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申命記

申命記 3

バシャンの王オグとの戦い

1-2 次に行ったのは、バシャンの王オグの国です。ここでもまた、王は直ちに軍隊を出し、エデレイで戦いをしかけて来ました。しかし、少しも恐れることはありませんでした。主が、『この国も民も、あなたがたのものだ。ヘシュボンのエモリ人の王シホンと同じ目に会わせるがいい』と励ましてくださったからです。

3 そのとおり、私たちは彼らを全滅させ、

4 バシャンのアルゴブ地域にある六十の町を占領しました。

5 どの町も、高い城壁とがっちりした門で守りを固めてありました。ほかに城壁のない町も奪いました。

6 ヘシュボンの王シホンの国と同じようにバシャンの国を全滅させ、男も女も子どもも、一人残らず打ったのです。

7 ただし、家畜と戦利品は分捕り物としました。

8 こうして、エモリ人の二人の王を滅ぼし、ヨルダン川の東側に広がる、アルノン渓谷からヘルモン山までの全地域を占領したのです。

9 ――なお、ヘルモン山のことをシドン人はシルヨンと呼び、エモリ人はセニルと呼んでいました。――

10 高原にあるすべての町、ギルアデの全土、サルカからエデレイまでのバシャンの町々は、私たちのものになりました。

11 ――バシャンの王オグは、巨人レファイムの最後の生き残りでした。彼が使ったベッドがアモン人の町ラバの博物館に保存されていますが、鉄製で、長さがなんと四メートル半、幅は一・八メートルもあります。――

ヨルダン川東地区の分配

12 さて、征服したバシャンの国は、ルベン族、ガド族、マナセの半部族に与えました。ルベン族とガド族には、アルノン川のアロエルのほかギルアデの山地の半分と町々を、

13 マナセの半部族には、ギルアデの山地の残り半分とオグ王の国のアルゴブ地域全部です。――バシャンはレファイムの国と呼ばれることもあります。――

14 マナセ族から出たヤイル族は、ゲシュル人とマアカ人の国境までのアルゴブ地域全体を取り、彼らの名にちなんで、現在のようにハボテ・ヤイル〔「ヤイルの村」の意〕と変えました。

15 ギルアデはマキルのものになりました。

16 ルベン族とガド族に与えられたのは、ギルアデからアルノン渓谷の中ほどまで、北はアモン人との国境ヤボク川までの地域、

17 それにアラバ〔荒れ地〕です。つまり、西の境をヨルダン川に接し、キネレテの海からピスガ山、塩の海〔別名アラバの海〕までの地域です。

約束の国を占領せよ

18 その時、私は、これらの三部族に注意しました。主は確かにその土地を下さるが、兵士たちはみな武装し、ほかの部族の先頭に立ってヨルダン川を渡り、約束の国を占領するまで、そこに住みつくことはできない、と。

19-20 『ただし、女と子どもはここに住んでもよい。家畜の世話をしながら、戦いに出た者の帰りを待つのだ。ヨルダン川の向こう側にある約束の地を征服し、ほかの部族の土地を確保したら、自分たちの所へ帰ってよい。』

21 私はヨシュアに、命じました。『よいか、あなたは主があの二人の王になさったことをよく見ただろう。同じことを、ヨルダン川の向こう側のすべての国にもするのだ。

22 あなたがたの神、主が戦ってくださるから、敵を恐れるな。』

モーセの懇願

23-25 そして、主に必死でお願いしました。『ああ主よ、お願いでございます。どうか、ヨルダン川の向こうに広がる約束の地に入らせてください。あのなだらかな山地、豊かな土地、そして美しいレバノン山脈を見せてください。これまであなたの偉大なみわざを見せていただいてきましたが、最後にその結実を見たいのです。そのようなすばらしいことのできるお方は、あなたのほかにはいません。』

26 しかし主は、どうしてもそれをお聞き入れくださいませんでした。私がこのような怒りをこうむったのも、あなたがたのためです。主は言われました。『もう、そのことは言ってはならない。

27 ただ、ピスガ山の頂上から四方を見渡せるので、登って行って約束の地を眺めるがいい。けれどもヨルダン川を越えることは、断じて許さない。

28 あなたに代わってヨシュアを任命する。人々を率いて約束の地に入るのは彼だから、彼を励ましてやりなさい。』

29 こうして私たちは、ベテ・ペオルの近くの谷間にとどまっていました。

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申命記 4

従順の勧告

1 ところで皆さん、生きて約束の地に入り、自分のものにしようと思うなら、これから教えるおきてと定め(律法)を注意深く聞き、そのとおり守りなさい。

2 ほかのものを加えたり、勝手に削ったりしてはいけない。神の教えなのだから、何も言わず、忠実に従いなさい。

3 主が偶像バアル・ペオルになさったことを見たでしょう。そんな偽りの神を拝んだ者はみな、罰せられて死んでしまいました。

4 しかし、主に忠実だった者たちは、今もまだ元気です。

5 いいですか、これから住もうとしている地へ行ったら、このおきてと定めをきちんと守りなさい。これは主からじきじきに示されたもので、あなたがたに伝えるようにと言われたのです。

6 これを守れば、知恵のある賢明な国民だと評判になるでしょう。回りの国々がこれを知ったら、『イスラエル人ほど賢明な国民はいない』と驚くに違いありません。

7 呼べば必ずそばにいてくださる、私たちの主のような神を信じている国はほかにはありません。

8 どんなに偉大な国でも、今日私が教えるような正しいおきてと定めをもつ国はありません。

9 気をつけなさい。神様がしてくださったことを忘れてはいけません。これから先もずっと、神のなさったみわざを思い出しなさい。子どもにも孫にも、すばらしいみわざについて話してやりなさい。

10 特に、ホレブ山(シナイ山)で主の前に立った日のことは大事です。その時、主は私にこう言われました。『人々を集めなさい。わたしを大切にし、わたしのことばを子どもたちに教えられるように、まずわたしが、彼らに聞かせよう。』

11 あなたがたはふもとに立っていましたが、山には黒雲が垂れ込めて真っ暗で、赤々と火に包まれ、炎は天を焦がしていました。

12 その時、炎の中から主の声が聞こえたのです。お姿は全く見えません。

13 そこで主は、行うべきこととして十戒をお示しになり、それを二枚の石板に記されました。

14 そして、それをあなたがたに与えるよう私に命じられたのです。約束の地へ行ったら、そのとおり守らなければなりません。

偶像礼拝の禁止

15 気をつけなさい。その日ホレブ山で、神が炎の中からお語りになった時、その姿は見なかったのです。

16-17 ですから、神の像を造ってはいけません。そんなことをしたら、正しい信仰をなくしてしまいます。どんな像も造ってはいけません。男だろうが女だろうが、あるいは動物、鳥、

18 地をはう小さな動物、魚だろうが、絶対にいけません。

19 また、太陽、月、星などを拝むのもいけません。外国人は大目に見られても、あなたがたはそうはいきません。

20 あの牢獄のようなエジプトから救い出し、ご自分の民として宝物のように大切に守ってくださったのは主だからです。

21-22 しかし、よくないこともありました。あなたがたのことで私は主の怒りを買い、ヨルダン川を渡って約束の地へ行けなくなったのです。あなたがたは、あのすばらしい地を与えられますが、私はヨルダン川を渡れずに死ななければなりません。

23 神である主が結んでくださった契約をあなたがたのほうから破らないよう、くれぐれも注意しなさい。偶像を造ることは重大な契約違反です。

24 主はご自身に背く者を激しく憎み、焼き尽くす火のように徹底的に罰するお方です。

25 この先、あの地に定住し、子や孫が生まれてから悪を行い、正しい信仰を捨てて偶像を造りでもしたら、主はお怒りになり、

26 あなたがたはすぐさま滅ぼされるでしょう。もうすぐヨルダン川を渡り、あの地を征服しますが、もしそんなことがあれば、どれほども住まないうちに、あなたがたは滅びうせます。

27 生き残るのはほんの一握りで、その者たちも国々に散らされます。

28 あなたがたは、やがてその国々で、見ることも、聞くことも、食べることも、においをかぐこともできない、木や石の偶像を拝むようになるのです。

29 しかし、あなたがたがもう一度、主を慕い求めるなら、必ず主を見いだせるでしょう。

30 苦しい時を過ごしたあと、ついに主のもとへ立ち返り、その教えに従うようになります。

31 主は思いやりのあるお方ですから、あなたがたを見捨てたり、滅ぼしたりはなさいません。先祖たちへの約束は必ず果たしてくださいます。

32 神が地上に人間をお造りになって以来、このようなことがあったかどうか調べてみなさい。

33 全国民が、おそれ多くも炎の中から語られる神の声を聞き、なお生き長らえている民がほかにいるでしょうか。

34 あるいは、恐ろしい疫病や目をみはるような奇跡を起こし、激しい戦いに勝って国々を恐れさせ、奴隷となった国民を救い出した神がほかにいますか。私たちの神は、まさにそのとおりのことをエジプトで、あなたがたの目の前でなさったのです。

35 ご自分こそほんとうの神であり、ほかに神はいないことをわからせるためです。

36 天からの声、地に燃え上がる巨大な火の柱、炎の中から語られる神の声、何もかも驚くことばかりでした。

37 神はあなたがたの先祖に目をかけ、その子孫を祝福しようとお決めになりました。だからこそ、あのような大いなる力をもって、あなたがたをエジプトから救い出されたのです。

38 そればかりでなく、あなたがたよりはるかに強い民を追い出し、現在のように、その国々の領土をあなたがたのものとしてくださいました。

39 だから、これだけは忘れないようにしなさい。天にも地にも、この主のほかに神はいないことを。

40 主が下さる地で子々孫々幸せに暮らしたいなら、今日、私が告げる律法を守りなさい。」

避難用の町

41 このあとモーセは、ヨルダン川の東にある三つの町を特別に選んでおくように命じました。

42 過って人を殺した者が逃げ込むための町です。

43 町は、ルベン族の領地からは荒野の高地にあるベツェル、ガド族の領地からはギルアデにあるラモテ、マナセ族の領地からはバシャンにあるゴランが選ばれました。

律法の前置き

44-46 次に記すのは、イスラエルの人々がエジプトを出て、ヨルダン川の東、ベテ・ペオルの町の近くに宿営していた時、モーセが彼らに語った律法です。そこは以前エモリ人の領地で、首都をヘシュボンに置き、シホン王が治めていましたが、モーセとイスラエルに滅ぼされたのです。

47 イスラエルはさらに、ヨルダン川の東側に勢力を張る、もう一人のエモリ人の王オグを滅ぼし、バシャンを征服しました。

48 こうして、アルノン渓谷沿いの町アロエルからシーオン山、またの名をヘルモン山に至る全地域、

49 つまり、ヨルダン川の東側全域とその南に広がるアラバの全域、ピスガ山の傾斜地のふもとにある塩の海までを征服したのでした。

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申命記 5

十戒

1 モーセはイスラエル人を呼び集めて言いました。「さあ、私の語る律法をよく聞きなさい。それを正しく理解し、きちんと守るのです。

2-3 いいですか、私たちの神、主はホレブ山(シナイ山)で、あなたがたと契約を結ばれました。私たちの先祖とではなく、今ここにいる一人一人とです。

4 その時、主は炎の中からじきじきにお語りになりました。

5 あまりのことにあなたがたは震え上がり、だれ一人、山に登って主のもとへ行こうとしなかったので、私が行って主のおことばを聞き、それをあなたがたに伝えたのです。そのおことばはこうでした。

6 『わたしは、エジプトでの奴隷生活からあなたを救い出した、あなたの神、主である。

7 わたしのほかは、どんなものも神として拝んではならない。

8 決して偶像を造ってはならない。鳥でも動物でも魚でも、どんな像も造ってはならない。

9-10 それらを拝んでもならない。どのような方法で礼拝してもならない。あなたがたの神は、このわたしだけだ。わたしはねたみ深いから、わたしとほかの神を同時に愛することは許さない。わたしの罰は、わたしを憎む者の子ども、孫、ひ孫までも及ぶ。しかし、わたしを愛し、わたしの命令を守る者には、千代に至るまでも恵みを与えよう。

11 実行するつもりもないのに、むやみにわたしの名を使って誓ってはならない。そのようなことをしたら必ず罰せられる。

12 主の定めた安息日を特別の日として守りなさい。

13 すべての仕事は六日のうちにすませなさい。

14 七日目はあなたの神、主の安息の日だから、その日は一日、人も家畜も仕事をしてはならない。外国人も、ここでいっしょに住んでいる限り、この戒めを守る義務がある。すべての人が休むのだ。

15 安息日を守るのは、エジプトで奴隷にされていたあなたを、主であるわたしが力強い手を差し伸べて救い出したことを忘れないためである。

16 あなたの両親を尊敬しなさい。そうすれば、主であるわたしが与える国で、長く幸せな一生を送ることができる。

17 人を殺してはならない。

18 姦淫してはならない。

19 盗んではならない。

20 うそをついてはならない。

21 隣人の家をうらやんではならない。隣人の妻に情欲を燃やしたり、家、土地、使用人、牛、ろば、そのほか何でも、隣人の持ち物を欲しがったり、持ち主をねたんだりしてはならない。』

22 暗雲の垂れ込めるシナイ山でこれらのことばを、主は炎の中からあなたがた一人一人に告げられました。主はそれを二枚の石板に記して私に下さいました。

23 ところが、あなたがたはどうしたでしょう。暗闇にとどろく主の声を聞き、山頂に燃え上がる無気味な火を見ると、恐ろしさのあまり震え上がったではありませんか。族長たちは私のところへ駆けつけ、

24 必死に訴えました。『私たちの神、主がどんなにすばらしいお方か、よくわかりました。何しろ、炎の中からお語りになったのですから。しかも、その声を聞いても、私たちはこうして生きています。

25 ですが、もう一度こんなことがあったら、その時はきっと助からず、恐ろしい火で焼き殺されてしまうでしょう。

26-27 炎の中から語られる神の声を聞いたら、ただではすみませんから。お願いですから、あなたが代表で聞きに行ってください。どんなことを言われても、そのとおりにします。』

28 主はそれを聞き、こう言われました。『みなの気持ちはわかった。願いどおりにしよう。

29 わたしの命じるとおりにすると言うが、いつもそのような心がけでいてくれたらどんなにうれしいだろう。そうすれば彼らばかりか、子々孫々に至るまで、何の心配もなく幸せに生きられる。

30 さあ、帰って、めいめいの天幕へ戻るように言いなさい。

31 そのあとでもう一度、わたしのところへ来て命令を聞き、人々に伝えなさい。わたしが与える国で、それをみな守るのだ。』」

32 そこでモーセは人々に命じました。「主の戒めをすべて守りなさい。どんな細かな点もきちんと守りなさい。何もかも、主が定められたとおりに行うのです。

33 そうして初めて、約束の地に入ってから末長く幸せに暮らせるのです。

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申命記 6

神を愛せよ

1 もうすぐ約束の地へ入りますが、そこに住みついたら、すべての戒めを守りなさい。主がそう命じておられるのです。

2 あなたがたには、子々孫々に至るまで主を大切にし、生涯その教えを忠実に守ってほしいからです。そうすれば、いつまでも幸せに生きられます。

3 だから、少しも聞きもらさないよう気をつけ、一つ一つの戒めを注意深く守りなさい。そうすれば、神が先祖たちに約束されたとおり、乳とみつの流れる地で大きな民になるでしょう。

4 いいですか、私たちの神は主おひとりです。

5 だから、心を尽くし、たましいを尽くし、力を尽くして主を愛しなさい。

6 今日与えるこれらのことばを、一時も忘れてはいけません。

7 子どもたちにも、しっかり覚えさせなさい。家にいるとき、外を歩いているとき、寝る前、朝起きたとき、いつでもまず第一に暗唱させるのです。

8 忘れないように手に結び、額につけ、

9 家の門柱に記しなさい。

10-12 あなたがたの神、主が先祖アブラハム、イサク、ヤコブに約束された地を下さった日には、そこにある良い物はみな、あなたがたのものになります。町、井戸、ぶどう園、オリーブ畑が、自分で作ったわけでもないのに与えられるのです。しかし、いくら豊かになり、何不自由なく食べられるようになっても、主を忘れてはいけません。あのエジプトでのみじめな奴隷生活から救い出してくださったのは主です。

13 満ち足りたときにこそ、主を大切にし、心からお仕えしなさい。また、その方以外のどんな名にかけても誓わないようにしなさい。

14 外国の神々を拝んではいけません。

15 あなたがたとともにおられる主はそれをお赦しになりません。怒りをもって、あなたがたを一人残らず滅ぼしてしまうかもしれません。

16 マサであなたがたは不平を言って、主の怒りを買いましたが、何とか赦していただくことができました。もう二度と主を試みてはなりません。

17 主の命令には、どんなことでも進んで従いなさい。

18 でなければ、決して「よし」とは言ってくださいません。事がうまくいき、約束の地を占領できるかどうかは、心から主にお従いするかどうかにかかっているのです。

19 主の助けさえあれば、敵を追い出すことぐらい、わけはありません。

20 いつか息子たちが、『どうして神様は、このような教え(律法)を私たちに与えたのですか』と尋ねたら、

21-22 こう答えてあげなさい。『私たちイスラエル人は昔、エジプトで王の奴隷だった。その私たちを、主はとても考えられないような奇跡を起こして、そこから助け出してくださったのだ。その大いなるわざに、王をはじめエジプト中の人々が驚き、震え上がるのを、私たちはこの目ではっきり見た。

23 そんなにまでしてエジプトから助け出したのも、先祖への約束どおり、この地を私たちに与えるためだった。

24 だからこそ主は、これらの律法を守り、主を大切にするようにお命じになったのだ。そうすれば、これから先もずっと神様のお守りがある。

25 神様の律法に従っているならば、私たちはすべてがうまくいくのだよ。』

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申命記 7

滅ぼすべき国々

1 まもなく約束の地に入りますが、主が共におられるので心配はありません。あなたがたよりずっと強大な国も、主の相手ではありません。ヘテ人の国をはじめ、ギルガシ人、エモリ人、カナン人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の国々は、七つとも滅ぼされます。

2 主がそうなさるのだから、徹底的に戦いなさい。こざかしい取り引きをしたり、あわれみをかけたりせず、敵を一掃するのです。

3 ましてや、彼らとの結婚などもってのほかです。息子や娘たちとも結婚させてはいけません。

4 外国人と結婚させたら、外国の神々を拝むようになるかもしれないからです。そうなれば取り返しがつきません。主の怒りを買って、あなたがたまで滅ぼされてしまいます。

5 異教の祭壇や石の神殿や柱は取り壊し、神々の偶像も切り倒して焼き払いなさい。

6 あなたがたは、主にささげられた聖なる国民だからです。地上のあらゆる国々の民の中から選ばれ、主のものとされたのです。

7 主がこんなに目をかけられたのはなぜでしょう。あなたがたが、ほかのどの国よりも大きな民だったからでしょうか。そうではありません。それどころか、世界中で最も小さな民です。

8 にもかかわらず、主はあなたがたを愛し、先祖への約束を果たされるのです。ただそのためにこそ、驚くべきみわざを行い、エジプトの奴隷だったあなたがたを助け出してくださったのです。

9 このように主は誠実なお方なので、約束されたことは千代のちまでも守り、主を愛し、命令を守る者に最善のことをしてくださいます。

10 しかし、主を憎む者にはそうではありません。みなの見ている前で一人一人罰せられ、打ち滅ぼされます。

11 だから、今日命じることをみな守りなさい。

12 素直に従えば主も、私たちの先祖と結んだ恵みあふれる契約を守ってくださいます。

13 あなたがたを愛し祝福して、大きな民にしてくださるのです。約束の地で、あなたがたは裕福になります。家畜はどんどん増え、土地も肥えているので、小麦、ぶどう、オリーブが豊かに実ります。

14 世界中のどの国よりも祝福されることは確かです。一人として子どもに恵まれない者はなく、家畜も次々と子を産みます。

15 すべての病気はなくなり、エジプトでよく悩まされた疫病もなくなります。反対に、敵が疫病に苦しめられることでしょう。

16 念を押しますが、主が滅ぼせと言われた国は、みな滅ぼし尽くさなければなりません。決してあわれみをかけてはいけません。その国の神々を拝んではいけません。それは悲惨な結果を招くだけです。

17 『自分たちより強い国を征服できるだろうか』と心配になるかもしれません。

18 しかし、恐れることはありません。そんな時は、主がエジプトの王と国になさったことを思い出しなさい。

19 あの、エジプト中を巻き込んだ恐怖、すばらしい奇跡、とても考えられないような不思議な出来事を忘れてはいないでしょう。あれだけのことをしてあなたがたをエジプトから助け出された方に、できないことは何もありません。あなたがたの親は自分の目でそれを見ました。だとしたら、今あなたがたが恐れている国に対しても、主は同じようになさいます。

20 そればかりか、あなたがたの目を逃れた者へもくまばち(神への恐れ)を送り、追い払われるのです。

21 偉大な、恐るべき力を持った主が共におられるので、恐れることはありません。

22 主は敵を一度に全部ではなく、少しずつ、徐々に追い払われます。さもないと、急に野の獣が増えて危険だからです。

23 あせらず、しかも着実に攻め取りなさい。

24 主がその国の王を負かしてくださるのです。彼の名が二度と思い出されないように完全に滅ぼしなさい。だれ一人、あなたがたに刃向かえる者はありません。

25 偶像を焼き払いなさい。それにかぶせてある金や銀に心を奪われてはいけません。あなたの神、主は偶像をとても憎まれるので、そんなものを分捕ったら、自分が罠にかかるだけです。

26 さらに、偶像を家に持ち込んだりすれば、そんなことをしたが最後、死をもって罰せられます。のろわれた偶像は心底から憎みなさい。

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申命記 8

荒野の試練の意味

1 私が今日命じることをみな守りなさい。そうすれば生き長らえ、人口が増え、約束の地を占領することができます。

2 主は四十年の間、荒野の旅を続けさせて、あなたがたが謙遜になり、ご自分の戒めにどのように応えるようになるか、はたして心から従うようになるかどうかを試されたのです。

3 ひもじい思いをさせたのも、謙遜を学ばせるためでした。なぜならそのあとで、マナという見たこともない食べ物を下さり、人はただパンだけで生きるのではなく、神の命令を守ることによって真に生きるのだということを教えてくださったからです。

4 思えばこの四十年間、衣服も古びず、足も腫れませんでした。

5 主があなたがたを懲らしめるのは、ちょうど親が子どものためを思って懲らしめるのと同じなのです。

6 あなたの神、主の律法を守りなさい。主を恐れ、命じられるとおりに歩みなさい。

7 主が小川や池や泉、谷や丘のあるすばらしい地へ導いてくださいます。

8 そこは、小麦、大麦、ぶどう、いちじく、ざくろ、オリーブ、はちみつが山ほど採れ、

9 不自由なく暮らせます。その地の石は鉄を多く含み、丘の至る所からは銅が採れます。

10 そこで恵まれた生活ができるようになったら、すばらしい地を下さった神である主に感謝しなさい。

11 しかし油断は禁物です。何の心配もないからといって気がゆるみ、あなたの神、主を忘れ、主に背くようになってはいけません。

12-14 家を持ち、羊や牛も増え、財産ができ、満ち足りるようになったときこそ危ないのです。気をつけないと、主のおかげでそうなったのに、思い上がり、エジプトでの奴隷生活から救い出されたことなど忘れてしまうのです。

15 蛇やさそりがいるあの広大な恐ろしい荒野、暑く渇ききった荒野を無事に旅できたのは、主のおかげなのです。その神様を忘れていいでしょうか。岩から水を出し、

16 〔パンに似ているけれど〕それまで見たこともない食物、マナを下さったのも主です。こうして、あなたがたに謙遜を学ばせ、信仰を強め、ほんとうの幸せを与えようとなさったのです。

17 そんなやり方をなさったのにはわけがあります。そこまでしなければ、あなたがたは自分の力で豊かになったと思い込むでしょう。

18 しかし、豊かにしてくださるのは主です。先祖との約束を果たすためになさったのだということを、いつも自分に言い聞かせなさい。

19 万が一、あなたの神、主を忘れ、ほかの神々を拝み、悪の道に迷い込んだりすれば、あなたがたは必ず滅ぼされます。

20 主にのろわれ、滅びの道をたどった国々と同じ運命をたどることになるのです。主に従わなければ、あなたがたといえども容赦はされません。

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申命記 9

主に逆らい続けてきた民

1-2 さあ、よく聞きなさい。今日、あなたがたはヨルダン川を渡り、川向こうの国々を征服します。どの国も、あなたがたより強い国々です。町々は高い城壁で守りを固め、おまけに、無敵の巨人と恐れられるアナク人もいます。

3 しかし主がおられる以上、心配はいりません。あなたがたの先頭に立ち、火のような勢いで敵を滅ぼしてくださるでしょう。だから、すぐさま国々に攻め入って占領しなさい。

4 しかし、思い違いをしないように。主があなたがたを助けるのは、あなたがたが正しいからではなく、ほかの国々が悪いからです。

5 決して、あなたがたがりっぱなので、ほかの国々を滅ぼすのではありません。先祖アブラハム、イサク、ヤコブに、そうすると約束されたのです。

6 くり返しますが、主があの良い地を下さるのは、あなたがたが正しいからではありません。それどころか、あなたがたは強情な民です。

7 あなたがたは、エジプトを出てから今まで、主を怒らせ通しだったではありませんか。どんなに主に逆らい続けてきたか忘れてはなりません。

8 ホレブ山(シナイ山)ではどうでしたか。あまりに主を怒らせたので、すんでのところで殺されそうになりました。

9 あの時、私は、主があなたがたと結ばれる契約の板を受け取りに山へ登って、飲まず食わずで四十日間も待っていました。

10-11 そして、ようやく授かったのです。そこには、人々が見守る中で、主が真っ赤に燃え立つ山の炎の中からお語りになったことばが記してありました。

12 その板を下さるとすぐ、主は私に急いで山を下りるようにせかせました。エジプトから連れ出した民が早くも堕落し、戒めを破って鋳物の偶像を造ったのです。

13-14 あまりのことに主の怒りが爆発しました。『なんということだ。こんなに強情で心の曲がった民は生かしておけない。一人残らず滅ぼそう。止めてもむだだ。代わって、あなたの子孫を強い民に育てよう。彼らよりもっと強く偉大な民になるように。』

15 私は石板をしっかりかかえ、燃える山を一目散に駆け下りました。

16 その私の目に真っ先に映ったのは、忌まわしい子牛の像でした。よりによって、これほどひどい罪を犯し、こんなにも早く主を捨てるとは何事かと、

17 私は怒りのあまり石板を地面にたたきつけました。石板はあなたがたの目の前で、木端微塵に砕け散りました。

18 それで、私はもう一度、飲まず食わずで四十日間、主の前にひれ伏しました。あなたがたが主の最も憎まれることをして、怒りを買ってしまったためです。

19 私はその間中、あなたがたのことで頭がいっぱいでした。何しろ、主はすぐにでもあなたがたを滅ぼしかねないようすだったのです。しかしその時もまた、主は私の祈りを聞いてくださいました。

20 一番危なかったのはアロンです。彼のしたことを非常に怒っておられたので、一心に赦しを乞いました。こうして、アロンのいのちは助かったのです。

21 最後に私は、あの忌まわしい子牛の像を始末しました。それを取って火で焼き、粉々に打ち砕き、山を下る川に投げ捨てました。

22 数え上げればきりがありませんが、タブエラでも、マサでも、キブロテ・ハタアワでも、あなたがたは主を怒らせました。

23 カデシュ・バルネアでは、約束の地へ入れと命じられたにもかかわらず、怖がるばかりで少しも言うことを聞きませんでした。主が助けてくださると励ましましたが、あなたがたは、主に逆らったのです。

24 全く、あなたがたを知ってからというもの、主に逆らわなかった時はないと言っていいくらいです。

25 あまりのひどさに、主はあなたがたを滅ぼそうとなさいました。それで、私は四十日の間、昼も夜も主の前にひれ伏して祈りました。

26 『どうか神、主よ、特別に目をかけてくださった民を滅ぼさないでください。この民は、あなたが驚くべき御力によってエジプトから救い出された、大切な宝ではありませんか。

27 今度のことは、どうかお見逃しください。あなたに忠実にお従いした先祖のアブラハム、イサク、ヤコブへの約束に免じて、彼らの強情な心をお赦しください。

28 それに、もし彼らを滅ぼしたりすれば、エジプト人たちは言うでしょう。「そうら、何てざまだ。イスラエルの神はどうにも約束の地へ連れて行けなくなって、荒野で彼らを殺してしまった。それとも彼らを嫌いだったから、初めから殺すつもりで連れ出したのかもしれない」と。

29 お忘れにならないでください。彼らはあなたの大切な宝、あなたのすばらしい御力によって助け出された民なのです。』

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申命記

申命記 10

律法の板と箱

1 すると主は言われました。『前と同じような石板を二枚切り出し、それを入れる木の箱を作ってから、もう一度山に登って来なさい。

2 あなたが砕いてしまった前の板にあったのと同じことばを新しい板に記そう。それを箱に納めなさい』と言われるのです。

3 私はさっそくアカシヤの木で箱を作り、石板を二枚切り出すと、それを持って山に登って行きました。

4 主は、前と同じように石板に十戒を記してくださいました。それは、あなたがたが真っ赤に燃える山を見上げる中で、炎の中から命じられたのと同じことばでした。板を授かると、

5 私は山を下り、二枚とも箱に納めました。主に命じられたとおり、それは今でも箱の中にあります。

6 話は飛びますが、私たちはその後、ベネ・ヤアカンのベエロテからモセラに向かいました。そこでアロンが死に、葬られたので、息子エルアザルが二代目の祭司に任じられました。

7 そのあとグデゴダに行き、さらに、渓流が流れる水の豊かなヨテバタに向かいました。

8 主がレビ族に今のような特別な務めをお与えになったのは、その時です。つまり、十戒を入れた箱をかつぎ、主のための仕事をし、主の名によって祝福する務めです。

9 このように、主ご自身がレビ族の相続地となるので、彼らは、ほかの部族のように約束の地で相続地をもらうことはできません。

10 最初の時と同じように、私は四十日の間、山にとどまり、昼も夜も主の前で祈りました。ついに主は私の願いを聞き入れてくださり、あなたがたは滅ぼされずにすんだのです。

11 その時、主は、『さあ、立って人々の先頭に進み、約束の地へ行きなさい。そこを占領する時がきたのだ』と、私にお命じになりました。

神が求めておられること

12-13 いいですか、よく聞きなさい。あなたの神、主がお求めになるのは次のことだけです。主のおことばに注意深く耳を傾けること、今日私が与えた戒めを守ること、主を愛すること、心を尽くし、たましいを尽くして主を礼拝することです。

14 天も地も、主のものです。

15 今のように特別に目をかけていただけるのは、ただ主が私たちの先祖を愛されたからです。

16 だから、いつまでも強情を張らず、心を入れ替えなさい。

17 あなたがたの信じる神様は、神の中の神、主の中の主です。偉大な力あるお方、えこひいきもしなければ、わいろを取ることもなさいません。

18 孤児や未亡人のために正しい裁判をし、外国人をも差別せず、食べ物や衣服をお与えになります。

19 だからあなたがたも、いっしょにいる外国人に親切にしなさい。エジプトではあなたがたも外国人だったではありませんか。

20 あなたの神、主だけを恐れ、礼拝し、頼りなさい。主の名以外のものにかけて誓ってはいけません。

21 主はほめたたえるべきお方です。あなたがたも見てきたとおり、あれほどすばらしいみわざをなさる方はいません。

22 あなたがたの先祖がエジプトに行った時は七十人だったのに、今では星の数ほどにも増やされたのです。

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申命記

申命記 11

主を愛し、従え

1 あなたの神、主を愛し、すべての命令に従いなさい。

2 いいですか、私はあなたがたの子どもたちにではなく、あなたがた自身に話しているのです。子どもたちはまだ、主に罰せられたこともなく、その偉大さや恐ろしいまでの御力を見たこともありません。

3 もちろん、主がエジプトの国や王に行った数々の奇跡も見ていません。

4 エジプト軍がイスラエル人を追って来た時、主が彼らを馬や戦車もろとも紅海の底に沈め、それ以来エジプト人があなたがたに手出しできないようにされたことも見ていません。

5 その後も、ここに来るまでの長い道中、荒野をさまようあなたがたを主が守り続けてこられたことも知りません。

6 また、エリアブの子で、ルベンの孫に当たるダタンとアビラムが反逆したこと、そのためにイスラエル人全員の目の前で、彼らも家族も一人残らず、天幕(テント)もろとも地にのみ込まれてしまったことも、子どもたちは見ていません。

7 しかし、あなたがたは違います。あの目をみはるような奇跡を確かに見たのです。

8 だから、今日私が与える戒めをどんなに注意深く守らなければならないか、よくわかるはずです。そうして初めて、今、目前にしている地を占領できるのです。

9 それを守れば、先祖以来約束されてきた地で、いつまでも幸せに暮らせます。そこは、乳とみつの流れる地なのです。

10 エジプトのように灌漑する必要もありません。

11 雨に恵まれ、丘や渓谷もある地だからです。

12 あなたの神、主はあなたがたのことをいつも心にかけ、絶えずその地を見守ってくださいます。

13 今日私が与えるすべての戒めを注意深く守り、心を尽くし、たましいを尽くして主を愛するなら、

14 主は春と秋に必ず雨を降らせ、穀物も、ぶどう酒用のぶどうも、油を採るオリーブも豊かに実らせてくださいます。

15 家畜には青々とした牧草地を、あなたがたには十分な食糧を与えてくださるのです。

16 しかし、気持ちがゆるんで神様から離れ、外国の神々を拝んだりしないようにくれぐれも気をつけなさい。

17 万一そんなことをしたら、主は激しくお怒りになり、雨を一滴も降らせないでしょう。収穫がなくなり、主が下さった良い地にいながら、みすみす飢え死にすることになります。

18 そうなりたくなかったら、主のことばと戒めをしっかり心に刻みつけなさい。それをしるしとして手に結び、額に張りつけて絶えず覚えなさい。

19 子どもたちにも教えなさい。家に座っているときも、外を歩いているときも、寝るときも、朝食の前にも話して聞かせなさい。

20 家の門と戸に書き記しなさい。

21 そうすれば、天地の続く限り、約束の地で子々孫々まで幸せに暮らせます。

22 私が与える戒めをみな注意深く守り、主を愛し、主に頼って歩めば、

23 どんなに強大な民であっても、主が必ず追い払ってくださいます。

24 行く所はどこもあなたがたの土地になるのです。南はネゲブから北はレバノンまで、東と西はそれぞれユーフラテス川と地中海までも。

25 だれ一人、あなたがたに太刀打ちできる者はいません。主はお約束どおり、行く先々で敵に恐れと不安を抱かせるからです。

26 主の祝福を選ぶかのろいを選ぶか、今はっきり決めなさい。

27 私が与える主の戒めに従うなら祝福されます。

28 しかし、それを拒否し、外国の神々を拝んだりするならのろわれます。

29 あなたの神、主が約束の地に導き入れてくださったら、ゲリジム山から祝福を、エバル山からのろいを宣言しなさい。

30 どちらもカナン人が住むヨルダン川の西側の地域にある山で、ギルガルに近く、モレの樫の木のある荒野にそびえています。

31 あなたがたは、これからヨルダン川を渡り、主が与えてくださる地に入るのです。

32 だから、今日、私が与えるすべての律法を守りなさい。

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申命記

申命記 12

ささげ物をささげる場所

1 先祖たちの神、主があなたがたに与えようとしておられる地で生きている限り、守るべきおきてと定め(律法)は次のとおりです。

2 異邦人(外国人)の祭壇は、見つけしだい壊すこと。高い山の上にあっても、丘の上にあっても、木の下にあっても、すべて壊さなければなりません。

3 祭壇も石柱も粉々に砕き、みだらな偶像は焼き払い、鋳像は壊しなさい。思い出すことさえないように、跡形もなく破壊し尽くすのです。

4-5 異邦人のようにどこででも、見境なく神にいけにえをささげないこと。ささげ物をする場所は、神がお選びになる所に建てなさい。

6 焼き尽くすいけにえをはじめ、主にささげるいけにえはみな、そこへ持って来なさい。十分の一のささげ物、祭壇の前で揺り動かしてささげるささげ物、誓いを果たすためのささげ物、進んでささげるささげ物、羊や牛の初子のささげ物などすべてそうです。

7 そこで家族とともに主の前で食事をし、恵みを喜び祝いなさい。

8 今まで、それぞれが正しいと思うようにやってきましたが、これからは、そうしてはなりません。

9 ただし、約束の地に落ち着いてからの話です。

10 ヨルダン川を渡り、その地に住みつき、敵に攻められる心配もなく安心して暮らせるようになったら、

11 主がご自分の家としてお選びになった場所に、焼き尽くすいけにえや、ほかのいけにえを持って行かなければなりません。

12 主の前で、子どもたちや使用人たちとともに祝いなさい。祝いには、同じ町に住む領地を持たないレビ人も忘れずに招きなさい。

13 焼き尽くすいけにえを、かってに好きな場所でささげてはいけません。

14 主がお選びになる場所でだけささげなさい。主は、一つの部族に与える領地から一箇所を選ばれます。いけにえやささげ物は、そこだけに持って行きなさい。

15 しかし食用にする場合は、鹿やかもしかの肉をそうしているように、どこで動物をほふってもかまいません。主が下さったのですから、好きなだけ食べてかまわないし、礼拝規定で汚れた者とみなされる人が食べてもかまいません。

16 ただし、血は決して食べてはいけません。一滴残らず、水のように地面にしぼり出してしまいなさい。

17 穀物や新しいぶどう酒、オリーブ油の十分の一の供え物、羊や牛の初子、誓いのささげ物、祭壇で揺り動かしてささげるささげ物など、どんなささげ物も家で食べないこと。

18 みな、主がお選びになるただ一つの場所に持って来て、主の前で、家族やレビ人といっしょに食べなさい。主の恵みを、みなで感謝するのです。

19 その時、レビ人を招くのを忘れないように。一生の間、何でもレビ人と分け合いなさい。

20-23 やがて国が大きくなり、主がお選びになった場所から遠く離れた所に住むようになったら、鹿やかもしかにしているように、羊や牛をそれぞれの牧場でほふってもかまいません。汚れた人も食べてかまいません。ただし血は例外です。血はいのちであり、いのちを食べてはいけないからです。

24-25 血は地面にしぼり出しなさい。そうすれば、子々孫々まで幸せに暮らせます。

26-27 誓いのささげ物や焼き尽くすいけにえなど、主へのささげ物は主の選ばれる場所に持って来なければなりません。あなたの神、主の祭壇の上でいけにえとするのです。こうして血は祭壇に注ぎ、肉は食べなさい。

28 以上、私の命じることに注意深く従いなさい。主の目にかなうことを行えば、後々まで幸いを得ます。

異教の神々を拝むな

29 主が国々を滅ぼされ、あなたがたがそこに住みつくようになっても、

30 その地の神々を拝むようなことをしてはいけません。『どんなふうに拝めばいいのですか』などと言って、自分から求めて拝みに行ってはいけません。

31 それはほかでもない、あなたがたの神、主を侮辱することだからです。それらの国々は宗教の名を借りて、主の憎まれる忌まわしいことをしてきました。子どもを神々のいけにえとしてささげ、火で焼き殺しさえしたのです。

32 そんな恐ろしいことをしないように、私が与えるすべての戒めを守り行いなさい。それにつけ加えたり、削ったりしてはいけません。

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