても量りようがありません。みな、ソロモン王の時代に作られたものです。

21 柱はそれぞれ高さ九メートル、周囲六メートル、厚さ八センチで、中は空洞でした。

22 柱の頭の部分二・五メートルは、青銅のざくろを彫刻した網目模様になっていました。

23 回りには九十六のざくろがあり、周囲の網細工には、さらに百のざくろがありました。

24-25 親衛隊長はまた、祭司長セラヤと次席祭司ゼパニヤ、三人の神殿警備隊長、軍の参謀、町の中で見つかった王の特別補佐官七人を捕まえました。さらに、ユダヤ軍の徴兵指揮官と、隠れていた六十人の高官も捕まえました。

26 そのあと、彼らを、リブラにいるバビロン王のところへ連れて行ったのです。

27 彼らは王の命令によって、一人残らず死刑になりました。こうしてユダの民は、捕虜となって故国をあとにすることになったのです。

28 ネブカデネザルが即位して七年目に、捕虜としてバビロンへ連れ去られた人々の数は、三千二十三人でした。

29 それから十一年後には、八百三十二人が加わりました。

30 さらに五年後、王の命令を受けた親衛隊長ネブザルアダンは、七百四十五人を連れて来ました。結局、合計で四千六百人です。

エホヤキン、解放される

31 ユダ王国のエホヤキン王が、バビロンの牢に入って三十七年目の三月十日(ユダヤ暦では十二月二十五日)に、その年バビロン王となったエビル・メロダクは、エホヤキンに親切にし、彼を牢から出しました。

32 しかも、親しみを込めて彼に話しかけ、バビロンのどの総督よりも高い位を与え、

33 新しい衣服をあてがい、生涯、いつも王の料理係の作る物を食べさせました。

34 エホヤキンは死ぬ日まで、生活費を王から支給されました。

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哀歌

哀歌 の紹介

の紹介

本書は、都エルサレムの陥落を悲しんで作られた歌です。破滅を目撃した著者エレミヤは、一語一語に、絶望した心の響きを伝え、また、その破滅がいかに恐怖に満ちたものかを語っています。それは、神に反逆した報いとして、どれほど恐ろしい代価を支払わなければならないかを、人々に知らせるためでした。しかしその中に、わずかながら慰めを与える箇所もあります。五章のエレミヤの祈りは、かつて栄えた都エルサレムの廃墟のかなたに、永遠に王座につく神を仰ぎ見ています。

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哀歌

哀歌 1

エルサレムの荒廃と悲しみ

1 かつて人々でにぎわっていたエルサレムの通りが、

今はひっそり静まり返っています。

諸国の女王だった町は今では奴隷のようで、

悲しみに沈む未亡人のように座り込んで嘆いています。

2 夜通し泣いて、涙が彼女の頬を伝います。

恋人たち(エジプトや他の同盟国)は、

誰ひとり声をかけてもくれません。

今ではみな、敵となっているからです。

3 ユダは労役で苦しんだ果てに、

捕囚となって遠い国へ引いて行かれたのです。

今は征服者の手に落ち、

外国で不安な毎日を過ごしています。

4 シオン(エルサレム)への道は、

神殿で例祭を祝うにぎやかな参拝客の列も途絶え、

すっかりさびれて、憂いに沈んでいます。

都の城門はさびつき、祭司たちはうめき、

おとめたちは悲しみに打ちひしがれています。

シオンは泣き伏しています。

5 敵がわがもの顔に振る舞っています。

エルサレムの多くの罪のために、

主が罰を加えたからです。

幼い子どもたちは捕らえられ、

奴隷として遠くへ連れ去られました。

6 シオンの美しさも威厳も、すっかりなくなりました。

指導者たちは、

あてもなく牧草地をさまよう飢えた鹿のようで、

敵に出会っても逃げる力さえありません。

7 エルサレムは悲しみのどん底で、

過ぎ去った楽しい日々を思い浮かべます。

今はもう、

援助の手を伸ばしてくれる者もなく、

屈した敵の前で、あざけりの的となっています。

8 エルサレムは罪に罪を重ねたので、

汚いぼろきれのように捨てられました。

丸裸にされ、人前にさらされ、

かつては尊敬の眼で見た人たちも、

今では軽蔑のまなざしを向けるだけです。

彼女はあまりの恥ずかしさにうめき、顔を隠します。

9 この都は不品行の罪にうつつを抜かし、

確実に罰が下るという事実に

顔を背けていました。

落ちぶれてしまった今、

だれも助けてくれないので、彼女は叫びます。

「ああ主よ、私の不幸に目を留めてください。

敵はあんなに勝ち誇っています。」

10 敵は貴重品をすべて取り上げ、

彼女を無一物にしました。

そればかりか、神聖な神殿を荒らし回りました。

そこに入ることさえ神が禁じた外国人によって。

11 民はうめき、必死にパンを探し求めます。

持ち物を全部売り払い、少しでも体力を回復しようと、

食べ物をあさります。

「主よ、ごらんください。

私がどんなにさげすまれているかを

知ってください」とエルサレムは祈ります。

12 道行く人よ、何とも思わないのですか。

主が燃える怒りの日に、

こんなにも私を悩ませたのです。

これ以上の悲しみを見たことがあるでしょうか。

13 主が天から送った火は、

私の骨の中で燃え続けています。

主は行く道に落とし穴を置き、私を追い返しました。

私を病気にしたまま置き去りにし、

つらい思いをさせました。

14 主は私の罪を編んで綱とし、

それで私を引いて、奴隷のくびきに結びつけました。

私を骨抜きにして、敵の手に渡しました。

私は敵のなすがままになっています。

15 主は味方の勇士をみな踏みつけました。

主の命令によって強力な軍隊が押し寄せて来て、

すぐれた若者たちを倒しました。

主は愛する都を、

酒ぶねのぶどうのように踏みつぶしました。

16 このことで、私は泣いています。

私を助けられるのは主だけだというのに、

主は私を慰めもせず、遠く離れて立っています。

子どもたちに未来はありません。

私たちは征服された民です。

17 エルサレムは助けを求めて哀願しますが、

だれも慰めてくれません。

主がこう語ったからです。

「隣人が敵となれ。

この都は悪臭を放つぼろきれのように、

投げ捨てられてしまうがいい。」

18 主がこう言うのも、もっともなことです。

私たちは神に反逆したからです。

しかし、すべての国々の民よ、

私の苦悩と絶望に目を留めてください。

息子も、娘も、

奴隷として遠い国へ引いて行かれました。

19 私は同盟国の助けを求めましたが、

彼らは少しも役に立たず、がっかりするばかりでした。

祭司も、長老も、同じことでした。

彼らは、残飯をあさってうろつきながら、

道ばたで飢え死にしたのです。

20 主よ、私の苦しみに目を留めてください。

私の心は傷つき、たましいは絶望にあえいでいます。

私がひどく背いたからです。

外に出ると、剣が待ち伏せし、

家にいても、病気と死が私を捕らえて放しません。

21 私のうめきを聞いてください。

助けてくれる者はどこにもいません。

敵は私が苦しんでいるのを聞きました。

彼らは、主が私に罰を加えたと知って、

喜んでいます。

しかし主よ。お約束どおり、

彼らも私と同じ目に会う時が来るはずです。

22 主よ、彼らの罪にも目を留め、

あなたが私に下したのと同じ罰を

彼らにも下してください。

私はため息をくり返し、

私の心はしおれきっているのです。

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哀歌

哀歌 2

神の怒りの理由

1 主の怒りの雲がエルサレムを覆いました。

イスラエルで最も美しい町は、ちりの中に伏し、

主の命令によって天から投げ落とされました。

御怒りの燃え上がる日になると、

神はご自分の宮にさえ、

一かけらのあわれみもかけませんでした。

2 主は容赦なく、イスラエル中の家を倒し、

怒りにまかせて、すべての要塞と城壁を壊しました。

この国を、支配者もろとも地にたたきつけたのです。

3 イスラエルの力は、主の憤りの前に、

あえなく消滅します。

主は敵が攻めて来た時、擁護から手を引きました。

神は猛り狂う火のように、

イスラエルを焼き尽くします。

4 神はご自分の民に向けて、

まるで敵でもあるかのように弓を引きます。

主の御力は彼らに向かい、

えり抜きの若者たちを虐殺し、

憤りの火を注ぎます。

5 主は、敵のようになって、

イスラエルを地上から抹殺し、

その要塞と宮殿を破壊しました。

こうして、悲しみと涙が

エルサレムの受ける分となったのです。

6 主は、庭先の木の枝と葉で作ったあばら屋のように、

ご自分の神殿を手荒く壊しました。

もう例祭と安息日を守ることができません。

王も、祭司も、主の激しい怒りの前に倒れます。

7 主はご自分の祭壇から顔を背けました。

形ばかりの礼拝に失望したからです。

主は宮殿を敵の手に渡しました。

彼らは、例祭の日にイスラエル人がしたように、

神殿で飲み騒ぎました。

8 主はエルサレムを滅ぼそうと決め、

「破壊」という物差しでこの都を測ったのです。

それで、とりでも城壁も音を立ててくずれました。

9 エルサレムの門はもう役に立ちません。

主の手にかかって、錠もかんぬきも壊されたからです。

王も首長も奴隷となり、引かれて行きました。

そこには神殿もなく、

生活の指針となる律法もなく、

預言者の幻もありません。

10 エルサレムの長老たちは、荒布をまとって地に座り、

黙り込んでいます。

彼らは悲しみ、失望して、頭にちりをかぶります。

おとめたちも、恥ずかしがって頭を垂れます。

11 私は涙のかれるまで泣きました。

同胞の身に起こったことを見て、

悲しみのあまり胸が張り裂け、

身を切られる思いでした。

幼い子どもや、生まれたばかりの赤ん坊が、

道ばたで衰弱し、息絶えていくのです。

12 子どもたちは「何か食べたい」と訴えるように、

乳の出ない母の胸に顔を埋めます。

小さないのちは、

戦場で傷ついた兵士のように消えていきます。

13 今までこんな悲惨なことがあったでしょうか。

エルサレムよ。

あなたの苦悩を何にたとえたらよいでしょう。

どのようにして慰めたらよいのでしょう。

その傷は海よりも深く、だれにもいやせません。

14 預言者たちは、多くのまやかしを預言しました。

あなたの罪を指摘して、

何とかしてあなたが奴隷にならないようにしようと、

努力することもありませんでした。

うそを並べ立て、

万事うまくいくと言ったのです。

15 道行く人たちはみな、あざけって頭を振り、

「これが『世界で最も美しい都』とも、

『全地の喜び』とも呼ばれていた町なのか」

とさげすみます。

16 敵はあなたをあざ笑い、

ののしって言います。

「とうとう、この都を滅ぼしたぞ。

待ちに待った時がついにきた。

この目で、都が倒れるのを見た。」

17 しかし、このようにしたのは主です。

主は、警告どおりのことをしたのです。

ずっと前から決めていた

エルサレムを破壊するという約束を実現させたのです。

容赦なくエルサレムを滅ぼし、

敵がこの町のことで喜び、

自分たちの力を自慢するように仕向けたのです。

18 その時、人々は主の前で泣きました。

エルサレムの城壁よ、昼も夜も、

存分に泣きなさい。

涙が川となって落ちるまでに。

19 夜を徹して、神に叫びなさい。

主に向かって両手を上げ、

心を水のように注ぎ出しなさい。

飢えて道にしゃがみ込んでいる子どもたちのために、

ひたすら祈りなさい。

20 主よ、思い直してください。

このような仕打ちをしている相手は、

神の民ではありませんか。

母親が、ひざの上であやしたわが子を

食べていいのでしょうか。

祭司や預言者が、神殿で殺されてよいのでしょうか。

21 老人も幼い者も、男も女も、

敵の剣にかかって路上に倒れています。

主よ。あなたが怒って無慈悲に殺したのです。

22 あなたが、この恐ろしい破壊を招き寄せたのです。

あなたの怒りの日、逃げ延びた者や生き残った者は、

一人もいません。

幼い子どもたちはみな敵の手に落ち、

冷たくなって路上に横たわっています。

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哀歌

哀歌 3

神の恵みはただ一つの望み

1 私は、神の激しい怒りのむちが振り下ろされるのを、

この目で見ました。

2 主は暗闇の底に私を連れて行き、

いっさいの明かりを吹き消しました。

3 私に襲いかかる主の御手は、

昼も夜も重くのしかかっています。

4 私は憔悴しきって、すっかり老け込んでしまいました。

5 主は私の前にとりでを築き、

苦しみと悩みで私を取り囲みました。

6 私を、ずっと前に死んだ者のように、

暗がりに埋めました。

7 主が私を閉じ込めたので、

どんなにもがいても逃げられません。

主は私を重い鎖でつなぎました。

8 私がどんなに声を張り上げても、

主は祈りを聞こうとされません。

9 私は、高い崖が周囲にそそり立つ所に閉じ込められ、

どんなに急いでも、道を先へ進めません。

10 主は熊やライオンのように、

私に襲いかかろうと待ち伏せています。

11 主は私をやぶに引きずり込み、

前足でずたずたに引き裂いて、置き去りにしました。

12 主は弓を引きしぼり、私にねらいをつけました。

13 その矢は、私の心臓に突き刺さりました。

14 同胞は私を笑い者にし、

一日中、下品な歌であざけります。

15 主は私に悲しみの杯を飲ませたので、

口の中が苦くなりました。

16 小石を食べさせられ、歯が折れました。

主は、私が灰とちりの中を転げ回るようにしました。

17 主よ、平和も繁栄も、ずっと前に姿を消しました。

あなたが取り去ったからです。

私は、楽しみとはどんなことか、すっかり忘れ、

18 夢も希望もなくなりました。

もう気力さえ残っていません。

主が私を置き去りにしたからです。

19 どうか、私に突きつけた苦い杯と苦しみとを

思い出してください。

20 私は身のすくむような恐ろしい年月を、

忘れようにも忘れられません。

私のたましいは屈辱に沈んだままなのです。

21 それでもなお、一つの望みが残っています。

22 主の恵みは決してなくなることがない、

ということです。

私たちが滅亡しなかったのは、

主の恵みによります。

23 神の真実は限りなく、

その恵みは朝ごとに新しくなります。

24 主こそ私の受ける分で、私は主に望みを置きます。

25 主は、ご自分を待ち望む者、ご自分を求める者を

いつくしみます。

26 主の救いだけに望みを置いて、

静かに待つのは良いことです。

27 若い時にきびしく訓練されるのは良いことです。

28 その人は主から命令があったとき、

黙ってそれを受け止め、

29 下を向きますが、

ついには希望を見いだすようになります。

30 自分を打つ者にもう一方の頬を向け、

ひどい侮辱を受けなさい。

31 主がいつまでも見捨てておくはずがないからです。

32 たとえ、彼に悩みを与える場合でも、

主は恵み深いお方ですから、

忘れずにあわれみをかけてくれます。

33 主は意味もなく人を苦しませ、

悲しませたりはしません。

34-36 しかし、あなたは身分の低い者を踏みつけ、

神に与えられた彼らの権利を奪い、

公平に扱いませんでした。

だから今、主がつらく当たるのは当然のことです。

37 主の許しがなければ、だれもあなたに、

あれほどひどい仕打ちをするはずがありません。

38 ある人を助け、ほかの人に災いを下すのは主です。

39 どうしてただの人間にすぎない私たちは、

自分の罪のために罰を受けたからといって、

つぶやいたり、不平を言ったりするのでしょう。

40 むしろ、自分自身を振り返り、悔い改めて、

主に立ち返るべきです。

41 手だけでなく、心もいっしょに、

天におられる神に向けようではありませんか。

42 私たちは罪を犯したのです。

主に反抗し、

主は、そのことを忘れませんでした。

43 主よ。あなたは怒って私たちを追いつめ、

容赦なく打ちました。

44 あなたは雲で姿を隠しているので、

私たちの祈りは届きませんでした。

45 あなたは私たちを、

国々の間で、ごみのように捨てられるものとしました。

46 敵はみな、私たちに大きな口をたたきました。

47 私たちは罠にかかり、見殺しにされたので、

恐れに取りつかれました。

48-49 同胞が滅んでいくのを見て、

昼となく夜となく、涙があふれ出ます。

50 ああ、主が天から見下ろして、

私の叫びに答えてくださるとよいのに。

51 私の胸は、エルサレムの娘たちの災いを知って、

張り裂けんばかりです。

52 今までに一度もこちらから害を加えたことのない敵が、

まるで鳥をねらうように、私を追いかけました。

53 彼らは私を井戸に放り込み、

大きな石でふたをしたのです。

54 水が頭の上まで来たので、

これで終わりだと思いました。

55 しかし主よ。

私は井戸の底から、主の名を呼びました。

56 すると、あなたはその叫びを聞いてくださいました。

私の訴えに耳を傾け、

私の泣き声を聞かれたのです。

57 私の絶望の声を聞いて近づき、

「恐れてはいけない」と語りました。

58 私を弁護してくれる主よ、私をお守りください。

あなたは私のいのちを買い戻してくださったのです。

59 あなたは、敵が私にどんなことをしたかを見ました。

裁判官となって、私の身の潔白を証明してください。

60 あなたは、敵が企んださまざまの陰謀を見て、

61 聞くに耐えない名で私を呼んだのをご存じです。

62 また、彼らが私について言っていること、

ひそひそ声で相談している計画をご存じです。

63 私の失脚を謀って、あざ笑い、

はしゃいで歌っている様子を見てください。

64 主よ、彼らのしたすべての悪に、

報いてください。

65 主よ、彼らを強情にし、のろってください。

66 とことんまで追いつめ、

天の下から根絶やしにしてください。

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哀歌

哀歌 4

エルサレムの哀歌

1 どうして、純金は光沢を失ったのでしょうか。

それを埋め込んだ神殿の壁がくずれ落ち、

道ばたに散らばったからです。

2 純金とも言うべき、えりすぐりの若者が、

土の器のように扱われています。

3-4 山犬でさえ、自分の子を育てるというのに、

イスラエルは荒野のだちょうのように、

赤ん坊の泣き声を聞いても知らぬふりをしています。

一滴の水も残っていないので、

子どもたちは渇きのため、

のどがかれています。

幼子はパンが欲しくて泣きますが、

誰ひとり、一かけらも与えることができません。

5 味にうるさい美食家たちも、

口に入る物なら何でも恵んでくれと、

道ばたで物乞いしています。

宮殿育ちの貴族までが、ごみ捨て場をあさります。

6 それというのも、イスラエルの罪は、

またたく間に、人の手によらず滅んだ

ソドムの罪より大きいからです。

7 上流階級の人たちは、ほっそりして日に焼け、

見るからに健康そうで、

最高の人々でした。

8 それが今では、顔はすすけたように真っ黒です。

町の中にいても見分けがつきません。

皮膚はかさかさに乾いてしなび、

骨にへばりついています。

9 剣でひと思いに殺される者は、

飢えのためにじわじわと死に追いつめられる者より

はるかにましです。

10 心の優しい女でさえ、生き延びるために、

自分の腹を痛めた子どもを食べました。

11 こうして主の怒りは晴らされ、

激しい憤りが出し尽くされました。

主がエルサレムに放った火は、

その土台まで焼き尽くしました。

12 世界中のだれもが、

まさか敵軍がエルサレムの門を破るとは、

夢にも思いませんでした。

13 神がそれを許したのは、

罪のない者の血を流して都を汚した

預言者や祭司たちの罪のためです。

14 今や、彼らは血にまみれ、

触れるものは何でも汚しながら、

あてもなく町の中をさまよい歩いています。

15 彼らを見て、人々は「あっちへ行け。

汚らわしい」と叫びます。

彼らは遠い国へ逃げて行き、

外国人の居留地をなおさまよい歩きます。

しかし、どこへ行っても仲間はずれで、

誰ひとり居住権を与えてくれません。

16 主は彼らにつらく当たり、

援助の手を伸べるのを差し控えました。

神に最後まで忠実だった祭司や長老たちを、

彼らが迫害したからです。

17 私たちは、同盟国の助けを待っていましたが、

来ませんでした。

最もあてにしていた国さえ、

少しも動こうとしませんでした。

18 一歩外に出れば、身の危険にさらされどおしです。

私たちの最期は間近です。

私たちの余命は、もう数えるほどしかありません。

私たちは滅亡の宣告を受けています。

19 敵はわしより速く飛ぶので、

たとえ山へ逃げても、すぐに見つかります。

荒野に隠れても、先回りして待っています。

20 頼みの綱であった、主に油注がれた私たちの王は、

敵の罠にかかって捕まりました。

この偉大な王さえいれば、

どんな国が来ても大丈夫だったのに。

21 ウツの地に住むエドムの人たちよ。

喜んでいるのですか。

しかしあなたがたも今に、

主の恐ろしい怒りを感じるようになります。

22 イスラエルは罪を犯して遠い国へ移されましたが、

刑期はやがて終わります。

しかしエドムの刑期は、いつまでも終わりません。

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哀歌

哀歌 5

悔悟の祈り

1 主よ、私たちの身に起こったことをみな

思い出してください。

私たちが、どんなに大きな悲しみを

忍ばなければならないかに、目を留めてください。

2 私たちの家にも、国にも、

見知らぬ外国人が住みついています。

3 父親は死に、母親は未亡人となり、

私たちは孤児となりました。

4 飲み水にさえ、金を払わなければならなくなりました。

たきぎを買おうとすると、

とほうもない値段をつけられます。

5 私たちは支配者の足もとにひれ伏し、

いつ終わるとも知れない労働にせき立てられます。

6 パンを得るために、

エジプトやアッシリヤに頭を下げます。

7 私たちの先祖は罪を犯しましたが、

さばきが下る前に死にました。

私たちは、彼らの受けるはずの刑罰を

背負い込んだのです。

8 以前は私たちに仕えていた召使が、

今では主人に取って代わりました。

私たちを救ってくれる者は一人もいません。

9 私たちは、

敵に襲われていのちを落とすのを覚悟して、

食べ物を探しに荒野へ行きました。

10 皮膚は、飢えのため黒ずんできました。

11 敵はエルサレムの女や、

ユダの町々の娘を辱めました。

12 指導者たちは彼らの手でつるされ、

長老たちもさげすまれました。

13 彼らは、ひき臼をひかせるために若い人たちを、

重い荷をかつがせるために幼い子どもたちを、

労働力として連れ去りました。

14 もう町の門に、老人たちは座っていません。

若者が踊ったり歌ったりする姿も、

もう見ません。

15 喜びを忘れ、

踊りは死の踊りとなりました。

16 私たちの栄光は去り、

頭から冠が転げ落ちました。

私たちが罪を犯したために、

災いが降りかかったのです。

17 私たちの心は弱って疲れはて、目はかすんでいます。

18 エルサレムと神殿は荒れはてて、住む人もなく、

いるのは廃墟を歩き回る野獣だけです。

19 主よ。あなたはいつまでも変わらないお方で、

御座は永久に続きます。

20 それなのになぜ、私たちを忘れてしまったのですか。

なぜ、こんなに長い間、

見捨てておくのですか。

21 私たちに御顔を向け、

もう一度、みもとに戻してください。

それだけが私たちの望みです。

以前の喜びを返してください。

22 それとも、神は私たちを

すっかり見放してしまったのですか。

まだ私たちを怒っているのでしょうか。

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エゼキエル書 の紹介

の紹介

祭司エゼキエルは、紀元前五九七年に、捕囚としてバビロンに連れて行かれ、そこで神の預言者となりました。彼は、エルサレムに残っている人々に、必ずさばきが下ると説きましたが、周囲のユダヤ人は快く聞き入れませんでした。しかし、彼の予告どおり、前五八七年にエルサレムが崩壊してから、人々は初めて彼のことばに熱心に耳を傾けるようになるのです。エゼキエルの預言は、この時を境に、暗いさばきの内容から、未来に対する慰めと希望に変わります。最悪の事態はすでに過ぎ、今は再出発に備える時だからです。

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エゼキエル書 1

最初の幻

1-3 ブジの息子である私エゼキエルは祭司でしたが、バビロンに連れて来られた捕囚のユダヤ人の一人として、ケバル川のほとりに住んでいました。第四の月の五日、突然、天が開いて、私は神からの幻を見たのです。その時、私は三十歳になっていました。

4 その幻の中で、私は見たのです。北の方から、燃える火のような巨大な雲を前面に押し出しながら、激しい嵐が私を目がけて突進して来ます。雲に包まれた火は絶え間なく閃光を放ちながら、火の中には、みがき上げた真鍮のように輝くものがありました。

5 すると、その雲の真ん中から、人間のように見える奇妙な姿をした四つのものが現れました。

6 その四つのものは、それぞれ四つの顔と二対の翼を持っていました。

7 足は人間の足のようですが、先が子牛のひづめのように分かれていて、みがいた真鍮のように輝いているのです。

8 また、それぞれ翼の下から人間の手が出ているのが見えました。

9 この四つの生きものは翼を連ねて、曲がらずにまっすぐ飛んで来ました。

10 それぞれの顔は、正面は人の顔、右側はライオンの顔、左側は牛の顔、背面はわしの顔でした。

11 それぞれの二対の翼は、背中の中央から広げられ、一対は両側の生きものの翼に触れ合い、他の一対は体を覆っていました。

12 そして、彼らの霊が行く所はどこへでも、曲がることなく、まっすぐに進んで行きました。

13 これらの生きものの間を、赤く燃える炭火や明るいたいまつのように輝く別の生きものがうごめいていました。それらの生きものからは、いなずまが出ていました。

14 その生きものたちは、いなずまの光のように速く、あちこち動き回っていました。

15 私がこの光景に見入っていると、四つの生きものの下には、地上でそれらを支えるように四つの輪があるのが見えました。それぞれの生きものに一つの輪がついているのです。

16 輪はみがき上げた琥珀でできているように見え、輪の中にもう一つの輪が内側にあるようにはめ込まれていました。

17 これらの輪は、向きを変えずに四つの方向に向かうことができました。

18 四つの輪には縁と輻があり、縁の外側には目がいっぱいついていました。

19-21 四つの生きものが前方に飛ぶときは輪も前方に動き、上に飛ぶと輪も上に動きました。生きものが止まると輪も止まりました。生きものの霊が輪の中にあったからです。それで、霊が行く所はどこへでも、輪と生きものも行きました。

22 生きものの上に広がった大空は、まるで水晶のように輝き、ことばでは表現できないほどの美しさでした。

23 それぞれの生きものの翼は、互いにまっすぐに伸びて触れ合い、もう一対の翼が体を覆っていました。

24 生きものが飛ぶと、翼は打ち寄せる波や神の声のように、あるいは大軍勢の雄たけびのようなとどろきを立てました。生きものは止まると、翼を下に垂れました。

25 生きものが止まるたびに、頭上の水晶のような大空から声が聞こえました。

26 生きものの頭上の空高く、壮麗な青いサファイヤで作った王座のようなものがあり、人間の姿に似た方が座っていたのです。

27-28 その方は、腰から上は、火のように照り輝く、燃える青銅のように見えました。腰から下は炎に包まれ、その方の回りには虹のような輝きがありました。このように、主の栄光が示されたのです。これを見て、私は地にひれ伏しました。そして、私に語りかける方の声を聞いたのです。

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エゼキエル書 2

エゼキエルの召命

1 その方は私に、「人の子よ、立て。わたしはあなたに語ろう」と言いました。

2 その方が語ると、御霊が私の中に入り、私を立たせました。

3 「人の子よ、あなたをイスラエルの国、すなわち、わたしに反逆している国に遣わす。彼らも、彼らの先祖も、この時までわたしに罪を犯し続けてきた。

4 彼らは恐ろしく強情で頑固者だ。それでもわたしは、神である主のことばを伝えるために、あなたを遣わす。

5 彼らは反逆者なのだ。だが忘れてはならない。彼らが聞いても聞かなくても、少なくとも、彼らの間に預言者がいたことだけは知るだろう。

6 人の子よ、彼らを恐れるな。どんなに彼らの脅しが激しく、とげとげしくて、さそりのように突き刺してきても、ひるんではならない。険悪な様相であってもたじろぐな。彼らは反逆者なのだから。

7 彼らが聞こうが聞くまいが、あなたはわたしの言うことを語れ。もっとも彼らは、骨の髄まで反逆者だから聞かないだろうが……。

8 人の子よ、わたしが語ることを聞け。あなたが反逆者になってはならない。口を大きく開けて、わたしが与えるものを食べるがいい。」

9-10 そこで私が見ていると、裏表両面に字が書いてある巻物を持つ手が、目の前に差し出されたのです。その方は巻物を広げましたが、そこには警告や悲嘆や、審判の宣告などがびっしり書かれていました。

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