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申命記

申命記 33

モーセの祝福のことば

1 次にあげるのは、神に立てられた忠実な指導者モーセが、死を目前にしてイスラエルの人々を祝福した時のことばです。

2 「主はシナイ山でわれわれのところに来られ、

セイル山からご自身を現し、

無数の天使に囲まれ、

パラン山から光を放たれました。

その右手には炎が燃えさかっていました。

3 ああ主は、どんなに深く民を愛しておられることか。

聖徒はあなたの腕にしっかりと抱かれています。

主よ、彼らはあなたの跡に従い、御告げを受けました。

4 私が伝えたあなたの御教えは、何よりも大切な宝です。

5 主は部族の指導者たちに選ばれ、

エルサレム(エシュルン)で王(神)となられました。」

6 「ルベン族はいつまでも滅びず、その数も増すように。」

7 ユダ族への祝福のことば。

「主よ、ユダ族の叫びをお聞きください。

決して彼らをイスラエルから切り離さず、

彼らの敵と戦ってください。」

8 レビ族への祝福のことば。

「ウリムとトンミム(神意を伺うための一種のくじ)を、敬虔なレビ族にお与えください。

マサとメリバでの試練の時にも、

9 レビ族は御教えに従いました。

大ぜいの悪人を殺し、

自分の子ども、兄弟、両親さえも

容赦しませんでした。

10 レビ族はイスラエルに神様の律法を教えます。

また、香をたく祭壇や、

焼き尽くすいけにえをささげる祭壇で、

神様のご用に励みます。

11 主よ、レビ族を栄えさせてください。

彼らの働きを認め、彼らに敵対する者を打ち砕き、

二度と立てないようにしてください。」

12 ベニヤミン族への祝福のことば。

「主に愛され、みそばで安らかに住む者よ。

主は優しく見守り、

あなたがたにどんな害も受けさせません。」

13 ヨセフ族への祝福のことば。

「その所有地は神様に祝福され、

天と地の最良の物に恵まれるように。

14 作物は太陽の恵みによって育ち、

月を追うごとに実りを増し、

15 永遠の山と丘が最良の産物に覆われるように。

16 地とそこに満ちるもろもろの物、

燃える柴の中に現れる神様の恵み、

そのすべてが、兄弟の中の王子、ヨセフにあるように。

17 ヨセフの力と威厳は若い雄牛のようです。

頭には野牛の角をいただき、

すべての国々を突き倒します。

これがエフライムへの祝福、

これがマナセへの祝福です。」

18 ゼブルン族への祝福のことば。

「喜べ、ゼブルン、野の人よ。

喜べ、イッサカル、家を愛する人よ。

19 彼らは人々を集め、共にいけにえをささげて喜びます。

海の富、砂に隠れた宝をも自分の物にするからです。」

20 ガド族への祝福のことば。

「ガドに手を貸す方に祝福があるように。

ガドはライオンのように待ち伏せ、

猛々しく獲物の腕と顔と頭を引き裂きます。

21 彼は最良の土地を見つけました。

指導者となる者の土地です。

こうして人々の先頭に立ち、

イスラエルのために主からの刑罰を下すのです。」

22 ダン族への祝福のことば。

「ダンはライオンの子、バシャンから躍り出ます。」

23 ナフタリ族への祝福のことば。

「主の祝福はみなあなたのもの、

何一つ不自由はしません。

ガリラヤ湖の西と南に広がる土地、

それがあなたのふるさとです。」

24 アシェル族への祝福のことば。

「アシェルは兄弟のだれよりも愛されている息子。

神様の怒りを静めるオリーブ油に足をひたし、

25 鉄と青銅の頑丈なかんぬきに守られ、

生きる限り力にあふれているように。

26 エルサレム(エシュルン)の神様のような神は、ほかにありません。

神様はあなたを助けようと雲に乗り、

おそれ多くも天から下られます。

27 永遠の神様があなたの避難所。

永遠の御手があなたを支え、敵を追い散らし、

『滅ぼせ』と命じます。

28 しかし、イスラエルは平和です。

穀物とぶどう酒はあふれ、

雨は静かに、しかも絶え間なく地を潤します。

29 幸せなイスラエル。

これほど主に祝福されるとは。

これほど主に助けられた国がほかにあるでしょうか。

主はあなたを守る盾、あなたを助ける剣です。

敵はあなたの前で小さくなり、

あなたは難なくその背中を踏みつけます。」

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申命記

申命記 34

モーセの死

1 モーセはモアブ平原から、エリコの向かいにあるネボ山に登り、ピスガの頂に立ちました。主に示されるままに約束の地を眺めると、ギルアデのずっと向こう、はるかかなたのダンまで見渡せます。

2 北から、ナフタリの領地、エフライムとマナセの領地、ユダの領地と続き、西は地中海まで広がっています。

3 ネゲブ、ヨルダン渓谷、なつめやしの町エリコ、それにツォアルも見えます。

4 主はモーセに語りました。「これが約束の地、いつか子孫にこの地を与えると、アブラハム、イサク、ヤコブに約束した地だ。あなたは今ようやくその国を見た。しかし、入ることは絶対に許されない。」

5 モーセは生涯、神に忠実に仕え、主が言われたとおりモアブの国で死にました。

6 主はモーセをモアブのベテ・ペオルの近くの谷に葬りましたが、その正確な場所を知る者はいません。

7 その時、モーセは百二十歳でしたが、まだ視力は衰えず、体力も若者のようでした。

8 イスラエル人は三十日間、モアブ平原でモーセのために喪に服しました。

9 ヌンの子ヨシュアは、知恵のあるりっぱな指導者でした。モーセがかつて、彼の頭に手を置いて任命したからです。そこで、人々はヨシュアの指導に従い、主がモーセに与えた戒めをそのとおり守りました。

10 モーセのような預言者はもう二度と現れませんでした。実に主が、面と向かって彼と話したのです。

11-12 神の命令で、モーセは目をみはるような奇跡を行いました。あれほどの奇跡は、その後なされたことはありません。彼は、エジプトでは王と宮廷の人々の前で、荒野ではイスラエル人の見ている前で、神の力を示すために驚くべき奇跡を行いました。

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ヨシュア記

ヨシュア記 の紹介

の紹介

モーセの死後、国家の指導者はヨシュアに移りました。イスラエルがその地を征服する全期間を通じて、ヨシュアは信仰的にもすぐれた指揮官でした。モアブ平原でヨシュアに訓練されたイスラエル軍がヨルダン川を渡ると、戦いが始まっていきました。大きな三つの戦争があり、それぞれの戦いに勝ったのち、約束の地はイスラエルの各部族に分割されました。使命を終えたヨシュアは、人々を訓戒し、平安のうちに死んでいきました。

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ヨシュア記

ヨシュア記 1

新しい指導者ヨシュア

1 主に忠実に従ったモーセが死ぬと、彼に仕えていたヌンの子ヨシュアに、神は告げて言いました。

2 「わたしのしもべモーセは死んだ。あなたこそ次のイスラエルを担う新しい指導者だ。さあ、人々を率いてヨルダン川を渡り、約束の地へ行きなさい。

3 モーセに約束したとおりのことをあなたにも約束しよう。『あなたがたの行く所はどこも、イスラエルの領地となる。

4 南はネゲブの砂漠から北はレバノン山脈まで、西は地中海から東はユーフラテス川まで、ヘテ人の全領地も含まれる。』

5 一生の間、あなたに手向かう者などいない。わたしがモーセと共に歩んだように、あなたとも共に歩むからだ。決して見放したり、見捨てたりはしない。

6 ヨシュアよ、雄々しく立ち、勇気を出しなさい。りっぱな指導者になるのだ。わたしが先祖に与えると約束した地を全部、占領しなさい。

7 強く雄々しくあって、勇気を出しなさい。モーセが与えた律法をしっかり守りなさい。そうすれば、あなたは成功する。

8 人々に、律法をいつも思い出させなさい。まずあなたが、昼も夜も律法を忘れず、それを完全に守るよう心がけなさい。模範を示し、どんなことも律法どおりきちんと行わなければならない。成功するもしないも、すべてその一点にかかっている。

9 さあ、勇気を出しなさい。恐れたり迷ったりしてはならない。どこへ行っても、あなたの神であるわたしがついている。」

10-11 ヨシュアは指導者たちを集め、人々にヨルダン川を渡る準備をさせるよう命じました。そして、はっきりと宣言したのです。「三日以内にわれわれはヨルダン川を渡る。神様が与えてくださる地を占領するのだ。」

12-13 それから、ルベン族とガド族、およびマナセの半部族の族長たちを召集し、彼らがモーセと取りかわした協定を思い出させました。その協定とは、こうでした。「主は、ヨルダン川の東側のこの地を、彼らの安住の地としてお与えになった。

14 だから、妻子と家畜はここに落ち着いてよい。ただし、武装した彼らの部隊が、他の部族よりも先にヨルダン川を渡り、川の西側の約束された領地を占領するために手を貸すこと。

15 他の部族がその地を完全に征服するまで、共に行動すること。その任務を果たして初めて、ヨルダン川の東側の地に落ち着くこと。」

16 彼らはそれを受け入れ、ヨシュアを総指揮官として、その命令に従うことを堅く誓いました。

17-18 「私たちは、モーセに従ったと同様、あなたに従います。主がモーセとともにおられたように、あなたにも伴われますように。ご命令に逆らう者はだれであろうと死に値します。どうぞ遠慮なく、断固とした姿勢で臨んでください。」

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ヨシュア記

ヨシュア記 2

偵察者の派遣

1 さてヨシュアは、シティムの野営地から対岸へ二人の偵察者を送り込むことにしました。任務は、特にエリコの様子を調べることでした。二人は娼婦ラハブの家に着きました。そこで夜を過ごす計画だったのです。

2 ところがエリコの王に、「イスラエル人のスパイらしい、怪しい二人組が、今晩、町に忍び込んだ」と通報する者がありました。

3 王はすぐに憲兵隊をラハブの家に差し向け、二人の引き渡しを要求しました。「あいつらはスパイだぞ。イスラエルが送り込んだのだ。どうやってわれわれを攻撃しようか、探りに来たのだ。」

4 しかしラハブは、二人をかくまったまま、憲兵隊長に答えました。「ああ、あの人たちならとっくに帰ったよ。ここにいたんだけどねえ。まさかスパイだなんて、思いもよらなかったわ。

5 町の門が閉まるころ、夕闇にまぎれて町から出て行ったみたい。行き先までは知らないけど、急いで追いかければ捕まえられるかもしれないよ。」

6 ところが実際は、彼女は二人を屋上へ連れて行き、乾燥させるために積み上げた亜麻(麻糸の材料となる植物)の中に隠していたのです。

7 そうとも知らず、憲兵たちは二人を追って、くまなく捜しながらヨルダン川まで下って行きました。その間に、町の門は閉じられました。

8 ラハブは、二人がまだ寝ないうちに屋上に上って来て、彼らに言いました。

9 「あなたたちの神様が、この地をあなたたちのものにしようとしていることは、よくわかっています。みんな怖がっているわ。イスラエルと聞いただけで震え上がるほどよ。

10 だって、イスラエルの人たちがエジプトを出た時、神様が紅海に道をつくられたっていうじゃない。それに、ヨルダン川の東側にいたエモリ人の二人の王様、あのシホン王とオグ王をどんな目に会わせたかということも、みんな聞いてるわ。何でもそこを攻め落とし、住民を皆殺しにしたんですって?

11 そんなことを聞いたら、怖がらないほうがおかしいでしょう。戦う勇気なんか吹っ飛ぶもの。あなたたちの神様はただの神様じゃないわね。きっと、天地を支配なさるお方に違いないわ。

12-13 だから、一つだけお願いを聞いてほしいの。このエリコを占領する時、いのちだけは助けてもらえないかしら。私の両親や兄弟、それにその家族も。そのことを、あなたたちの神様の聖なる御名にかけて誓ってください。あなたたちを助けた私の真心に応えてほしいのです。」

14 彼らはうなずきました。「われわれのことをしゃべらなければ、あなたにも家族にも傷一つ負わせないと誓おう。いのちにかけても、あなたを守る。」

15 ラハブの家は町の城壁の上にあったので、二人の偵察者は、綱で窓からつり降ろしてもらいました。

16 ラハブは二人に注意しました。「山へお逃げなさい。あなたたちを捜してる追っ手が引き返して来るまで、三日間、隠れていればいいわ。それからお帰りなさい。」

17-18 二人は別れぎわにこう言い残しました。「いいかい。この赤いひもを窓に結びつけておきなさい。そして、両親や兄弟など身内の者はみな、この家でいっしょにいなさい。そうでなければ、何が起きても責任はもてない。

19 一歩でもこの家から外へ出たら保証はないが、この家にいるかぎり、一人だって殺されたり傷つけられたりはしないと、はっきり約束しよう。

20 ただし、もしあなたが裏切れば、誓いは無効だ。いいね。」

21 「そのとおりにするわ。」こうしてラハブは、窓に赤いひもを結びつけました。

22 二人の偵察者は山へ逃げ、三日間身を隠しました。追っ手は二人を捜し回りましたが、ついに見つけることができず、すごすごと町へ引き返して行きました。

23 その後、二人は山を下りてヨルダン川を渡り、ヨシュアのもとへ帰って一部始終を報告しました。

24 「主は、あの地を全部、われわれに下さいます。間違いありません。住民はみな、われわれを死ぬほど恐れているのです。」

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ヨシュア記

ヨシュア記 3

ヨルダン川を渡る

1 翌朝早く、ヨシュアに率いられたイスラエル人は、シティムを出発し、夕方にはヨルダン川の岸に着きました。川を渡る前に、そこに幾日かとどまりました。

2-4 三日目に、指導者たちは野営地を巡って、人々に次のような命令を伝えました。「主の契約の箱(十戒を記した石板が納めてある)をかついでいる祭司たちの姿が見えたら、あとに従いなさい。これから行く所は見知らぬ地だから、祭司が先導するのです。ただし、箱との間は、二千キュビト(約九百メートル)の距離を保ちなさい。それより近づいてはなりません。」

5 それから、ヨシュアは人々に、それぞれ身をきよめるように命じ、「明日、主が偉大な奇跡を行われるから」と言いました。

6 翌朝、ヨシュアは祭司たちに命じました。「契約の箱をかつぎ、先頭に立って川を渡りなさい。」言われたとおり、祭司たちは出発しました。

7 主はヨシュアに、「今日、あなたに大きな栄誉を授けよう。わたしがモーセとともにいたように、あなたとともにいることを、イスラエルの人々に知らせるためだ。

8 契約の箱をかつぐ祭司たちには、水ぎわに来たら水の中に立つよう命じなさい」と告げました。

9 ヨシュアは人々を召集し、語りました。「さあ、よく聞きなさい。主のことばを告げよう。

10 生ける神があなたがたのうちにおられ、カナン人、ヘテ人、ヒビ人、ペリジ人、ギルガシ人、エモリ人、エブス人など、やがて占領する地の全住民を必ず追い払ってくださることが、今日、はっきりわかるだろう。

11 いいですか。全地の支配者である主の契約の箱が、先頭に立って、ヨルダン川を渡ろうとしている。

12 今、各部族から一人ずつ、十二人を選びなさい。

13-14 箱をかつぐ祭司たちの足が川に入った瞬間、流れはせき止められるだろう。まるで見えない壁にはばまれたように、水は盛り上がるはずだ。」

15 ちょうど刈り入れの季節を迎えたヨルダン川は、岸いっぱいに水をたたえていました。イスラエルの民が川を渡ろうと出発し、箱をかつぐ祭司たちが足を入れた時、

16 突然、はるか川上のツァレタン付近の町アダムで水はせき止められ、盛り上がり始めたのです。また、その地点より川下の水は塩の海(死海)に流れ込み、ついに川床がむき出しになりました。こうして人々はみな、エリコの町に向かって渡ったのです。

17 箱をかつぐ祭司たちは、川の真ん中の乾いた地面に立ち、全員が渡り終えるまで待っていました。

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ヨシュア記

ヨシュア記 4

十二の石の記念碑

1 人々が無事に渡り終えた時、主はヨシュアに語りました。

2-3 「各部族から一人ずつ選ばれた十二人に命じて、ヨルダン川の真ん中の、祭司が立っている所から、一つずつ石を拾わせなさい。その十二の石を集めて、今夜野営する地に記念碑として積み上げなさい。」

4 ヨシュアは十二人を呼び出し、

5 こう命じました。「あの契約の箱のある川の真ん中に行き、一つずつ石を肩にかついで来なさい。それぞれ一つずつ、全部で十二だ。それらは十二部族を象徴する。

6 その十二の石で記念碑を建てよう。そうすれば、将来、子どもたちに『これは何の記念碑ですか』と尋ねられて、

7 『ヨルダン川を主の箱が渡った時、水がせき止められたことを忘れないための碑だよ』と話して聞かせることができる。この記念碑は、偉大な奇跡をイスラエル人が永久に忘れないためのものだ。」

8 十二人はヨシュアの命令に従い、川の真ん中から十二の石を拾いました。主がヨシュアに命じたとおりに、彼らはそれらの石を野営地まで運び、記念碑を建てました。

9 ヨシュアはまた、川の真ん中の祭司たちが立っていた場所にも、十二の石で記念碑を築きました。それは今もそこに建っています。

10 箱をかついでいた祭司たちは、モーセからヨシュアに与えられた主の命令がことごとく成し遂げられるまで、川の真ん中に立ち続けていました。その間に、人々は急いで川を渡ったのです。

11 全員が渡り終えると、みなの見守る中で、箱をかついだ祭司たちが、川から上がって先頭に立ちました。

12-13 武装したルベン族とガド族、それにマナセの半部族からなる四万人の軍勢は一隊となり、主のために戦う他部族の先頭に立って、エリコの平原を目指して進みました。

14 その日は、ヨシュアにとって生涯忘れることのできない日となりました。主はイスラエル人全員の目の前で、ヨシュアに大きな栄誉を与えたのです。人々は、モーセを敬ったと同じようにヨシュアを心から敬いました。

15-16 ヨシュアこそが主の命を受けて、契約の箱をかつぐ祭司たちに命令を下した人だったからです。

「川から上がりなさい」と祭司たちに命じるよう、主はヨシュアを促しました。

17 ヨシュアがそのとおりに命じ、

18 祭司たちが川から上がると、たちまち水は元どおりに流れ込み、岸いっぱいにあふれました。

19 この奇跡が起こったのは第一の月の十日(太陽暦の三月二十四日)のことです。この日、全イスラエルはヨルダン川を渡り、エリコの町の東方にあるギルガルに宿営しました。

20 このギルガルに、ヨルダン川から運んだ十二の石を積み上げ、記念碑を建てました。

21 その時ヨシュアは、その意味について説明しました。「いつの日か、子どもたちが、『なぜここに、こんな石が置いてあるのですか。これはどういう意味ですか』と尋ねる時がくるだろう。

22 その時には、この十二の石は、イスラエル人がヨルダン川の乾いた土の上を渡ったのだと教えてやりなさい。

23 さらに、その時どのようにして主が、われわれの目の前で川の水をからし、全員が渡り終えるまで乾いたままにしておかれたかを教えなさい。それはまさに、四十年前の紅海での出来事と同じである。

24 主がこうなさったのは、全世界の国民が、イスラエルの神である主こそ力ある唯一の神であると悟り、さらにあなたがたがみな、この主をいつも礼拝するようになるためなのだ。」

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ヨシュア記

ヨシュア記 5

割礼の儀式

1 ヨルダン川の西側の諸国民、エモリ人および地中海沿岸に住むカナン人の王はみな、主がヨルダン川の水をからし、イスラエル人が川を渡って来たと聞いて、すっかり意気阻喪し、恐怖におののきました。

2-3 その時、主はヨシュアに、「日を定めて、イスラエルの男子全員に割礼(男子が生まれて八日目にその性器の包皮を切り取る儀式)を施しなさい」と命じました。この儀式が行われたのは、イスラエルの歴史上、二度目のことです。主は、このために火打ち石でナイフを作るよう指示しました。この時の場所は「包皮の丘」と呼ばれています。

4-5 二度目の割礼の儀式を行った理由はこうです。イスラエルがエジプトを出た時、兵役に就く年齢の男子は、すべて割礼を受けていました。しかしその世代の人々はみな、荒野を旅する間に死んでしまい、その後に生まれた子どもたちは、だれ一人割礼を受けていなかったのです。

6 イスラエルの民は四十年荒野をさまよい歩き、エジプトを出た時に兵役に就く年齢にあった男子は、ついに死に絶えました。彼らが主に従わなかったので、約束されていた乳とみつの流れる地に入らせないと主は誓ったのです。

7 ですから今、ヨシュアは彼らに代わって息子たちに割礼を施したのです。

8-9 主はヨシュアに語りました。「今日わたしは、割礼を受けていないという恥をあなたがたから取り除いた。」それで、この出来事のあった場所はギルガル〔「終わらせる」の意〕と呼ばれ、現在でもそう呼ばれています。割礼を終えたのちも、彼らは傷が治るまで宿営にとどまっていました。

10 エリコの平原にあるギルガルに滞在中も、イスラエル人は第一の月の十四日の夕方になると、過越の祭りを祝いました。

11-12 そして翌日、自分たちの占領下にある畑から収穫した産物、パン種を入れないパンと炒り麦を食べました。すると、次の日からマナは降らなくなり、二度とマナを見ることはありませんでした。それ以来、人々はカナンの地の産物を食べるようになったのです。

13 さて、ヨシュアがエリコの町を見上げていた時、一人の人が目の前に現れました。その人は抜き身の剣を手にしていました。ヨシュアは歩み寄り、「味方か、それとも敵か」と問いただしました。

14 すると、「わたしは主の軍の将である」という答えが返ってきました。その声を聞くと、ヨシュアは地にひれ伏して彼を拝み、「どうぞご命令を」と言いました。

15 その将なる天の御使いは、「くつを脱げ。ここは聖なる地である」と言いました。ヨシュアはそのことばに従いました。

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ヨシュア記

ヨシュア記 6

エリコの城壁

1 さて、エリコの町の城門は堅く閉じられていました。だれもがイスラエル人を恐れていたからで、人っ子ひとり出入りできないほどでした。

2 ところが、主はヨシュアにこう告げたのです。「あなたは、もう勝ったも同然だ。町も人もみな、あなたたちのものだ。

3-4 六日の間、全軍を率いて、日に一度、町の周囲を回りなさい。そのあと、ラッパを手にした七人の祭司と契約の箱が続き、七日目には七度回り、祭司がラッパを吹き鳴らしなさい。

5 祭司がラッパをひときわ高く、長く吹き鳴らしたら、全員、大声でときの声を上げなさい。町の城壁はくずれ落ちるだろう。その時、四方八方から町へ攻め込むのだ。」

6-9 ヨシュアは祭司たちを召集し、指示を与えました。すなわち、武装した者たちが行進の先頭に立ち、そのあとに七人の祭司がラッパを吹き鳴らしながら続くこと、そのうしろを主の契約の箱をかつぐ祭司が進み、さらに、護衛兵がしんがりを務めることなどです。

10 ヨシュアは命じました。「ラッパの音以外、音を出してはいけない。一言も発してはならない。私が『ときの声を上げよ』と言ったら、いっせいに大声で叫びなさい。」

11 その日、主の箱は一度だけ町の周囲を回りました。人々は宿営に帰り、夜を過ごしました。

12-14 翌朝、夜明けとともにもう一度町の周囲を回り、宿営に戻りました。こうして六日間が同じように過ぎたのです。

15 七日目、夜の白むころ、またも人々は立ち上がり、この日は一度ではなく七度回りました。

16 七度目に、祭司たちが高らかに長くラッパを吹き鳴らすと、ヨシュアは大声で言いました。「ときの声を上げよ! 主はこの町をわれわれに下さったのだ!

17 住民はみな滅ぼせ。だが娼婦ラハブと、その家の中の者たちは助けなさい。ラハブはわれわれの偵察者をかくまってくれたからだ。

18 戦利品には手を出さず、すべて滅ぼし尽くしなさい。もしこれに背けば、イスラエル全体を災いが襲うだろう。

19 ただし、金、銀、および青銅や鉄の器具はみな、主にささげ、主の宝物倉に納めなさい。」

20 祭司の吹き鳴らすラッパの音を聞くと、人々はあらん限りの大声を出して、いっせいにときの声を上げました。と、どうでしょう。突然、城壁がくずれ落ちたのです。それっとばかり、四方八方から攻め込み、彼らはたちまちエリコの町を占領しました。

21 町中の者は全部、男も女も、老いも若きも死にました。また、牛や羊、ろばも殺されました。

22 それからヨシュアは、例の二人の偵察者に命じました。「約束を守りなさい。すぐ行って、ラハブと身内の者を助け出すのだ。」

23 その若者たちは、ラハブを見つけて助け出しました。もちろん、彼女の両親、兄弟、いっしょにいた親族の者たちも。彼らは、イスラエルの宿営の外で生活することになりました。

24 その間イスラエル人は、町とその中のすべてを焼き払いました。ただし、金、銀、および青銅や鉄の器具は別で、主のものとして取っておきました。

25 こうしてヨシュアは、ラハブとその家に共にいた身内の者とを救ったのです。今もなお、その一族はイスラエル人の中に住んでいます。ヨシュアがエリコ偵察のために送り込んだ者たちを、ラハブがかくまってくれたからです。

26 ヨシュアは、エリコを再建しようとする者には恐ろしい災いが下ると誓って言いました。その土台を築く者は長男を殺され、その門を建てる者は末息子を失うというのです。

27 神が共に歩まれたので、ヨシュアの名声はこの地方一帯に知れ渡りました。

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ヨシュア記

ヨシュア記 7

アカンの罪

1 しかし、イスラエル人の中に罪が潜んでいました。主にささげるもの以外は滅ぼし尽くせというヨシュアの命令が、実は守られていなかったのです。ユダ族のカルミの子で、祖父はザブディ、曾祖父がゼラフであるアカンが、戦利品の一部をふところに入れていました。そのために、主の激しい怒りがイスラエルの民に下ったのです。

2 エリコ陥落後すぐに、ヨシュアはまた、ベテル東方の町アイに数人の偵察者を送り込みました。

3 彼らは戻って報告しました。「小さな町ですから、二、三千人もいれば十分です。すぐに占領できるでしょう。全員で攻めるまでもありません。」

4 そこで、およそ三千の兵がアイに送り込まれました。ところが、彼らはさんざんに痛めつけられたのです。

5 戦闘中に三十六人ほどが殺されたうえ、大ぜいの兵士がアイの住民に石切り場まで追われ、次々に倒れました。イスラエル軍は、この敗北ですっかりおびえてしまいました。

6 ヨシュアと長老たちは心を痛め、衣服を裂き、頭にちりをかぶって、夕方まで主の箱の前にひれ伏しました。

7 ヨシュアは主に向かって叫びました。「ああ主よ。エモリ人の手によって私たちを滅ぼすおつもりなら、どうして私たちにヨルダン川を渡らせたのですか。どうして、すでに得ていたもので満足させてくださらなかったのですか。こんなことになるくらいなら、ヨルダン川の東側にとどまっていればよかったのです。

8 ああ主よ。敵に背を見せてしまった今となっては、どうすることもできません。

9 カナン人や近隣の民族がこれを聞けば、攻めて来るに決まっています。もはや全滅です。そうなれば、あなたの大いなる御名はどうなるのでしょう。」

10-11 それに対して、主は答えました。「顔を上げて立ちなさい。イスラエルは罪を犯したのだ。わたしの命令に背いて、取ってはならないと命じた戦利品を盗んだ。盗んだだけではない。偽って、自分の持ち物の中に隠している。

12 だからあなたがたは敗れた。これで敗北の原因がわかっただろう。今ではイスラエルのほうが滅ぼされる運命にある。その罪が完全に取り除かれなければ、もう、わたしはあなたがたとは共に歩まない。

13 立て。みなにこう告げよ。『各自、明日に備えて、自分を聖別しなさい。イスラエルの神である主がこう言われるからだ。だれかが主のものを盗んだ。この罪を取り除くまで、敵を破ることはできない。

14 明朝、あなたがたは部族ごとに進み出なさい。主が犯人のいる部族を示されるだろう。その部族は氏族ごとに分かれて進み出なさい。主が犯人のいる氏族を示してくださるだろう。次に、その氏族は家族ごとに進み出なさい。そして、犯人のいる家族は、一人ずつ前へ出るのだ。

15 主のものを盗んだ者は、全財産もろとも、火で焼かれる。主の契約を破って、全イスラエルに災難をもたらしたからだ。』」

16 翌朝早く、ヨシュアは主の前にイスラエルの各部族を進み出させました。すると、ユダ族に犯人がいることがわかりました。

17 ついでユダの各氏族を進み出させると、ゼラフの氏族だとわかりました。今度は、家族に分かれて主の前に進み出させたところ、ザブディの家族ということになりました。

18 ザブディ家の男子が一人ずつ連れ出されると、ついに、犯人はザブディの孫アカンであると判明したのです。

19 ヨシュアはアカンにただしました。「わが子よ。イスラエルの神に栄光を帰し、ほんとうのことを白状しなさい。さあ、何をしたか、包み隠さず話しなさい。」

20 「私はイスラエルの神に対して、取り返しのつかない罪を犯しました。

21 ふと見ると、バビロン産の美しい外套と、金の延べ棒と、銀とがあったのです。銀は二百シェケル、金は五十シェケルの値打ちがあると思いました。すると、どうしようもなく欲しくなり、それらを自分の天幕(テント)の下に埋めたのです。銀はいちばん深い所に隠しました。」

22 さっそく人をやって戦利品を捜させたところ、アカンの供述どおり、天幕の下に隠してあった盗品が掘り出され、さらに深い所からは銀が見つかりました。

23 それらはすべてヨシュアのもとへ運ばれ、主の前に並べられました。

24 ヨシュアは全イスラエル人とともに、アカンをアコルの谷に連れて行きました。盗んだ銀、外套、金の延べ棒、それに息子、娘、牛、ろば、羊、天幕など、全財産もいっしょでした。

25 ヨシュアはアカンに言い渡しました。「どうして、われわれにこんな災難を招くようなことをしでかしたのだ。今度は、主があなたに災難を下される。」人々は彼とその家族を石で打ち殺し、死体を焼き、

26 その上に石を高く積み上げました。その石塚は現在も残っており、谷は、今もなおアコル〔災い〕の谷と呼ばれています。こうして、ようやく主の激しい怒りは収まりました。

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