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民数記 30

誓いを立てるときの規定

1-2 モーセは、族長を集めて言いました。「主に誓ったことは必ず守りなさい。何かをする、あるいはやめると誓ったら、そのとおり実行しなければならない。主がそう命じておられる。

3-4 ただ、結婚前でまだ父親の家にいる女性の場合は違う。そういう女性が誓いを立て、それを破ったら罰せられてもかまわないと言った場合、父親の同意が必要となる。そのことを聞いて、父親が何も言わなければ、誓いはそのまま有効である。

5 しかし、父親が認めなかったり、罰が重すぎると考えたときは、それだけで無効になる。ただし、そのことを聞いた日のうちに、はっきり『認めない』と言わなければならない。父親が認めなかったのだから、娘は誓いを果たさなくても罰せられない。

6 娘がよく考えもしないで誓いを立て、そのあとで結婚した場合はどうなるのか。

7 夫がそのことを聞いた日に何も言わなければ、誓いはそのまま有効である。

8 しかし、夫が『認めない』と言えば無効になる。妻は、誓いを果たさなくても罰せられない。

9 未亡人や離婚した女性の場合は、自分で立てた誓いは果たさなければならない。

10 結婚して、夫といっしょに暮らしているときに誓いを立てた女性の場合は、

11 夫がそれを聞いて何も言わなければ、誓いは有効である。

12 しかし、聞いた日のうちに『認めない』と言えば無効である。そして、妻も罰せられない。

13 夫は妻の立てた誓いを認めることも、無効にすることもできるが、

14 その日のうちに何も言わなければ、同意したことになる。

15 あとになって『誓いを認めない』と言っても無効であるばかりか、妻が受けるはずの罰を、夫が代わりに受けなければならない。」

16 以上が、誓いを立てる場合の夫と妻、父親と結婚前の娘がどういう関係にあるかをはっきりさせたおきてです。

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民数記 31

ミデヤン人への報復

1 それからまた、主はモーセに告げて言いました。

2 「ミデヤン人に報復をしなさい。ほんとうの神でない偶像を拝めとそそのかした罰である。それがすんだら、あなたは天に移される。」

3 そこで、モーセは人々に言いました。「さあ、主の命令だ。武器を取って、ミデヤン人たちと戦え。

4-5 各部族から千人ずつ兵を出すのだ。」

直ちにこのとおりにされ、一万二千人が戦場に送られました。

6 祭司エルアザルの子ピネハスもいっしょです。進軍ラッパを鳴らし、聖具を持っていく役だからです。

7 戦いは大勝利でした。敵方の男はみな殺され、

8 ミデヤン人の五人の王、エビ、レケム、ツル、フル、レバも、あえない最期を遂げました。あのベオルの子バラムも、この戦いで死にました。

9-11 イスラエル軍はミデヤン人の女と子どもを全員捕虜にし、牛や羊のほか、いろいろな戦利品を奪い、町や村を一つ残らず焼き払いました。

12-13 捕虜を引っ立てて、戦利品を山ほどかかえて意気揚々と引き揚げて来た一行を、モーセや祭司エルアザルをはじめ指導者たちが迎えました。その時、人々はまだヨルダン川の東側で、エリコに向かい合うあたりのモアブ平原に野営していました。

14 ところが、モーセは一行を見るなり、将校や指揮官をしかりつけました。

15 「なぜ女たちを生かしておいたのか。

16 あのバラムの勧めに従って、ペオル山で偶像を拝めとそそのかしたのはこの者たちである。それで、大ぜいの者が疫病にかかって死んだ。

17 子どものうち男の子と、男と寝たことのある女は生かしておくな。

18 女の子だけは助け、めいめいが引き取ってもかまわない。

19 ところで、殺害に加わった者、死体にさわった者はみな、七日間は宿営に入ってはならない。そして三日目と七日目に、自分と捕虜の身をきよめなければならない。

20 また、衣服、皮ややぎの毛や木で作った物など全部をきよめるのを忘れるな。」

21 祭司エルアザルも兵士たちに言いました。「主がモーセに命じたのは、こういうことだ。

22 金、銀、青銅、鉄、すず、鉛など、燃えない物はみな、

23 火で焼ききよめ、それからきよめの水できよめる。燃える物は水できよめるだけでかまわない。

24 そして七日目に、衣服を洗い、身をきよめてから宿営に戻りなさい。」

25 主はモーセに言いました。

26 「祭司エルアザルや族長たちといっしょに、捕虜、家畜、戦利品の数を表にまとめなさい。

27 それを、兵士と国民とに半分ずつ分けるのだ。

28 兵士はその中から、捕虜、牛、ろば、羊の五百分の一を主に献納しなければならない。

29 祭司エルアザルがそれを受け取り、神への奉納物としてささげる。

30 また国民も同じように、分け前の捕虜や家畜のそれぞれ五十分の一を納めなければならない。それはわたしの取り分だから、幕屋で働くレビ人に与えるのだ。」

31 そこでモーセと祭司エルアザルは、命じられたとおりにしました。

32-35 宝石、衣服などを除いた戦利品の総計は、羊六七万五、〇〇〇頭、牛七万二、〇〇〇頭、ろば六万一、〇〇〇頭、少女三万二、〇〇〇人でした。

36-40 この半分が兵士の分け前です。羊三三万七、五〇〇頭〔うち主にささげたのは六七五頭〕。牛三万六、〇〇〇頭〔うち主にささげたのは七二頭〕。ろば三万五〇〇頭〔うち主にささげたのは六一頭〕。少女一万六、〇〇〇人〔うちレビ部族に与えられたのは三二人〕。

41 主がモーセに命令されたとおり、主の取り分はみな祭司エルアザルが受け取りました。

42-46 兵士の分とは別に、人々も全く同じだけの分け前を受け取れます。

47 主の命令どおり、その五十分の一はレビ人のものになります。

48-49 その時、将校や指揮官たちがモーセに申し出ました。「兵士の数を調べたところ、出兵した者は全員無事に戻ってまいりました。

50 そこで、戦利品の中から、金製の腕飾り、腕輪、くるぶしの飾り輪、指輪、イヤリング、ネックレスなどをささげて、感謝の気持ちを表したいのです。どうかこれをお納めください。全員のいのちが守られたお礼でございます。」

51-52 モーセと祭司エルアザルはささげ物を受け取りましたが、全部で金一万六、七五〇シェケル(一九二キログラム)以上にもなりました。

53 このほかにも、兵士たちはそれぞれ戦利品を持っています。

54 ささげ物は幕屋に運ばれ、戦勝の記念品として大切に保管されました。

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民数記 32

ルベン族とガド族の土地

1 さて、イスラエルの中でルベン族とガド族は、羊をたくさん持っていました。その羊を飼うには、今いるヤゼルやギルアデの地域が最適です。

2 そこで、モーセと祭司エルアザル、族長たちに願い出ました。

3-4 「主は私たちに味方して、このあたりのアタロテ、ディボン、ヤゼル、ニムラ、ヘシュボン、エルアレ、セバム、ネボ、ベオンの住民をみな滅ぼされました。ここはもともと、羊を飼うには理想的な場所です。

5 ヨルダン川の向こう側の土地はいりませんから、ここを私たちに下さい。」

6 モーセは答えました。「ほかの者が向こう側へ渡ってこれからも戦いを続けるのに、ここに残りたいと言うのか。

7 主が下さる国へ進んで行こうとする、他の部族の士気をくじくつもりか。

8 それでは先祖たちと少しも変わらない。四十年前、カデシュ・バルネアから偵察を送り込んでカナンの地を探らせた時、

9 エシュコルの谷から戻って来た者たちは何と言ったか。あきれたことに、約束の地へは上って行かないほうがいいと言って、みんなの士気をくじいたのだ。

10-11 もちろん、主は怒って、『エジプトから助け出された者のうち、二十歳以上の者にはだれ一人、アブラハム、イサク、ヤコブに与えると誓った地は見せない』と断言なさった。主のお考えに従おうとしなかったからだ。

12 しかし、ケナズ一族のエフネの子カレブと、ヌンの子ヨシュアは違う。主の言われるとおり、あくまでも約束の国へ行こうと熱心に勧めたのだ。

13 主に背いた者がみな死んでしまうまで、四十年もの間、私たちは荒野をさまよい歩いた。

14 ああ、それなのに、やはり血は争えないものだ。また同じことをくり返すとは、なんということか。しかも、今は以前より人数も多い。主はもっと激しくお怒りになるだろう。

15 またしても主に背いたら、これからもずっと荒野をさまよわなければならない。おまえたちのせいでみなが苦しみ、死ぬはめになったらどうするつもりだ。」

16 彼らは言いました。「とんでもない。私たちはただ、羊を飼えるように柵を作り、子どもたちのために町を建ててやりたいだけです。

17 ここに残るつもりは全くありません。武装し、みなの先頭に立ってカナンに攻め入ります。ただその前に、残る家族が安全に住めるように、城壁で囲まれた町を建てさせてもらいたいのです。

18 他の部族がそれぞれ相続地を手に入れるまでは、決して戻って来ません。

19 ヨルダン川のこちら側の土地さえ頂ければ、向こう側の土地はいりません。」

20 モーセは答えました。「よくわかった。今言ったとおり武装し、

21 主が敵を追い払うまでヨルダン川の向こう側で戦いに加わるなら、

22 征服を終えしだい戻ってよい。それで主と他の部族に対する責任は果たしたことになる。主はヨルダン川のこちら側の土地を下さるだろう。

23 しかし約束を破ったなら、主に罪を犯すのだから、必ず罰せられる。

24 さあ、言ったとおり町を建て、羊を飼う柵を作りなさい。」

25 「すべて命令どおりにいたします。

26 子ども、妻、羊、牛は、このギルアデの町に残りますが、

27 兵役に就いている者は全員、おっしゃるとおり主のために戦います。」

28 モーセはこれを承知し、エルアザル、ヨシュア、族長たちに言いました。

29 「ガド族とルベン族のうち兵役に就いている者が、いっしょにヨルダン川を渡り、神様のために戦う。だから征服し終えたら、このギルアデの土地を与えてやりなさい。

30 しかし、いっしょに行こうとしなかったら、あなたがたと同じように、ヨルダン川の向こう側のカナンに土地を持たせるのだ。」

31 これに答えるように、ガド族とルベン族の者は、口をそろえて誓いました。「主のご命令どおりにいたします。

32 武装して、カナンの地へまいります。ただ相続する所有地は、ヨルダン川のこちら側の土地を頂きたいのです。」

33 そこでモーセは、エモリ人の王シホンとバシャンの王オグの領土を、ガド族とルベン族、それにヨセフの子マナセの半部族に割り当てました。

34-36 ガド族が建てたのは次の町です。ディボン、アタロテ、アロエル、アテロテ・ショファン、ヤゼル、ヨグボハ、ベテ・ニムラ、ベテ・ハラン。以上はみな、城壁を巡らし、羊を飼う柵のある町です。

37-38 ルベン族が建てた町は次のとおりです。ヘシュボン、エルアレ、キルヤタイム、ネボ、バアル・メオン、シブマ。この中の幾つかは、再建した時に新しい名をつけました。

39 一方、マナセ族のうちのマキル族がギルアデを征服し、エモリ人を追い出したので、

40 モーセはそこを彼らに与えました。

41 また、やはりマナセ族であるヤイル族は、ギルアデの村を幾つも占領し、ハボテ・ヤイルと名前を変えました。

42 さらにノバフという男がケナテと周辺の村を攻め落とし、自分の名にちなんで、その地域をノバフと名づけました。

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民数記

民数記 33

エジプトを出てからの旅の記録

1 以下は、イスラエルの民が、モーセとアロンに導かれてエジプトを出てからの旅の記録です。

2 モーセは主の命令によって、旅の経過を記しておいたのです。

3-4 過越の祭りの晩の翌日、つまり第一月の十五日に、彼らはエジプトの町ラメセスを出発しました。エジプト人は、前の晩、主に打ち殺された長男たちの埋葬に忙しく、手が出せません。そんな彼らをしり目に、イスラエルの民は大手を振って出発しました。イスラエルの神は、エジプトのすべての神々にさばきを下したのです。

5-7 ラメセスを出てから、スコテ、荒野の端にあるエタム、ミグドル山のふもとのバアル・ツェフォンに近いピ・ハヒロテに野営を続けました。

8 そこから紅海の真ん中を通り、三日間エタムの荒野を進んで、マラに野営しました。

9 マラの次はエリムでした。そこには、泉が十二もあり、なつめやしの木が七十本も茂っていたので、しばらくとどまりました。

10-11 エリムを発ったあと、紅海のほとり、続いてシンの荒野に野営しました。

12-14 次に、ドフカ、アルシュと進んで、レフィディムへ行きましたが、そこには飲み水がありませんでした。

15-37 レフィディムからシナイの荒野に向かい、さらにキブロテ・ハタアワまで行きました。

このあと、ハツェロテ、リテマ、リモン・ペレツ、リブナ、リサ、ケヘラタ、シェフェル山、ハラダ、マクヘロテ、タハテ、テラ、ミテカ、ハシュモナ、モセロテ、ベネ・ヤアカン、ホル・ハギデガデ、ヨテバタ、アブロナ、エツヨン・ゲベル、ツィンの荒野のカデシュ、エドムの国境にそびえるホル山へと旅を続けました。

38-39 そこまで来た時、祭司アロンは主の命令でホル山に登り、山の上で息を引き取りました。ちょうど、エジプトを出てから四十年目の第五月の一日のことでした。百二十三歳でした。

40 この時、カナン人でネゲブに住むアラデの王は、イスラエル人がカナンの国を目指して進んで来ているということを耳にしました。

41-44 王は戦いを挑みましたが、結局はイスラエルが勝ちました。このあとホル山を出発し、ツァルモナ、プノン、オボテ、モアブの国境イエ・ハアバリムと野営を重ね、

45-47 さらにディボン・ガド、アルモン・ディブラタイム、ネボ山に近いアバリムの山地へと進み、

48 ついに、エリコに近いヨルダン川の東に広がるモアブ平原まで来たのです。

49 そこにいる間は、ヨルダン川に沿ってベテ・ハエシモテからアベル・ハシティムまでの、いろいろな場所に野営しました。

偶像礼拝への警告

50-51 その平原で、主はモーセに人々への命令を伝えました。「ヨルダン川を渡ってカナンの地に入ったら、

52 住民をことごとく追い払い、偶像をみな破壊しなければならない。石像も鋳像も、丘の上にある礼拝所もすべてだ。

53 わたしがその地を与えたのだから遠慮はいらない。自分の国にして、どんどん住みつきなさい。

54 土地は部族の大きさに合わせて分ける。広い土地は大きい部族の間で、狭い土地は小さい部族の間でくじ引きするのだ。

55 言うとおりに住民を追い払わないと、あとで問題が起こる。残った者たちが、目に入ったごみや、わき腹にささったとげのように、絶えず悩みの種となる。

56 そればかりでなく、わたしは彼らを滅ぼそうとしたように、今度はあなたがたをそうするだろう。」

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民数記 34

国境線と土地分割の指示

1-2 主はまた、人々への命令をモーセに伝えました。「カナンの地に入ったら、イスラエルの国境は次のようになる。

3-4 南はエドムに接するツィンの荒野までで、その国境線は、死海からアクラビム峠を通ってツィンに向かう。最南端はカデシュ・バルネアで、そこからハツァル・アダル、アツモンと進み、

5 エジプト川に沿って地中海に至る。

6 西は地中海の海岸線が国境である。

7-9 北は、地中海から東に向かって延び、ホル山、レボ・ハマテ、ツェダデ、ジフロン、ハツァル・エナンを結ぶ線が国境となる。

10-12 東の国境線は、ハツァル・エナンからシェファムを通って、アインの東方のリブラまで南に下る。そこからは大きく半円を描き、初めは南へ、それから西へ進み、ガリラヤ湖の南端をかすめてヨルダン川を下り、死海に至る。

13 これがイスラエルの全土である。これを九部族と半部族とで、くじを引いて分ける。

14-15 ルベン族とガド族とマナセの半部族は、ヨルダン川の東側、エリコの向かいに当たる土地を所有することに決まっている。」

16-28 さらに主は命じました。「土地を分けるときは、祭司エルアザル、ヌンの子ヨシュア、それに各部族の代表に監督させなさい。代表者は次のとおりである。

ユダ族はエフネの子カレブ、シメオン族はアミフデの子サムエル、ベニヤミン族はキスロンの子エリダデ、ダン族はヨグリの子ブキ、マナセ族はエフォデの子ハニエル、エフライム族はシフタンの子ケムエル、ゼブルン族はパルナクの子エリツァファン、イッサカル族はアザンの子パルティエル、アシェル族はシェロミの子アヒフデ、ナフタリ族はアミフデの子ペダフェル。

29 以上が、各部族に土地を割り当てる際の代表者である。」

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民数記

民数記 35

レビ族の町

1 次のことばも、ヨルダン川のほとりに広がるモアブ平原に野営している時、主がモーセに伝えたものです。

2 「それぞれの所有地から、幾つかの町と放牧地をレビ族に与えるよう、人々に命じなさい。

3 彼らにも住む場所と、牛や羊など家畜を飼う土地が必要となる。

4 町の城壁から外側に向かって回り四百四十メートルの範囲を放牧地としなさい。

5 そうすれば、町の中心から境界線までの距離は、東西南北とも八百八十メートルということになる。

6 レビ族に与える町は、過って人を殺した者が逃げ込める、避難用の六つの町のほかに四十二だ。

7 全部で四十八の町を、放牧地も含めて与えることになる。

8 町は、大きい部族からは多く、小さい部族からは少しというふうに、全土の各地から選ぶ。」

避難用の町

9-10 次もまた、主からモーセへの命令です。「カナンの地に入ったら、

11 避難用の町を幾つか指定するように言っておきなさい。過って人を殺した者がそこへ逃げ込むためだ。

12 そうすれば、被害者の家族も容易に復讐はできない。裁判で有罪と決まるまでは、たとえ人殺しでも死刑にはできない。

13-14 そのような町をカナンに三つ、ヨルダン川の東側に三つ、全部で六つ選びなさい。

15 イスラエル人だけでなく、外国人や旅行者でも、過って人を殺したときはいつでも、この町に逃げ込んでよい。

16 しかし、鉄の道具で人を打ち殺したときは明らかに殺人罪だから、犯人は死刑だ。

17 大きな石を使った場合も殺人罪で死刑。

18 たとえ木製でも武器を使ったら、やはり殺人罪とみなされる。

19 被害者のために復讐したければ、自分で手を下してもかまわない。犯人に出会ったら殺してもよい。

20 憎しみに燃えて物を投げつけたり、待ち伏せして襲いかかったり、

21 怒りに狂ってなぐりつけたりして人を殺した場合は、明らかに殺人罪だから、犯人を処刑してもかまわない。

22-23 しかし、過失の場合はそうではない。わざと物を投げたのでも、怒って石を投げたのでもなく、投げた本人が人に当てようなどとは夢にも考えず、人を殺そうと思ったわけでもないのに、たまたまそれが当たって人が死んだ場合は、

24 事故かどうかよく調べなさい。その結果によって、加害者を復讐者に引き渡すかどうかを決めるのだ。

25 事故だとはっきりしたら、加害者を保護しなければならない。その時の大祭司が死ぬまで、彼は避難用の町に住むことになる。

26 ただし、彼が勝手に避難用の町を出、

27 町の外で復讐者に殺されたときは別である。それは殺人罪にはならない。

28 大祭司が死ぬまで町の中にいなければならないのに、勝手に町を出たからだ。大祭司が死んだら、いつでも国へ帰れる。

29 このおきては永遠に変わらない。

30 殺人犯はみな死刑だが、証人が二人以上いる場合に限る。一人だけでは死刑にできない。

31 殺人罪には代償はきかない。必ず死刑に処せられる。

32 また、大祭司が死ぬ前に家へ帰りたいと保釈金を積んでも、避難用の町から出ることはできない。

33 こうして、自分たちの土地が汚れるのを防ぐのだ。殺人で流された血は土地を汚す。それをきよめるには、殺人犯を死刑にするしかない。

34 これから行く地は、わたしもいっしょに住むのだから、このようなことで汚したりしないよう、くれぐれも注意しなさい。」

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民数記

民数記 36

相続人が女性である場合の規定

1-2 ヨセフの子の一人、マナセの部族から出たマキル族に、ギルアデという一族がありました。その代表者が、モーセとイスラエルの指導者たちに訴えました。「主は私たちに、領地をくじ引きで分けるようにとお命じになりました。実は、そのことでちょっと気になることがあります。親類のツェロフハデの相続地の件ですが、確か娘たちに土地を分けるようにとのことでしたが、

3 どうしたものでしょうか。もし彼女たちが他の部族の者と結婚したら、土地までその部族のものになり、その分だけギルアデ族の土地は減ってしまいます。

4 そうなったら、負債が免除されるヨベルの年が来ても戻りません。」

5 そこでモーセは、この問題をはっきりさせるため、主の指示を伝えました。「ギルアデ一族の訴えはもっともだ。

6 だから、ツェロフハデの娘の件はこうしなさい。彼女たちは同族の者と結婚すること。

7 それなら、土地が他の部族に移ることもない。相続地はいつまでも、最初にくじで決めたとおりのままにしておかなければならない。

8 どの部族でも、娘が相続人となる場合は、必ず同族の者と結婚しなさい。

9 こうすれば、相続地が他の部族のものになる心配はない。」

10 ツェロフハデの娘たちは、主の命じたとおりにしました。

11-12 マフラ、ティルツァ、ホグラ、ミルカ、ノアの五人は、ヨセフの子マナセの部族の者と結婚したので、相続地はそのまま残りました。

13 以上が、エリコに近いヨルダン川の対岸にあるモアブ平原で、イスラエルの人々が宿営していた時、主がモーセを間に立て、人々に伝えた命令とおきてです。

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申命記

申命記 の紹介

の紹介

カナン入国を前に、モアブ平原でなされたモーセの一連の演説や、種々の規則、およびモーセの後継者ヨシュアの任命などについて語られています。モーセは演説の中で、その時までに起こった事件を要約し、人々に信仰と従順の道を歩むよう訓戒し、神様が与えた任務にイスラエルが再献身するよう呼びかけています。ヨシュアの任命およびモーセの死とともに、古い秩序は終わり、イスラエルの運命は次代の人々の手に移ります。

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申命記

申命記 1

序文

1-5 この書は、モーセがヨルダン川の東、モアブ平原のアラバ渓谷でイスラエルの人々に向けて語った時の記録です。当時、イスラエルの人々はそこに宿営していましたが、付近にはスフ、パラン、トフェル、ラバン、ハツェロテ、ディ・ザハブなどの町がありました。この時、ホレブ山(シナイ山)を出発してから四十年目の第十一月の一日(太陽暦二月十五日)でした。ホレブ山のふもとからカデシュ・バルネア〔約束の地パレスチナの南端〕までは、セイルの山地を通れば、普通なら歩いても十一日ほどで来られます。それはともかく、ヘシュボンでエモリ人の王シホンを、エデレイに近いアシュタロテでバシャンの王オグを打ち破ったあとのことでした。ここにたどり着くまでの間、主はいろいろな律法(教えと定め)をモーセを通して伝えましたが、それを全部まとめて、もう一度、モーセが説明し直したのです。

ホレブ山出発の命令

6 「皆さん、今からちょうど四十年前、主がホレブ山でこう言われたのを覚えていますか。『もうこれ以上、ここにいる必要はない。

7 向きを変えて出発しなさい。エモリ人の山地、アラバ渓谷、ネゲブ、カナンとレバノンの全土、つまり地中海からユーフラテス川までの全地域を占領するのだ。

8 わたしが与えると言うのだから、大胆に入って行きなさい。そこは、昔あなたがたの先祖アブラハム、イサク、ヤコブおよびその子孫に必ず与えると約束した地だからだ。』

指導者たちの任命

9 あの時、私はあなたがたにこう訴えました。『私一人では、これから先、とても全員の面倒を見きれない。どうしても助け手がいる。

10 主があなたがたを、星の数ほどに増やしてくださったからだ。

11 それどころか、お約束どおり今の千倍にもしてくださる。

12 こんなに大ぜいでは、もめごとや問題もたくさん起こるだろう。とても一人ではさばききれない。

13 そこで頼みたいのだが、各部族から、人生経験が豊かで知恵もあり、物事のよくわかる者を選んでくれないか。その者たちを指導者に任命しよう。』

14 みんなが賛成してくれたので、

15 私は彼らを助け手として任命しました。一番上に千人の者を指導する長を置き、その下にそれぞれ百人、五十人、十人の者の世話をする長を置いたのです。彼らはめいめい、自分の管理のもとにある人々のもめごとを解決したり、必要な世話をしたりすることになりました。

16 当然ですが、いつでも、だれに対しても、たとえ外国人でも決して差別をせず、あくまで正しくふるまうように言いました。

17 『決定を下すとき、金持ちの肩をもってはいけない。身分の高い者も低い者も同じように正しく扱いなさい。神様の代わりにさばくのだから、人の不平不満を恐れることはない。手に負えない事件は、私のところに持ってくれば処理しよう。』

18 あの時、私はほかにもいろいろと指示しました。

民の不信仰

19-21 それからホレブ山を発って、恐ろしく果てしない荒野を旅し、主の守りのもとにエモリ人の山地に着きました。そしてついに、約束の地との境にあるカデシュ・バルネアまで行ったのです。あそこで私はあなたがたに、『主がこの国を下さったのだから、ご命令どおり前進して占領しなさい。恐れたり疑ったりしてはいけない』と告げました。

22 これに対してあなたがたは、『まず偵察隊を送り込もう。一番攻めやすい町から占領したほうがいい』と提案したのです。

23 もっともなので、各部族から一名ずつ、全部で十二名を選びました。

24-25 彼らは山地に潜入し、エシュコルの谷まで行くと、その地のくだものを持ち帰りました。それを見て、主の下さる地が実に良い地であることがはっきりわかりました。

26 ところが、あなたがたは神様の命令に逆らい、前進したくないと言いだしたのです。

27 そして、天幕(テント)の中でぶつぶつ不平を言いました。『主はきっと、私たちがお嫌いなんだ。だから、わざわざエジプトから連れ出し、エモリ人の手にかけて殺そうとしておられるのだ。

28 どうしよう。偵察隊の報告では、彼らは背が高く、力もあり、町の城壁は恐ろしく高いというではないか。そのうえ、アナク人の子孫の巨人を見たとも言っていた。考えるだけでもぞっとする。』

29 そこで私は反論しました。『恐れることはない。

30 私たちの神、主が先頭に立って戦ってくださる。主は、エジプトでは奇跡を行い、

31 その後も父親のように気を配り、荒野の旅を安全に守ってくださったことを忘れたのか。』

32-33 しかし、何を言ってもむだでした。それまでいつも共にいて、野営するのに最適の場所を選び、夜は火の柱、昼は雲の柱の中にいて進む道を教えてくださった主を、あなたがたは信じようとしなかったのです。

34-35 これには主もお怒りになりました。そのため、当時すでに大人だった者は一人も約束の地に入れなくなりました。

36 ただ、エフネの息子カレブは別です。主に従い通したほうびに、自らが偵察して潜入した地の一部を相続地として与えられることになったのです。

37 不信仰な者たちのために私でさえ主の怒りを買い、こう言い渡されました。『あなたは約束の地には入れない。

38 代わりに、あなたに仕えているヌンの子ヨシュアが指導者となる。その準備ができるように彼を励ましてやりなさい。

39 約束の地は、荒野で死ぬ者の子どもたちに与えよう。

40 決してあなたがたのものにはならない。だから、向きを変えて荒野の道を紅海の方へ戻りなさい。』

41 するとあなたがたは、今度はあわてて罪を告白し始めたのです。『お赦しください。私たちが悪かったのです。ご命令どおり、その国に攻め入ります。』そう言うと、簡単に全地を征服できるとでも思ったのか、あたふたと武装し始めました。

42 しかし主は、私にはっきり言われました。『やめさせなさい。わたしがいっしょにいないのに無謀なことをしたら、ひどい目に会うだけだ。』

43 ところが、その警告は聞き入れられず、あなたがたはまたもや主の命令に背いて、山地に攻め入ったのです。

44 案の定、結果はさんざんでした。エモリ人の返り討ちに会い、逆にセイルからホルマのあたりまで激しく追撃されてしまったのです。

45 逃げ帰ったあなたがたは主に泣きつきましたが、主は耳を傾けようとはなさいませんでした。

46 こうして、長い間カデシュにとどまることになったのです。

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申命記

申命記 2

北へ

1 そのあと私たちは、主の告げられたとおり荒野を通って、紅海の方に戻りました。それから、長らくセイル山のあたりをさまよったあげく、

2 ようやく主のおことばを頂いたのです。

3 『ここにはもう、とどまらなくてよい。北へ行きなさい。

4 これからエドム人の国を通る、とみなに知らせなさい。エドム人は、ヤコブの兄でセイルに住みついたエサウの子孫に当たり、あなたたちとは同族だが、ひどく神経をとがらせているから、くれぐれも注意が必要だ。

5 間違っても戦いをしかけてはいけない。セイルの山地はみな、わたしが永遠の領地として彼らに与えたからだ。ほんの一部でもあなたがたに与えるつもりはない。

6 食糧や水が必要なときは、金を払って買いなさい。

7 この四十年間、わたしが守り、祝福していたからこそ、あなたがたは果てしもない荒野をさまよいながらも、不自由なく過ごせたのだ。』

8 そこで私たちは、同族のエドム人が住むセイルをあとにし、南のエラテ、エツヨン・ゲベルに至るアラバ街道を横切って北へ向かい、モアブの荒野へと旅を続けました。

9 すると主は、『モアブも攻撃してはいけない。そこはロトの子孫のものだ。あなたがたに与えるつもりはない』と警告されたのです。

10 ――モアブには以前、アナクの巨人と同じように背の高いエミム人が大ぜい住んでいました。

11 エミム人もアナク人と同じようにレファイム人だと考えられていたのですが、モアブ人は彼らをエミム人と呼んだのです。

12 それより以前、セイル地方にはホリ人が住んでいましたが、追い出され、エサウの子孫のエドム人が代わって住みつきました。ちょうど、イスラエル人がカナン人を追い出し、その地に住みついたようにです。――

13 『さあ、ゼレデ川を渡りなさい』と主に命じられ、私たちは従いました。

14-15 こうしてみると、カデシュに着いてからゼレデ川を渡るまで、実に三十八年もかかったことになります。それというのも三十八年前、すでに成人し、戦いに出られるようになっていた者が死に絶えるまでそうはならないと、主が誓われたからです。そのおことばどおり彼らは全員、罪の報いを受けました。

16-17 そして、待ちに待った主のおことばがありました。

18 『今日、モアブの領土、アルを通って、

19 アモン人の国へ入りなさい。ただし、そこはロトの子孫のもので、そこをあなたがたに与えるつもりはないから、戦いをしかけてはいけない。』

20 ――その地にも以前、アモン人がザムズミム人と呼んだレファイム人が住んでいました。

21 アナク人のように背が高く強大な民でしたが、アモン人に侵略されたのです。主が彼らを滅ぼされたので、アモン人が替わって住みつきました。

22 同じように主は、今セイル山に住むエサウの子孫のために、先に住んでいたホリ人を滅ぼされました。

23 ガザにまで及ぶ地方の村々に散在していたアビム人をカフトル人が侵略し、滅ぼした時も同じです。――

ヘシュボンの王シホンとの戦い

24 続けて、主はお語りになりました。『アルノン川を渡り、ヘシュボンの王、エモリ人シホンの国を攻め取りなさい。

25 今日から、天下のあらゆる民はあなたがたを恐れ、あなたがたが来ると聞いただけで震え上がるだろう。わたしが彼らを怖がらせるからだ。』

26 そこでまず、ケデモテの荒野からヘシュボンの王シホンに使者を送り、和平を申し入れました。

27 『あなたの国を通らせてください。わき道にそれたり畑に入ったりはせず、ただ街道をまっすぐ進みます。

28 途中で食糧を盗んだりもしません。食糧や水を分けてもらったら、代金をきちんとお払いします。ただ通らせていただくだけです。

29 セイルのエドム人や、アルを首都としているモアブ人は、彼らの国を通らせてくれました。私たちはヨルダン川を渡り、私たちの神、主が下さると言われた国へ行く途中なのです。』

30 ところが、ヘシュボンの王シホンはこれを断りました。今日見るとおり、王をあなたがたの手で滅ぼそうと、主が強情を張らせたのです。

31 そのあと、主は私に、『さあ、シホン王の国を与えよう。遠慮なく占領するがいい。そこは永遠にイスラエルのものだ』と約束なさいました。

32 シホン王は宣戦を布告し、ヤハツに軍隊を集めました。

33-34 しかし主の助けで、私たちは彼を負かしました。町という町はすべて占領し、男も女も赤ん坊さえも打ち滅ぼし、

35-36 家畜以外、生き残ったものはありませんでした。家畜は分捕り物とし、ほかにも戦利品を奪い取って引き揚げました。アルノン渓谷のアロエルやその他の町々をはじめ、ギルアデまでの全地を占領したのです。主が下さった町々ですから、向かうところ敵なしでした。

37 ただし、アモン人の国、ヤボク川、山地の町々など、主のお許しがない所には近づきませんでした。

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