Categories
エゼキエル書

エゼキエル書 20

粛清される反逆のイスラエル

1 エホヤキン王が捕らえ移されてから六年後の第五の月、イスラエルの長老たち数人が、主に伺いを立ててほしいと尋ねて来て、私の前に座っていました。

2 その時、主はこのようなことばを私に与えました。

3 「人の子よ、イスラエルの長老たちに、神である主はこう語ると言いなさい。よくも助けを求めに来られたものだ。わたしは決して語らない。

4 さあ、人の子よ、彼らをさばき、責めなさい。先祖の時代から今日まで、この国の人々が行ってきた、すべての罪を教えてやりなさい。

5-6 神はこう語ると告げるのだ。わたしがイスラエルを選び、エジプトでわたしが神であることを示した時、彼らとその子孫とにこう誓った。彼らをエジプトから連れ出し、彼らのために探しておいた、乳とみつが流れる最良の地に導くと。

7 それから、こう命じた。『すべての偶像を捨てよ。わたしこそ、おまえたちの神、主だ。エジプトの神々を拝んで身を汚すようなことをしてはならない。』

8 だが彼らは、わたしに背いて、いっこうに聞こうとしなかった。偶像を除くことも、エジプトの神々を捨てることもしなかった。それで、彼らがまだエジプトにいる時、わたしは彼らに怒りを注ごうと思った。

9-10 しかし結局、そうはしなかった。イスラエルの神は自分の民を守ることもできなかった、とエジプト人にあざ笑われることがないように、わたしの名誉を守ろうとしたからだ。それで、エジプト人の目の前で、わたしの民をエジプトから連れ出し、荒野へ導き入れたのだ。

11 そして、その荒野で、彼らにおきてを与えた。そのおきてを守ることによって、彼らが生きるためだった。わたしのおきてを守るなら、だれでも生きる。

12 わたしは彼らに安息日(毎週七日目の休息日)を与えた。それは彼らとわたしとの間で、彼らを選び分けて、ほんとうに神の民とするのは、このわたしであることを思い起こさせるしるしだった。

13 それなのに、イスラエルはわたしに逆らった。あの荒野で、わたしのおきてに従うことを拒んだのだ。わたしの定めを守るなら真のいのちが与えられるのに、それを守ろうとはしなかった。安息日も悪用した。それで、わたしは怒りを爆発させ、荒野で彼らを滅ぼしてしまおうと考えた。

14 しかし、わたしの名誉を守るために、またも思いとどまった。エジプトから彼らを連れ出すのを見ていた国々の民に、主は民を守ることができず滅ぼすことになってしまったと言わせないためだ。

15 そこでわたしは彼らに、一度は与えようと思った選ばれた地、乳とみつの流れる地に、彼らを導き入れないことにすると告げた。

16 わたしのおきてを鼻であしらい、わたしの願いを無視し、安息日を守らなかった報いだ。彼らの心は偶像に引き寄せられていたのだ。

17 それでも、わたしは彼らを惜しんで、荒野で滅ぼすことはしなかった。

18 わたしは彼らの子どもたちに警告した。『親と同じ罪を犯してはならない。偶像礼拝で身を汚すな。

19 わたしこそ、あなたがたの神である。わたしのおきてを守り、わたしの命令に従え。

20 安息日を特別な日として、身も心もきよく過ごすのだ。安息日は、わたしがあなたがたの神、主であることを思い起こさせるために、わたしたちの間に立てた契約のしるしなのだから。』

21 しかし、子どもたちもまた、わたしに逆らった。わたしのおきてを守るなら、正しく生きることができるのに、それを拒んだ。安息日も汚した。そこでわたしは言った。『もう限界だ。今すぐ、この荒野で、あなたがたに怒りを注ぎ出す。』

22 それでもなお、わたしは彼らを罰せずにおいた。エジプトから彼らを連れ出したわたしの力を見た国々の中で、わたしの名が傷つけられないためだ。

23-24 だが、彼らが荒野にいた時、はっきり言い渡した。わたしのおきてを守らず、それをあざ笑うかのように安息日を破り、父たちが拝んだ偶像を慕ったので、地の果てにまで彼らを散らす、と。

25 わたしは、彼らが愚かな習慣や教えを取り入れるのを見ても、好きなようにさせておいた。そんなものを守っても、いのちを得ることなどできない。

26 わたしは彼らに、自分のやっていることがどんなに恐ろしいことかを知らせ、また、わたしだけが神であることに気づいてほしいと思い、わたしが与えた非常に良いもので、彼らが自分の身を汚すのをそのままにさせた。彼らは、最初に生まれた子どもを偶像にささげて、焼き殺したのだ。

27-28 人の子よ、神である主がこう語ると、彼らに告げよ。あなたがたの先祖は、約束の地に導き入れられてからも、高い丘や木の下で、所かまわずいけにえをささげ、香をたいて、いつもわたしを裏切り、冒瀆してはばからなかった。彼らが神々にいけにえをささげた時、わたしの怒りは燃え上がった。事もあろうに、偶像に香をたき、ぶどう酒を注いだからだ。

29 そこで、『おまえたちがいけにえをささげに行く場所は何なのだ』と問いただした。それで、そこは今も、『いけにえの高台』と呼ばれている。

刷新される反逆のイスラエル

30 神、主は、知りたがっている。あなたがたも先祖のように身を汚し、偶像を拝み続けるつもりなのか。

31 現に今、偶像へのささげ物として幼児を焼き殺し、灰にしているのに、イスラエルよ、どうしてあなたがたの願いを聞いて、助けることができるだろうか。」

神である主は語ります。「わたしは生きている。いくら願っても、わたしは何も答えない。

32 いくら、回りの国々を見ならって木や石の偶像を拝もうとしても、それはできない。

33 わたしが鉄のこぶしを振り上げ、大きな怒りをこめて、おまえたちを治めるからだ。

34 憤りをこめた強い力で、散らされていた国々からあなたがたを連れ出し、

35-36 荒野にあるわたしの法廷に集め、そこであなたがたをさばく。あなたがたをエジプトから連れ出したあと、荒野でした時のように、反逆者を取り除く。

37 あなたがたを念入りに数え上げ、ほんの一握りの者だけをイスラエルに戻す。

38 残る大部分の者は、わたしに反逆して罪を犯しているので、みなの間から取り除く。彼らは捕らえられている国から連れ出されるが、イスラエルには入れない。このとおりのことが起こる時、あなたがたは、わたしが神であることを知るようになる。」

39 ああ、イスラエルよ。神である主はこう語ります。「そんなにも偶像を拝みたければ拝むがいい。だが、そうするなら、わたしにささげ物を持って来るようなことはしてはならない。そのようなことをして、わたしの聖なる名を汚すようなことはやめよ。」

40 主はこう語ります。「わたしの聖なる山エルサレムで、全イスラエルはわたしを礼拝する。その所で、わたしはあなたがたを喜んで迎え、いけにえと最上のささげ物を求めよう。

41 わたしがあなたがたを捕囚から連れ戻す時、あなたがた自身がわたしにささげられた良い香りとなる。諸国の民はあなたがたの心に大きな変化が起こったことを知る。

42 さらに、わたしが約束した地に連れ戻す時、あなたがたはわたしが主であることを知るようになる。

43 その時、自分が犯した罪をことごとく思い起こし、その悪のゆえに自分自身を忌みきらうようになる。

44 その悪にもかかわらず、あなたがたを祝福することによって、わたしの名誉を守る時、イスラエルよ、あなたがたはわたしが主であることを知るようになるのだ。」

エルサレムとネゲブへの預言

45 さらに、このようなことばが主からありました。

46 「人の子よ、エルサレムの方へ顔を向け、エルサレムとネゲブの森に、

47 こう預言せよ。神のことばを聞け。ああ、森よ。わたしはおまえに火をつける。生木も枯れ木も、木という木をすべて焼き尽くそう。その燃えさかる炎は消されず、国中を焼け野原とする。

48 そしてすべての国々は、主であるわたしが火をつけたことを知るだろう。その火が消されることはない。」

49 そこで、私は叫びました。「おお主よ。彼らは私のことを、『なぞをかけるようにしか語らない者』と言っています。」

—https://api-cdn.youversionapi.com/audio-bible-youversionapi/406/32k/EZK/20-5389e30a52baeb8c15ae0e2963ab253b.mp3?version_id=83—

Categories
エゼキエル書

エゼキエル書 21

神のさばきの剣であるバビロン

1 それから、このようなことばが主からありました。

2 「人の子よ、エルサレムに顔を向け、イスラエルとわたしの神殿とに預言しなさい。

3 主はこう語る。イスラエルよ。わたしはあなたを攻める。剣を抜き、善人も悪人も区別なく、みな滅ぼす。

4 正しい者も生かしてはおかない。南のネゲブから北の国境まで、国中の者をきれいに一掃する。

5 すべての国々は、こうしたのが主であるわたしであることを知る。わたしは剣を手にし、このことをやり遂げるまで剣をさやに納めない。

6 人の子よ、激しい苦悶のあまり、人々の前で嘆き、うめき声を上げよ。

7 どうしたのかと聞かれたら、こう答えよ。『神が恐ろしいことを語ったからだ。そのとおりになったら、どんな勇敢な者も恐怖におののき、意気消沈し、だれのひざも震える。神である主がそう語ったのだ。』あなたは滅びに向かっている。わたしのさばきは成就する。」

8 続いて、主のことばがありました。

9-11 「人の子よ、このように人々に告げよ。

大虐殺のために、

もう一振りの剣が研ぎすまされている。

それでも、笑い飛ばそうというのか。

あなたよりずっと強い者も滅んでいった。

その剣が今、刑を執行する者の手に渡されている。

12 人の子よ、さあ、人目もはばからず泣きわめけ。

その剣で、わたしの民と指導者がみな殺されるからだ。

みな同じように死ぬ。

13 こうして、すべての者が試される。

逃れることはできない。」

神である主がこう語るのです。

14 「このように預言せよ。

力いっぱい手を打ち鳴らせ。

それから剣を取って、二回、三回と振り回せ。

それこそ彼らが虐殺されるしるしだ。

15 彼らを震え上がらせよ。

抜き放たれた剣が、どの家の門口でも光っている。

その鋭い刃先が、人を切り殺そうと、

いなずまのように光っている。

16 さあ剣よ、右に左に、思うままに切りまくれ。

17 あなたが手を打ち鳴らして預言したように、

主であるわたしがエルサレムを打ちのめして、

わたしの憤りを静めよう。」

18 それから、このようなことばが示されました。主はこう語りました。

19-20 「人の子よ、地図を作りなさい。その上に、バビロンの王が攻めて来る二つの道を書きつけるのだ。一つはエルサレムに通じる道、もう一つはヨルダン川東岸のラバに向かう道だ。バビロンからの道が二つに別れる地点にしるしをつけておきなさい。

21 バビロンの王はその地点で、エルサレムを攻撃しようか、ラバを攻撃しようか、と思案するからだ。彼は占い師を呼んで占わせる。占い師は矢筒から矢を振り出したり、偶像にささげたいけにえの肝を調べたりする(神々から情報を得る、古代の占い法)。

22 その結果、エルサレムに向かえ、と言うだろう。彼らは城壁を破壊する兵器を持って、城門めがけて攻めかかり、『皆殺しにしろ』と口々に叫ぶ。また、包囲攻撃用に塔を建て、城壁を乗り越えるためにとりでを築く。

23 エルサレムはバビロンの裏切りを理解できない。どうして占い師は、こんな恐ろしい間違いをしでかしたのか。バビロンはユダの同盟国ではないか。エルサレムを守ると約束してくれたではないか。だがバビロンの王には、ユダの民が反逆した時のことしか念頭にないのだ。王はユダを攻め、民を滅ぼす。」

24 さらに主は語ります。「あなたがたの罪は何度もあばかれている。人前もはばからず、ぬけぬけと悪を行っているからだ。あなたがたはどこへ行っても、何をしても、悪いことばかりしている。今こそ罰を受ける時だ。

25 ああ、悪にまみれたイスラエルの王ゼデキヤよ。あなたの最後の刑罰の日がきた。」

26 神である主が語ります。「宝石をちりばめた冠を取り去れ。世の中がひっくり返る。今や、貧しい人が高い地位につき、金持ちが低くされる。

27 わたしはユダの王国を根底からくつがえす。たとえ新しい体制が生まれても、それに権威を授ける者が現れるまで、決して国は確立しない。わたしが、その者にあらゆる権威を与えるのだ。

28 人の子よ、アモン人にも預言せよ。彼らはわたしの民が苦しんでいた時、それをあざ笑っていた。彼らにこう言え。おまえたちを切るために、わたしの剣がさやから抜き放たれた。その剣は鋭く研ぎすまされ、いなずまのように光っている。

29 おまえたちの占い師や偽預言者どもは、おまえたちの神々がバビロンの王の手から救ってくれるから、『安全だ。心配はない』と偽りを言った。こうして、おまえたちを他の悪者とともに死に追いやったのだ。最後の罰の下る日がくるとき、おまえたちは傷ついて死ぬ。

30 おまえたちを罰せずに、わたしの剣が元のさやに納められることはない。おまえたちの祖国で滅ぼそう。

31 わたしの憤りをぶちまけ、怒りの炎を吹きつけよう。そして、破壊することの上手な、残忍な者どもの手に引き渡そう。

32 おまえたちは火に注がれる油で、その血が自分の国で流される。おまえたちは一掃されて、歴史から完全に忘れ去られる。主であるわたしが、こう語ったからだ。」

—https://api-cdn.youversionapi.com/audio-bible-youversionapi/406/32k/EZK/21-02831ed5a56e0bdff647dcc752957748.mp3?version_id=83—

Categories
エゼキエル書

エゼキエル書 22

エルサレムの罪へのさばき

1 また、別のことばがありました。主はこう語ったのです。

2 「人の子よ、エルサレムを殺人のかどで告発しなさい。その恐るべき残虐行為を、公然と非難しなさい。

3 のろわれ、滅ぼされようとしている流血の町、汚れと悪臭にまみれた偶像の町。

4 あなたは殺人と偶像礼拝の罪を犯している。今、滅びの日が近づいている。あなたに与えられた年月は終わりに達した。あなたをすべての国々の笑いものとし、非難の的としよう。

5 近くの者も遠くの者も、悪名高き反逆の町として、あなたのことをあざ笑うだろう。

6 城壁の中に住むイスラエルの指導者たちは、人殺しに夢中だ。

7 両親は全く顧みられず、寄留者や旅行者は保護という名目で不当な金を払わされ、孤児や未亡人は不正な扱いを受け、さんざんな目に会っている。

8 神に関することは、どうでもよいことのように思われ、安息日も軽んじられている。

9 囚人はぬれ衣を着せられ、死刑にまでされている。どの山の上も偶像で満ち、みだらなことが至るところで行われている。

10 父の妻と姦淫したり、生理中の女と寝たりする男がいる。

11 人妻や息子の嫁、あるいは腹違いの姉妹との姦淫も普通のことになっている。

12 雇われて人殺しをする者、暴利をむさぼる高利貸し、不当に搾取する者がそこらじゅうにいる。わたしのことも、わたしの戒めのことも、念頭にない。」

主はこう語ります。

13 「さあ今、わたしは手を鳴らして、あなたの不正な利得と流血をやめさせる。

14 わたしが罰する日に、あなたは強く、勇敢でいられるだろうか。主であるわたしが語るのだ。みなそのとおり行われる。

15 わたしはあなたを世界中に散らし、あなたのうちにある悪を焼き滅ぼそう。

16 あなたは国々の間で辱められる。その時、あなたはわたしが主であることを知る。」

17 それから、主は語りました。

18-20 「人の子よ。イスラエルの民は、銀を精錬するときに出る、何の役にも立たないかすのようなものだ。真鍮、すず、鉄、鉛を混合するとき出る浮きかすだ。」主はこう語ります。「あなたがたは役に立たない浮きかすだから、わたしの炉であるエルサレムに集め、わたしの怒りの火で溶かそう。

21 憤りの炎を吹きつけ、

22 その激しい熱で、銀のように溶かしてしまおう。その時、あなたがたは主であるわたしが怒りをぶちまけたことを知る。」

23 さらに、このような主のことばがありました。

24 「人の子よ、イスラエルの民に言いなさい。わたしの憤りが爆発する日、あなたは汚い荒れ地、雨の降らない荒野のようになる。

25 あなたの預言者たちは、獲物に忍び寄るライオンのように陰謀を巡らす。彼らはむさぼり食うように多くのいのちを奪い、財産や宝を強奪し、国中に未亡人を増やす。

26 また、祭司は祭司で、わたしの律法を破り、神殿を汚し、わたしを汚した。彼らにとって、祭司の務めは日々の仕事以上に重要なものではない。わたしの民に善悪の区別を教えず、安息日も無視した。こうして、わたしは彼らの間でひどくさげすまれている。

27 指導者も、獲物に飛びかかる狼のように、自分の利得のために人のいのちを奪っている。

28 預言者は偽りの幻を語り、わたしがひと言も語らないのに、神がこう語ったと偽りを語っている。こうして、しっくいで壁の上塗りをするようにごまかしている。

29 それで民も、貧しい者たちを虐げ、物をかすめ、在留外国人からも強奪している。

30 わたしは、この国を守る正義の城壁を建て上げ、破れ口に立ちふさがって、わたしのさばきからあなたを守ってくれる者を探し求めたが、一人も見つからなかった。

31 そこで、怒りの炎で、あなたを焼き尽くそう。あなたのすべての罪に見合う報いをする。」

—https://api-cdn.youversionapi.com/audio-bible-youversionapi/406/32k/EZK/22-7782dc96aa430d58411335f48389376c.mp3?version_id=83—

Categories
エゼキエル書

エゼキエル書 23

姦淫の姉妹

1 再び、主からのことばが私にありました。

2-3 「人の子よ、二人の姉妹のことを話そう。二人はうら若いおとめであったころ、エジプトで淫行を繰り返していた。

4-5 姉はオホラ、妹はオホリバと言った。この二人とは、サマリヤとエルサレムのことだ。二人はわたしの妻となり、それぞれ息子や娘を産んだ。ところが、オホラはわたしのもとを離れて他の神々に走り、隣のアッシリヤ人を愛した。

6 みな魅力的な若者で、鮮やかな青い衣を着て、さっそうと馬にまたがった司令官や隊長だったからだ。

7 こうして彼女はアッシリヤのえり抜きの男たちと姦通の罪を犯し、彼らの偶像を拝んで身を汚した。

8 オホラはエジプトを出てからも、みだらな心が消えていなかった。エジプト人が彼女に欲情を募らせて、その純潔を奪った、あの若いころと少しも変わっていなかったのだ。

9 それでわたしは、アッシリヤの神々に夢中になっている彼女を、アッシリヤ人の邪悪な手に渡した。

10 彼らは彼女を裸にして殺したうえ、その子どもたちを連れ去って奴隷にした。彼女の名は、当然の報いを受けた悪女として、女たちの語り草となった。

11 妹のオホリバ(エルサレム)も、姉の身に起こったことを見ていながら、同じことをしたばかりか、さらにひどい罪を犯した。

12 彼女も、堂々と軍馬にまたがった若者、りっぱな制服を着た士官であるアッシリヤ人に、手当たりしだい、だれでもよいとばかりに媚びへつらった。

13 こうして妹も、姉の歩んだ道をまっしぐらに進んだ。

14-15 事実、オホリバの堕落ぶりはサマリヤをはるかに上回っていた。彼女は壁にかかっている絵を見て、そのとりこになってしまったのだ。そこに描かれていたのは、バビロンの士官たちで、目の覚めるような赤い制服を着け、りっぱなベルトを締め、頭には垂れるほどのターバンを巻きつけていた。

16 その絵を見ただけで、彼女は男たちにすっかり魅せられ、使者をカルデヤに遣わした。もちろん、彼らを自分のもとに招くためだ。

17 彼らは来て彼女と姦淫し、恋の寝床で彼女を汚した。しかしその後、彼女は彼らをいやがるようになり、彼らのもとを離れて行った。

18 わたしは、姉と同様、妹にも愛想が尽きた。この妹は、これ見よがしに裸体を彼らの前にさらけだし、彼らの情欲に身をまかせたからだ。

19-20 それでもいっこうに懲りもせず、さらに淫行を重ね、エジプトで淫行をした若いころの愛人たちを思い出し、よりを戻してみだらな行為を重ねたのだ。

21 こうして、エジプト人に純潔をささげた、あの若かった昔の日々をたたえているしまつだ。」

22 それで今、神である主は語ります。「ああ、オホリバ。わたしは、あなたが愛想を尽かして別れたその国々を奮い立たせて、あなたに立ち向かわせる。

23 見よ、バビロニヤ人が攻めて来る。ペコデやショアやコアから、すべてのカルデヤ人がやって来る。それに、馬にまたがった、アッシリヤの美しい若者、高官たちが加わっている。

24 彼らは戦車や車に乗り、戦闘準備を整えた大軍を率いて、北から攻めて来る。この大軍団は四方からあなたを囲み、やりたい放題のことをする。

25 わたしはあなたを断じて赦さず、恐ろしい目に会わせる。耳も鼻も切り落とされ、生き残った者も殺される。子どもたちは奴隷として連れ去られ、残った者は焼き払われる。

26 美しい服や宝石もはぎ取られる。

27 こうしてわたしは、エジプトから持ち込んできた、みだらな行為をやめさせる。あなたはもう二度とエジプトにあこがれたり、その神々を慕うことがない。」

28 神である主は語ります。「わたしは、あなたが忌みきらう敵どもの手にあなたを必ず渡す。

29 彼らは憎しみをこめてあなたを罰し、何もかも奪い取って、裸にして放り出す。こうして、淫乱の恥がすべての国々にさらされるのだ。

30 それも自分で招いたことだ。外国の神々を拝み、偶像礼拝によって自分自身を汚したからだ。

31 あなたは姉と同じ道をたどったので、わたしは姉を滅ぼしたのと同じ恐ろしい罰を、あなたにも下す。

32 そう、姉に臨んだ恐るべきことが、あなたにも降りかかる。

姉が飲んだ杯は、あふれていた。

おまえが苦しむのを見て、

国々があざ笑うだろう。

33 あなたも、姉サマリヤのように悲嘆にくれ、

酔っぱらいのようによろめき歩くようになる。

34 苦しみもだえながら、

なおも恐怖の杯を最後の一滴まで飲み干すのだ。

これを語ったのはわたしだ。

35 わたしを忘れ、わたしに背を向けた責任はみな、あなたが自分で負わなければならない。

36 人の子よ、恐ろしい悪を重ねているエルサレムとサマリヤを非難せよ。

37 彼らは姦淫と殺人の罪を犯した。偶像を拝み、わたしのために産んだ子どもたちを、偶像の祭壇にいけにえとしてささげ、焼き殺してしまったのだ。

38 その同じ日にわたしの神殿を汚し、安息日を無視した。

39 子どもを殺して偶像にささげておきながら、同じ日にその足で、神殿へ礼拝に来るのだから。彼らのわたしに対する態度は、こんなものでしかないのだ。

40 そればかりか、遠くの国にまで使いを送り、偶像の神々に仕える祭司を招いて歓迎している。彼らの気を引こうと、おまえは体を洗い、アイシャドーを塗り、最上の宝石で身を飾った。

41 豪華な寝床にいっしょに腰をかけ、その前に置いたテーブルの上に香と油とを並べた。

42 あなたの部屋からは、荒くれ者や飲んだくれのばか騒ぎが聞こえてきた。彼らはあなたの腕に腕輪をはめ、頭にきらきら輝く冠をのせた。

43 だれが、年老いて疲れきった娼婦を抱くだろうか。

44 ところが、この男たちはそうしたのだ。恥じらいを忘れた娼婦サマリヤとエルサレムのもとへ、情欲にかられて彼らは行った。

45 だが、正しい人々は、どこででも、彼女たちの正体が姦淫の女や人殺しであることを見抜き、律法に従って彼女たちを裁く。」

46 神である主はこう語ります。「大軍を攻め上らせて、彼女たちを辱め、打ち砕く。

47 敵兵は彼女たちを石で打ち、剣で殺し、息子や娘を虐殺し、家は火で焼き払う。

48 こうして、わたしはこの地から、みだらな行為や偶像礼拝をなくす。わたしのさばきは、それを見るすべての人々に、偶像礼拝の非を悟らせるだろう。

49 あなたがたは、売春や偶像礼拝の罪の報いを余すところなく受ける。その全部の罰を負わなければならない。その時、あなたがたはわたしだけが神であることを知る。」

—https://api-cdn.youversionapi.com/audio-bible-youversionapi/406/32k/EZK/23-8658e19a0af361a75a1881ad81af0ef1.mp3?version_id=83—

Categories
エゼキエル書

エゼキエル書 24

エルサレムを象徴するなべ

1 エホヤキン王が捕囚となって九年目の第十の月の十日、私に次のような主のことばがありました。

2 「人の子よ、今日の日付を書き留めよ。今日、バビロンの王がエルサレムに攻撃をしかけたからだ。

3 さあ、反逆者であるイスラエルに、このたとえを語りなさい。

神である主がこう命じる。

なべに水を入れ、火にかけて沸騰させなさい。

4 そこに最上の羊の肉、ももや肩などの

柔らかい肉をたくさん入れなさい。

5 群れの最良の羊だけを使うのだ。

火にはどんどん薪をくべ、

肉が骨から離れるまでよく煮なさい。」

6 神である主はこう語ります。

「ああ、流血の町、エルサレムはのろわれよ。

おまえは、さびと傷とで穴だらけになった

なべのようだ。

その中から一切れ一切れ、肉を取り出せ。

どれが良いということはなく、みな同じだからだ。

7 エルサレムの醜悪さは周知のことだ。

平気で人を殺し、その血が岩にたれて、

人目にさらされても、隠そうともしない。

8 だから、わたしもそのままにして、

その血がエルサレムの犯行を訴えるにまかせた。

わたしの怒りと憤りはいやがうえにも募った。

9 流血の町、エルサレムはのろわれよ。

わたしはその下に薪を積み上げる。

10 さあ、薪をくべ、どんどん火を燃やせ。

なべを煮えたぎらせるのだ。

肉をよく煮てから、なべを空にし、骨を燃やすのだ。

11 空のなべを炭火にかけ、

そのさびや汚れを焼き落とせ。

12 だが、すべては骨折り損だ。火をどんなに強くしても、さびや汚れは落ちずに残るからだ。

13 そのさびと汚れとは、偶像を礼拝してやまない、みだらな行為のことだ。わたしはあなたをきよめようとしたが、あなたが拒んだので憤りを燃え上がらせ、恐ろしい目に会わせる。それまで汚れたままでいるがいい。

14 主であるわたしが、これを語ったのだ。このことは必ず起こる。わたしがそうするからだ。」

エゼキエルの妻の死

15 また、私に次のような主のことばがありました。

16 「人の子よ。わたしはあなたの愛する妻を取り去る。彼女は急死する。しかし、悲しんではならない。決して泣いてはならない。涙を流してはならない。

17 ため息はついても、声を立ててはいけない。彼女の墓で、声を上げて泣いてはいけない。頭にターバンを巻き、足に靴をはきなさい。慰めにと、友人が持って来る食べ物を受け取ってはいけない。」

18 その朝、私はこのことを人々に語りました。その晩、妻が死にました。翌朝、私は主が語ったとおりにしました。

19 すると人々は、「なぜ、そんなふうにするのですか。わけを教えてください」と尋ねてきました。

20-21 そこで私は答えました。「主が私に、イスラエルの民にこう言え、と語ったのです。『わたしは、あなたがたが国の力と頼み、わたしが愛してやまない美しい神殿を破壊しよう。そして、ユダヤにいるあなたがたの息子や娘を剣で殺そう。』

22 その時あなたがたは、私がしたのと同じことをするようになります。つまり、人前で嘆き悲しむことも、同情して友人が持って来てくれた食べ物を食べることもできなくなるのです。

23 喪中だというのに、頭にはターバンを巻き、足に靴をはき、嘆くことも泣くこともしません。互いの罪を嘆き合い、自分たちが犯した多くの悪を悲しむのです。

24 主が言われるとおり、私は手本を示したのです。『エゼキエルがしたとおりに、あなたがたもするようになる。その時がきたら、あなたがたはわたしが神であることを知るようになる。

25 人の子よ。わたしがエルサレムの住民から、心の喜びであり誇りでもある妻や、息子や、娘を取り去る日に、

26 エルサレムから命からがら逃れた者が、バビロンにいるあなたに、その出来事を知らせるために向かう。

27 その者が到着したら、さっそく話をするがいい。あなたはこの人々のためのしるしとなるのだ。その時、彼らはわたしが神であることを知る。』」

—https://api-cdn.youversionapi.com/audio-bible-youversionapi/406/32k/EZK/24-d0bb910aedfe6d3996478ab7b2ae6415.mp3?version_id=83—

Categories
エゼキエル書

エゼキエル書 25

アモン人についての預言

1 それから、このような主のことばがありました。

2 「人の子よ。アモン人の地に顔を向け、その住民に預言せよ。

3 彼らにこう告げるのだ。神、主が語ることを聞け。おまえは、わたしの神殿が破壊された時、あざ笑った。イスラエルが苦しんでいる時、これをさげすんだ。ユダが捕囚として連れて行かれた時、それ見たことかと笑った。

4 それゆえ、わたしは東の荒野からベドウィン族をおまえの地に侵入させる。彼らはおまえのうちに陣取り、住みつき、おまえが育てた作物を全部刈り取り、乳牛を盗んでいく。

5 わたしはラバの町をらくだの牧場とし、アモン人の住む全地を羊の放牧地として荒れるにまかせよう。その時、おまえはわたしが神であることを知る。」

6 神である主はこう語ります。「おまえはわたしの民の滅亡を見て手をたたき、足を踏み鳴らして喜んだ。

7 それゆえ、重い罰を加え、多くの国を侵入させて、おまえを廃させる。国として立ち行かなくなるまで滅ぼそう。その時、おまえはわたしが主であることを知る。」

モアブについての預言

8 神である主はこう語ります。「モアブ人は、『ユダの国も他の国と変わらないではないか』と言った。

9-10 それゆえ、わたしはモアブの東の国境を開け放ち、モアブ人が誇りとしているベテ・ハエシモテ、バアル・メオン、キルヤタイムの町々を掃討する。東の荒野から来るベドウィン族が、アモン人に対するようにモアブにもなだれ込む。モアブは国々の間から抹消される運命にある。

11 こうして、わたしのさばきが下る時、彼らはわたしが主であることを知る。」

エドムについての預言

12 神である主はこう語ります。「エドムの住民は、自分の手でユダの民に復讐するという大きな罪を犯した。

13 それゆえ、こぶしでエドムを打ちたたき、人も家畜も羊の群れも一掃する。テマンからデダンまで、すべてのものを剣で切り倒す。

14 わたしの民イスラエルの手によって、このことを行う。彼らがわたしの激しい復讐を遂げる。」

ペリシテについての預言

15 神である主はこう語ります。「ペリシテ人は昔からユダに恨みを抱き、復讐の念に燃えて攻めて来た。

16 それゆえ、ペリシテ人の地にこぶしを振り上げ、ケレテ人を一掃し、海岸に住む者を完全に滅ぼす。

17 彼らのしてきたことに対して恐ろしい復讐をする。それが現実となる時、彼らはわたしが主であることを知る。」

—https://api-cdn.youversionapi.com/audio-bible-youversionapi/406/32k/EZK/25-e70dd93596f0f89f0f678505edda72d2.mp3?version_id=83—

Categories
エゼキエル書

エゼキエル書 26

ツロについての預言

1 エホヤキン王が捕囚となって十一年目のその月の第一日、主から新しいことばが示されました。

2 「人の子よ。

ツロはエルサレムの滅亡を喜んで、

『それ見たことか。エルサレムは地中海沿岸と、

ヨルダン川沿いの南北に通じる通商路を支配し、

利益を得ていたが、ついに打ち破られた。

あとは私のものだ。

エルサレムが廃墟になったので、

私は金持ちになれる』と言った。」

3 それゆえ、神である主はこう語ります。

「ツロよ。わたしはおまえを攻める。

波が打ち寄せるように、

たくさんの国が次から次へと攻め寄せる。

4 彼らはツロの城壁を破壊し、やぐらを倒す。

わたしは、その土を削り取って、

そこを裸の岩にしよう。

5 島には、住む人もなく、

ただ漁師が網をしかける場所となる。」

これを語ったのはわたしであると、

神である主が言います。

「ツロは多くの国のえじきとなる。

6 本土にあるツロの町も剣によって滅びる。

その時、彼らはわたしが主であることを知る。」

7 神である主はこう語ります。

「北から、王の王であるバビロンの王

ネブカデネザルを連れて来よう。

彼は騎兵と戦車の大軍を率いて、ツロに攻め寄せる。

8 まず、周辺の村々を攻略し、

それから本土の町を包囲してとりでを築き、

盾を屋根のように掲げて攻撃する。

9 破城槌で城壁を突きくずし、

大づちをふるってとりでを粉砕する。

10 騎兵隊の巻き上げる土煙で、

町は息もつけないありさまとなるだろう。

打ち破られた城内から、

戦車を引いて疾駆する馬の地響きに、

城壁は震え上がるだろう。

11 騎兵たちが町にひしめき、

住民を片っぱしから殺して回る。

あの名高い、大きな柱も倒される。

12 財宝も商品も残らず略奪され、城壁も打ち壊される。

快適な家は取り壊され、石も木も、そしてちりまでも、

海に投げ捨てられる。

13 わたしは、おまえが歌うのをやめさせる。

もう竪琴の音も聞こえなくなる。

14 おまえを裸岩とし、

漁師たちが網をしかける所とする。

おまえは二度と建て直されることはない。

主であるわたしが言うのだ。

15 おまえがくずれ落ちる響きで国中が震え、虐殺が続けられる中で、傷ついた者たちが悲鳴を上げる。

16 その時、海辺の諸国の指導者たちは、王座から降り、王衣も美しい衣服も脱ぎ捨て、あまりに恐ろしい光景に、身を震わせながら地に座り込む。

17 彼らはおまえのために嘆き悲しみ、こんな哀歌を口にする。

『ああ、難攻不落を誇った港の町。

その強大な海軍力が本土を恐れさせたのに、

どうして海に消えてしまったのか。

18 島々はおまえの滅亡に恐怖に駆られ、

おびえたまなざしで見つめている。』」

19 神である主は語ります。「わたしはツロを完全に滅ぼす。ツロは大洪水のような敵の猛攻撃で、その下に沈められる。大海がおまえをのみ込んでしまうのだ。

20 わたしはおまえを地獄の穴に送り込み、昔の民といっしょに横たえさせる。町は荒れはて、死の町となる。再び人が住むことはなく、その美しさを取り戻すこともない。

21 わたしはおまえに恐ろしい最期を遂げさせる。いくら捜しても、おまえを見つけることはできない。」このように主が語るのです。

—https://api-cdn.youversionapi.com/audio-bible-youversionapi/406/32k/EZK/26-54a6191226b151fb5883540c3863803a.mp3?version_id=83—

Categories
エゼキエル書

エゼキエル書 27

ツロへの哀歌

1 次のような主からのことばがありました。

2 「人の子よ、ツロのために、この悲しみの歌を歌え。

3 ああ、貿易の中心地、強大な港町よ。

主のことばを聞きなさい。

おまえは『私は世界で一番美しい町だ』

と自慢している。

4 領土を海の中にまで広げ、

建築家たちはおまえを豪華に仕上げた。

5 おまえはセニル産の最上のもみの木で造った

船のようだ。

マストにはレバノン杉を使った。

6 櫂にはバシャン産の樫の木、

船室の壁にはキプロス南岸産の糸杉材を使った。

7 その帆はエジプト亜麻の最上の帆布で、

おまえを覆う日よけは

東部キプロス産の紫と紅の染料で明るく彩られている。

8 船員はシドンとアルワデ出身の者、

舵手はツロの腕ききだ。

9 ゲバル出身の経験豊富な船大工が

船板の継ぎ目を修理する。

世界の各地から商品を満載した船がやって来て、

おまえと商いをする。

10 軍隊には遠くペルシヤ、ルデ、

プテの出身者がいて、おまえに仕えた。

城壁にかけた彼らの盾は、自慢の種だった。

11 アルワデとヘレク出身の者が城壁の歩哨に立ち、やぐらはガマデ出身の者が守りを固めていた。彼らの盾も城壁にずらりと並び、おまえの栄誉はまさに完全そのものだった。

12 タルシシュから、銀、鉄、すず、鉛など、あらゆる種類の財宝が手に入った。

13 ヤワン、トバル、メシェクの商人は奴隷や青銅の器を持参し、

14 ベテ・トガルマからは軍馬、戦車用の馬、らばが運ばれて来た。

15 デダンからも商人が来た。おまえは地中海沿岸の市場を支配し、黒檀や象牙で支払わせた。

16 エドムの貿易商人はおまえの製品をたくさん買い、エメラルド、紫の染料、刺繍品、上質の亜麻布、さんごやめのうなどの宝石と交換した。

17 ユダと、かつてイスラエル王国にあった町々も、ミニテの小麦といちじく、はちみつ、香油、香料などを持参して、商いをした。

18 ダマスコもやって来て、ヘルボンのぶどう酒とシリヤの羊毛を、おまえの豊富な製品と交換した。

19 ベダンとヤワンも、アラビヤ糸、銑鉄、桂枝、菖蒲を持参して商いをした。

20 デダンは鞍に敷く高級な布地を持参した。

21 アラビヤ人もケダルの裕福な君主たちも、子羊、雄羊、やぎを持参した。

22 シェバとラマの商人は、いろいろな種類の香料、宝石、金を持って来た。

23 カランとカネ、エデン、アッシリヤ、キルマデも、それぞれの製品を持って来た。

24 青の布地、刺繍品、固く撚った太ひもでしっかり織り上げた多彩な敷物など、最上質の織物類だった。

25 タルシシュの船団は、おまえが雇った海のキャラバンだ。

おまえの島の倉庫はあふれるばかりだ。

26 だが今、ツロの政治家たちは

おまえの船を嵐の真っただ中にこぎ出した。

激しい東風に、さすがの巨船もぐらつき、

海の真ん中で難破する。

27 すべてのものが海のもくずと消える。

財宝も商品も、船員も水先案内人も、

船大工も商人も兵隊も、

すべての人が、ツロの壊滅の日に、海の底に沈む。

28 恐怖におののく水先案内人の叫び声に、

近隣の町々は震え上がる。

29-30 海に出ていた船員が上陸し、

本土の岸に立って見回しながら大声で泣き、

頭にちりを振りかけ、灰の中をころげ回る。

31 彼らは悲しみのあまり頭をそって丸坊主となり、

荒布をまとい、ツロのために心を痛めて、

泣きくずれる。

32 そして悲しみの歌を歌う。

『海の真ん中で滅ぼされたツロのように不思議な町が、

世界のどこにあっただろうか。

33 おまえの商品は多くの国の人々の欲望を満足させた。

地の果てに住む王たちも、

おまえが送った財宝を喜んだ。

34 だが今、おまえは海の底に横たわっている。

すべての商品も、それを運ぶ船員もみな、

おまえとともに沈んでしまった。

35 沿岸に住む者はみな、わが目を疑い、

立ちすくんでいる。

王たちも、おびえた表情でじっと見つめている。

36 他国の商人も、おまえがたどった運命の恐ろしさに、

頭を振って考え込んでいる。

おまえは永久に滅び去ったのだ。』」

—https://api-cdn.youversionapi.com/audio-bible-youversionapi/406/32k/EZK/27-8316cf60a37fe584cad07383ebddc4af.mp3?version_id=83—

Categories
エゼキエル書

エゼキエル書 28

ツロの君主についての預言

1 また、次のような主のことばが示されました。

2-3 「人の子よ、ツロの君主に言いなさい。」

神である主はこう語ります。

「おまえは身のほどをわきまえず、

自分を神にしてしまうほど思い上がり、

大海に浮かぶ島で神の座についている。

だが、いくら神のようにふるまっても、

おまえは人であって神ではない。

確かに、おまえはダニエルよりも賢く、

どんな秘密もおまえには筒抜けだ。

4 その知恵と知識を駆使して、

おまえは金、銀、財宝を手に入れ、大きな富を築いた。

5 そう、おまえの知恵がおまえを大金持ちにし、

高慢にしたのだ。」

6 それゆえ、神である主はこう語ります。

「おまえは、自分が神のように賢いと言っている。

7 それで、諸国に恐れられている敵の大軍が、

知恵を自慢しているおまえに向かって剣を抜き、

その栄華を汚す。

8 海の真ん中の島で、おまえを地獄の穴へ突き落とし、

剣で八つ裂きにする。

9 それでも、自分は神だと言うのか。

侵略者たちにとっては、

おまえは神ではなく、ただの人間だ。

10 おまえは外国人の手で、

まるでごみ屑のように、

無造作に殺される。」

わたしがこう言うと、神である主は語ります。

11 また、次のような主のことばがありました。

12 「人の子よ、ツロの王のために泣け。

神、主はこう語る、と告げよ。

おまえは知恵に満ち、美を極めていた。

13 おまえは神の園、エデンのような所にいて、

その服には、最高級の金の台に、ルビー、トパーズ、

ダイヤモンド、かんらん石、しまめのう、碧玉、

サファイヤ、紅玉、エメラルドなど

あらゆる種類の宝石をはめ込んだ飾りをつけていた。

みな、おまえが王となった日に贈られた物だ。

14 わたしはおまえを、

油注がれた守護者ケルブに任命した。

おまえは神の聖なる山に近づき、

火の石の間を歩いていた。

15 王となってから、不正が見つかる時まで、

おまえがやったことはみな完璧だった。

16 しかし、莫大な富に目がくらんで、

おまえは罪を犯したのだ。

そこでわたしは、普通の罪人と同じように、

おまえを神の山から追い出した。

ああ、すぐれたケルブよ。

わたしはおまえを火の石の間から消滅させた。

17 おまえは自分の美しさを鼻にかけ、思い上がっていた。

栄華のために、自分の知恵を台なしにしてしまった。

それゆえ、おまえを地面にたたき伏せ、

何事が起こったのかと好奇の目をみはる王たちの前に、

おまえの無力さを見せつけたのだ。

18 おまえは不正な商いをして自分を汚した。

それゆえ、おまえ自身の所業から火を引き出し、

みんなが見ている前でおまえを焼き、

地上の灰としたのだ。

19 おまえを知っていた者はみな、

その恐ろしい運命に背筋を凍らせる。

おまえは見せしめとして、永久に滅ぼされるのだ。」

シドンについての預言

20 次のようなことばもありました。

21 「人の子よ、シドンの町にこう預言せよ。」

22 神である主がこう語ります。

「シドンよ。わたしはおまえの敵となり、

わたしの力を現そう。

おまえを滅ぼして、わたしのきよさが示されるとき、

それを見る者はみな、わたしが主であることを知る。

23 疫病をはやらせ、兵を送って滅ぼす。

傷ついた者たちは町の通りで、

四方から攻め寄せる敵兵に殺される。

その時、おまえはわたしが主であることを知る。

24 おまえも、他のイスラエルの近隣の国々も、かつてはイスラエルをさげすみ、邪険にしてきたのだが、これからはもう、いばらやとげのようにイスラエルを突き刺したり、引き裂いたりしなくなる。

25 イスラエルの民は、わたしがその先祖ヤコブに与えた地に再び住むようになる。散らしておいた遠くの国々から、わたしがもう一度、彼らを集めるからだ。こうしてわたしは、国々にわたしのきよさを示す。

26 彼らはイスラエルに安らかに住み、家を建て、ぶどう畑を作る。こうしてイスラエルをさげすんだ回りの国々がみな罰せられるとき、彼らは、わたしが彼らの神、主であることを知る。」

—https://api-cdn.youversionapi.com/audio-bible-youversionapi/406/32k/EZK/28-3271a7fe9b7e3249ef63adf1cf213f15.mp3?version_id=83—

Categories
エゼキエル書

エゼキエル書 29

エジプトについての預言

1 エホヤキン王が投獄されて十年目の第十の月の十二日に、主から次のようなことばがありました。

2 「人の子よ、エジプトの王と民に預言しなさい。

3 神である主がこう語る、と告げよ。

川の真ん中にいる巨竜のようなエジプトの王よ。

わたしはおまえの敵となる。

おまえが、『ナイル川は私のものだ。

私が自分のためにつくったのだ』と言っているからだ。

4 わたしは、おまえのあごに鉤をかけ、

うろこについた魚ごと岸に引き上げる。

5 おまえを魚もろとも、死ぬまで荒野に放っておく。

遺体を葬る者はいない。

わたしがおまえを野獣や鳥のえじきとしたからだ。

6 イスラエルがわたしに頼る代わりに

おまえに助けを求めた時、

おまえにはそれだけの力がなかった。

そのことから、おまえたちはみな、

わたしが主であることを知るようになる。

7 イスラエルはおまえに寄りかかった。

だがおまえは、ひびの入った杖のように折れた。

イスラエルは肩を砕き、痛みのあまりよろめいた。」

8 それで、神である主は語ります。「ああ、エジプトよ。わたしは軍隊を送っておまえを攻め、人も家畜もみな滅ぼす。

9 エジプトは荒れはてる。その時、エジプト人は、このようにしたのは主であるわたしだと知る。おまえは、『ナイル川は私のもの。私がつくったのだ』と言っている。

10 それゆえわたしは、おまえとその川に向かって立ち上がり、ミグドルからセベネ、さらに南のエチオピヤとの国境に至るまで、エジプト全地を完全に滅ぼす。

11 四十年間、誰ひとり、獣一匹さえエジプトを通らないだろう。もちろん、住む者もいなくなる。

12 エジプトばかりか周囲の国々も荒廃させ、町々も四十年間、荒れ放題にする。わたしはエジプト人を他の国々に追い散らす。」

13 主は語ります。「四十年が過ぎたら、エジプト人を散らされていた国々から連れ戻そう。

14 エジプトの富を回復し、彼らが生まれ育った地、南エジプトのパテロスに帰らせる。だが、もうエジプトは、何の影響力もない小国となる。

15 すべての国々の中でも最小の国となり、二度と他の国の上に立つこともない。今までのような大国には決してなれない。

16 イスラエルも、二度とエジプトに助けを求めたりはしない。助けを求めようとするたびに、以前の苦い失敗を思い出すからだ。こうしてイスラエルは、わたしだけが神であることを認めるようになる。」

17 エホヤキン王の捕囚から二十七年目の第一の月の一日、次のような主のことばがありました。

18 「人の子よ。バビロンの王ネブカデネザルの軍隊がツロを激しく攻撃した。兵士たちは、土をいっぱい入れた重いバケツを載せて運んだために頭がはげ、肩は包囲攻撃に使う石の重さですりむけ、手にはまめができた。そうまでしても、ネブカデネザル王は何の戦利品も得られず、兵士たちに何も報いることができなかった。」

19 そこで、神である主は語ります。「わたしは、バビロンの王ネブカデネザルにエジプトの地を与えよう。彼はエジプトの財宝を取り上げ、すべての物を奪って部下への報いとする。

20 そう、わたしは、エジプトの地を報酬として彼に与える。彼はツロで十三年間、わたしのために働いたからだ。」このように主が語ります。

21 「やがて、わたしがイスラエルに、昔の栄えを回復する日がくる。その日には、イスラエルの発言が重視される。こうしてエジプトは、わたしが主であることを知る。」

—https://api-cdn.youversionapi.com/audio-bible-youversionapi/406/32k/EZK/29-c7ad2ab19f1002ba76841201520b4f89.mp3?version_id=83—