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エレミヤ書 20

エレミヤとパシュフル

1 神殿を管理する祭司であるイメルの子パシュフルは、エレミヤの語ることを聞くと、

2 彼を逮捕してむちで打たせ、神殿に近いベニヤミンの門にある足かせにつなぎました。

3 エレミヤは、一晩中そこにさらされたのです。翌日、パシュフルがエレミヤを釈放すると、エレミヤは言いました。「パシュフル、主はあなたの名を変えました。あなたはこれからは『おびえながら生きる者』と呼ばれるようになる、と主は言われます。

4 主があなたとあなたの友人に、恐怖を与えるからです。あなたは、友人が敵の剣で殺されるのを見るでしょう。主はこう断言します。『わたしはユダをバビロンの王に引き渡す。王はこの民を奴隷としてバビロンへ連れて行き、そこで殺す。

5 またわたしは、敵にエルサレムを略奪させる。この町の財宝は、王の宝石や金銀もろとも、遠くバビロンへと運ばれる。

6 パシュフルよ。おまえと家族、一族の者どもはみなバビロンで奴隷となり、そこで死ぬ。おまえをはじめ、万事うまくいくという、うその預言を聞いた者もみな、同じ運命に会う。』」

エレミヤの不満

7 その時、私はこう言いました。

ああ主よ。

あなたは、助けようと約束しておきながら、

私を欺きました。

神は私より強い方なので、

おことばを伝えないわけにはいきません。

ところが今、私は町中の笑いものになり、

だれからもさげすまれています。

8 神は、私が彼らに優しいことばをかけることを、

ただの一度も許しませんでした。

私が話すのは、

いつも災害や恐怖、それに滅亡のことだけでした。

彼らが私をあざけり、さげすみ、

もの笑いの種にするのは当然です。

9 ところが、私は神の使者になることを

やめるわけにはいきません。

二度と主のことを口にしないでおこう、

これ以上、神の名によって語るのはやめようと言うと、

私の心のうちにある神のことばは、

まるで火のように骨の中で燃えています。

そのため、苦しくてたまりません。

10 そのうえ、四方八方から脅す声が聞こえるので、

私はおじけづきます。

「彼を訴えてやろう」と、彼らは言います。

かつての友人でさえ、

私がつまずき倒れるのを待っています。

「きっと彼は、自分でしかけた罠に落ちる。

そうしたら、うんと仕返ししてやろう」と

てぐすね引いて待っているのです。

11 しかし主は、偉大な勇士のように

私のそばに立っています。

この力ある恐ろしいお方の前で、

彼らは縮み上がります。彼らは私に歯が立ちません。

かえって恥をかき、徹底的に屈辱感を味わい、

一生、汚名を着せられるようになります。

12 ああ、天の軍勢の主よ。

正しい者を見分け、

人の心の奥底にある思いを調べるお方よ。

いっさいをお任せしますから、

あなたが彼らに復讐してください。

13 神よ、ありがとうございます。

私は神をたたえ、ほめ歌います。

困りきって哀れなこの私を、

迫害する者の手から救い出してくださったからです。

14 けれども、やはり、

私は自分が誕生した日をのろいたくなります。

15 父に、男の子が生まれたと報告した人は、

のろわれるがいい。

16 神が少しも手かげんせずに

打ち倒した昔の町々のように、滅ぼされてしまえ。

一日中、戦いの叫び声を聞いて

おじけづけばいいのだ。

17 私が生まれた時に、

私を殺してくれなかったからだ。

母の胎内にいる時に死に、

そこが私の墓となっていたら、どんなによかったか。

18 どうして、私は生まれて来たのだろう。

悩みと悲しみと恥ばかりの一生だったのに。

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エレミヤ書 21

ゼデキヤへの宣告

1-2 次もまた、神からエレミヤにあったことばです。ゼデキヤ王は、マルキヤの子パシュフルと、マアセヤの子で祭司のゼパニヤをエレミヤのもとへ遣わし、こう言わせました。「主がお助けくださるように祈ってほしい。バビロンのネブカデネザル王が、宣戦布告をしてきたからだ。もしかしたら主は私たちへの恵みを忘れず、昔のようにすばらしい奇跡を行って、王が軍隊を撤退させるようにしてくださるかもしれない。」

3-4 エレミヤは答えました。「ゼデキヤ王のところへ戻り、イスラエルの主が、こう語ったと伝えなさい。『わたしは、バビロンの王と、おまえたちを包囲しているカルデヤ人との前で、おまえたちの武器を役に立たないようにする。それどころか、敵を町の真ん中に引き入れ、

5 自らおまえたちと戦う。わたしは激しく怒っているからだ。

6 そのうえ、恐ろしい疫病をはやらせるので、人も家畜も共に死ぬ。

7 ゼデキヤ王も町に残っている者も、バビロンのネブカデネザル王の手に渡す。彼らは少しもあわれみをかけられることがなく、家畜のように殺される。

8 この民にそう知らせてやるのだ。』そう主は告げます。

『生きるか死ぬかの、どちらかを選べ。

9 エルサレムに残り、敵の手にかかって殺されたり、飢えや病気で死んだりするほうを取るか。それとも、町を出てカルデヤ軍に降伏し、生きるほうを取るか。

10 わたしはこの町をこらしめようとしているのだ。この町の敵となり、友とはならない。この町はバビロン王の手に渡され、灰となる。』」

11 ユダの王に、神はこう告げます。

12 「おまえのしているいっさいの悪のため、

おまえをさばくことにした。

さあ、急いで公平な裁判をするのだ。

わたしの燃える憤りが、

だれにも消せない火となっておまえに燃え移る前に、

正しいことを始めなさい。

13 『われわれは安全だ。

ここにいる以上、だれも指一本ふれることはできない』と、うそぶいているエルサレムを相手に、わたしは戦う。

14 自ら手を下し、罪を犯した罰として

おまえたちを滅ぼす。

わたしが森に火を放つので、

周りのものは何もかも灰になる。」

—https://api-cdn.youversionapi.com/audio-bible-youversionapi/406/32k/JER/21-c78b80f1d27a8e9df60cf1c3782f5d36.mp3?version_id=83—

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エレミヤ書 22

邪悪な王へのさばき

1 神は私に語りました。「出かけて行って、直接ユダの王に伝えよ。

2 ダビデの王座についているユダ王国の王と家来たち、それに民よ、わたしのことばを聞きなさい。

3 これがわたしの命令だ。公平で正しいことを行え。正義を求める人を助け、悪いことは即刻やめよ。外国人や移民、それに孤児と未亡人の権利を守り、罪のない者を殺してはならない。

4 もしおまえが、今している恐ろしいことに終止符を打つなら、わたしはこの国を解放し、再びダビデの王座に次々と王をつかせる。しかも、すべての民が栄えるようになる。

5 だが、もしおまえがこの警告を聞かないなら、わたしは自分の名にかけて誓うが、この宮殿は必ず廃墟となる。

6 この宮殿については、こう宣告する。

おまえは、わたしにとっては豊作の地ギルアデであり、

青々としたレバノンの森林だ。

だが、わたしはおまえを滅ぼし、

人の住まない、荒れ果てた場所にする。

7 おまえを解体する道具を持った者たちを集める。

彼らは、木目の美しい杉の木を引き抜き、

火に投げ込む。

8 多くの国々の民が、この町の廃墟のそばを通り、口々に言う。『イスラエルの主はなぜ、このようなことをしたのだろう。なぜ、こんなに大きな都をつぶしたのだろう。』

9 この疑問に、次のような答えが返ってくる。『この住民が、神を忘れ、神との契約を破ったからだ。彼らは偶像を拝んだのだ。』

10 死人のために泣いてはならない。

連れて行かれた捕虜のために泣きなさい。

彼らは二度と祖国の土を踏めないからだ。

11 また、父ヨシヤの跡を継いで王位につき、捕虜として連れ去られたエホアハズについては、こう宣告する。

12 彼は遠い異国で死に、二度と故国を見ることができない。

13 エホヤキム王よ。おまえはひどい目に会う。

強制労働によって宮殿を建てているからだ。

おまえは、賃金を支払わないという不正を

宮殿の壁に塗り込み、

戸のわくと天井に虐待をはめ込んでいる。

14 そして、こう言っている。

『広々した部屋が幾つもあり、窓のたくさんついた、

壮大な宮殿を建てよう。

香りの高い杉材をふんだんに使い、

鮮やかな朱に塗り上げよう。』

15 だが、美しい宮殿ができたからといって、

りっぱな王になれるわけではない。

おまえの父ヨシヤは、

なぜ長い間王位についていたのか。

彼が正しく、公平を第一としたからだ。

だからこそ、彼には神の祝福があった。

16 彼は、貧しい人や困っている人に

正義と援助の手が差し伸べられるようにした。

それで、何もかもうまくいったのだ。

このような人こそ、神のそば近くにいることができる。

17 だが、おまえはどうだ。

自己中心で、貪欲であり、不誠実この上もない。

罪のない者を虫けらのように殺し、貧しい者を苦しめ、

血も涙もない暴君になり下がっている。

18 だから、父ヨシヤの跡を継いだエホヤキム王に、

次の刑罰を下す。

彼が死んでも、家族の者はだれも泣かない。

家来は、彼が死んだことなど気にもかけない。

19 彼はエルサレムの外に引きずり出され、

門の向こうのごみ捨て場に投げ込まれて、

死んだろばのように埋められる。

20 頼みの連合軍は姿を消したのだから、

大声を上げて泣くがいい。

レバノンに行って彼らを捜し、バシャンで叫べ。

アバリムで彼らを尋ねよ。

彼らは一人残らず死んでいて、

助けてくれる者は一人も残っていない。

21 おまえに勢いがあった時、わたしは警告したが、

おまえは『干渉しないでください』と言った。

おまえは子どものころから、

わたしのことばを聞いたためしがない。

22 おまえの連合軍は、

ひと吹きの風で姿を消した。

友人はみな、奴隷となって連れて行かれる。

こうして、いやでも自分の悪を認めざるをえなくなり、

おまえは恥をかく。

23 レバノンの杉の木立の中の美しい宮殿で

優雅な生活を送ることは、快適この上ない。

だが、まもなくおまえは大声を上げ、

陣痛に襲われた産婦のようにうめき苦しむ。

24-25 それから、ユダ王国のエホヤキム王の子エコヌヤよ。たとえ、おまえがわたしの右手にはめた印鑑つきの指輪だったとしても、わたしはおまえを抜き取り、おまえが最も恐れているバビロンのネブカデネザル王と、その強力な軍隊に渡す。

26 おまえとおまえの母親をこの国から放り出す。おまえは外国で死ぬ。

27 慕っている祖国へは決して帰れない。

28 エコヌヤは、壊れて捨てられた皿のようだ。彼も彼の子どもも、遠い国に流される。」

29 地よ、主のことばを聞きなさい。

30 主はこう語ります。「エコヌヤを、子どものない者として記録しておけ。彼の子どものうち一人も、ダビデの王座につき、ユダを支配することはないからだ。こうして、彼の一生はあわのように消える。」

—https://api-cdn.youversionapi.com/audio-bible-youversionapi/406/32k/JER/22-18d45878129cfedbebe6910641f35632.mp3?version_id=83—

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エレミヤ書 23

正義の若枝

1 神は宣告します。「わたしは、民の羊飼いである指導者に災いを下す。彼らは、世話をしなければならない者を滅ぼし、散らしたからだ。

2 おまえたちは、群れを安全に導くどころか、置き去りにし、滅びへと追いやった。わたしは、おまえたちが彼らに行った悪のために刑罰を下す。

3 一方、群れの残りを、わたしが追いやった所から集め、元の牧場に連れ戻す。彼らは再び子を生んで増える。

4 また彼らの上に、責任感の強い羊飼いを立てる。彼らは二度と怖がる必要はなく、四六時中、守られるようになる。

5-6 やがて、わたしがダビデの王座に、

正義の若枝を置く時がくる。

彼は知恵と正義をもって治める王となり、

地上に正しさが行き渡るようにする。

『主は私たちの正義』が、彼の呼び名だ。

その時、ユダは救われ、

イスラエルは平和のうちに過ごす。

7 その日、誓いを立てる時、人々は『イスラエルの民をエジプトから救い出した神は生きておられる』ではなく、

8 『ユダヤ人を、追いやられた国々からイスラエルへ連れ戻した神は生きておられる』と言うようになる。」

うそを語る預言者

9 うそで固めた偽預言者たちのことを考えると、

心が痛みます。

私は恐ろしくなって目を覚まし、

酔っぱらいのようにふらつきます。

彼らには、恐ろしい運命が待ちかまえているからです。

神は刑罰を下すと宣告なさいました。

10 この国は姦淫する者で満ちているため、

神ののろいがかかっています。

地そのものが嘆き悲しみ、

牧草地は枯れています。

預言者たちは悪に走り、

不正を行うことに力を注いでいます。

11 祭司も預言者同様、神を敬わない悪党ばかりです。

主は言います。

「わたしは神殿の中でさえ

卑劣なことが行われるのを見た。

12 そのため、彼らの道は暗く、すべりやすくなる。

彼らは、暗い危険な小道に追い込まれて倒れる。

わたしは彼らに災いを下し、

時がきたら、罰金を必ず全額支払わせる。

13 わたしは、サマリヤの預言者が

考えられないほど悪いことを知った。

彼らはバアルによって預言し、

わたしの民イスラエルを罪に引きずり込んだからだ。

14 エルサレムの預言者はもっと悪い。

彼らのしていることは、目をそむけたくなるほどで、

姦淫を犯し、不正を愛している。

悪いことをしている者を罪から引き戻すどころか、

反対にほめ、励ましている。

この預言者たちは、ソドムやゴモラの住民のように、

徹底して堕落している。」

15 そのため、天の軍勢の主は宣告します。

「わたしは彼らに苦い物を食べさせ、毒を飲ませる。

彼らがいたばかりに、

この国に悪がはびこるようになったからだ。」

16 これがわたしの民への警告だと、

天の軍勢の主は告げます。

「むなしい希望を与える偽預言者の言うことを

聞いてはならない。

彼らは口から出まかせを言い、

わたしのために語ろうとしない。

17 わたしを侮る反逆者たちに、

『何も心配することはない。何もかもうまくいく』

としきりに言う。

自分勝手な生活をしている者たちには、

『平安があるとの、神のことばがありました』

と言っている。

18 だが、神のことばを聞けるほど近くにいる預言者を、

ただの一人でも挙げることができようか。

彼らのうちの一人でも、

神のことばを聞こうと努力しただろうか。

19 このような悪者どもを吹き飛ばすために、

わたしは激しいつむじ風を送る。

20 わたしの恐ろしい憤りは、

刑罰を余すところなく下すまでは終わらない。

後に、エルサレムが敵の手に落ちたとき、

おまえたちはわたしの言ったことを認めるようになる。

21 わたしが遣わした覚えのない預言者が、

わたしのために語っていると言っている。

わたしは彼らに何も言わなかったのに、

自分たちの預言がわたしのものだと言いはる。

22 もし彼らがわたしの預言者なら、

わたしの民を悪の道から立ち返らせようと

努力しただろうに。

23 わたしはどこか一つの場所にだけいて、

彼のしていることが見えないような神だろうか。

24 人はわたしから姿を隠せるだろうか。

わたしは、天にも地にも、どこにでもいるではないか。

25 『ゆうべ、神からの夢を見た。その話を聞いてほしい』と、彼らは言う。こうして、わたしの名によってうそを並べるのだ。

26 こんなことが、いつまで続くのか。もし彼らが『預言者』だと言うなら、彼らは偽預言者で、自分で考え出したことを語っているのだ。

27 わたしが見せなかった夢を得々と説明して、バアルの偶像礼拝に転向していった先祖のように、わたしの民にわたしを忘れさせようとしている。

28 こんな偽りの預言者は、夢物語にうつつを抜かしていればいい。だがわたしの本物の使者は、わたしのことばを余すところなく忠実に語る。両者には、麦ともみがらほどの差がある。

29 わたしのことばは、火のように燃えないだろうか。それは、岩でさえ粉々に砕く巨大なハンマーではないか。

30-31 わたしは、語ることを互いに教え合っている『預言者』どもに立ち向かう。舌先三寸の預言者どもは、『このことばは神からのものだ』と言う。

32 彼らが知恵をしぼって考え出した夢は、わたしの民を罪へ誘い込む、まことしやかなうそで固まっている。わたしは彼らを遣わさなかったし、彼らには、わたしの民に告げることなど何もない。

偽りの預言

33 民の一人、または『預言者』か祭司の一人が、『エレミヤよ。今日は神からどんな悲しいニュースを聞いたのか』と尋ねたら、こう答えなさい。『どんなニュースを聞きたいのか。おまえたち自身が悲しいニュースそのものではないか。神がおまえたちを捨てたのだから。』

34 『今日の神からの悲しいニュース』などと悪ふざけをする偽預言者、祭司、民がいたら、わたしは彼らとその家族を罰する。

35 『神はどんなことを語りましたか』と真剣に尋ね合うのはよい。

36 だが、『神からの悲しいニュース』と言って悪ふざけをしてはならない。悲しいのは、おまえたち自身のこと、おまえたちが平気でうそをつくことにほかならないからだ。おまえたちはわたしのことばを曲げ、わたしが言いもしない『神のことば』を作り上げている。

37 『神からどんなことばがありましたか。神は何と言われましたか』と、敬意を込めてエレミヤに尋ねるべきだ。

38-39 だが、わたしの警告を無視して、『今日の神からの悲しいニュース』について聞こうとすれば、神であるわたしは、重荷となっているおまえたちを捨てる。おまえたちと、おまえたちの先祖に与えたこの町を、共にわたしの前から放り投げる。

40 わたしはおまえたちの恥をさらすので、おまえたちの名はいつまでも不名誉なものとなる。」

—https://api-cdn.youversionapi.com/audio-bible-youversionapi/406/32k/JER/23-b1053b20abe722917e9f94f57f46ca1d.mp3?version_id=83—

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エレミヤ書 24

二かごのいちじく

1 バビロンのネブカデネザル王が、エホヤキムの子でユダ王国のエコヌヤ王を捕虜とし、ユダの高官、大工や鍛冶屋などの熟練工と共にバビロンへ連れ去ったのち、主は次の幻を私に示しました。

2 エルサレムの神殿の前に、いちじくを盛った二つのかごが見えました。一つのかごには、よく熟した採り立てのいちじくがありました。しかし、もう一方のかごのいちじくは、ひどく腐っていて、とても食べられない状態でした。

3 その時、主が尋ねました。「エレミヤよ、何が見えるか。」「いちじくです。とてもおいしそうなものもありますし、ひどい状態のものもあります。」

4-5 「良いいちじくとは、バビロンに移された人のことだ。わたしは彼らのためを思って、彼らを外国に送った。

6 わたしは、彼らが行った先で丁重に扱われるようにし、またこの地に連れ戻す。彼らを助けこそすれ、傷つけることはしない。彼らを植えて、二度と引き抜かない。

7 わたしに対して正しく応答する心を彼らに与える。彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。彼らは大喜びで、わたしのもとに帰って来るからだ。

8 一方、腐ったいちじくとは、ユダのゼデキヤ王をはじめ役人たち、それにこの地に残っているエルサレムの住民のことだ。エジプトに住んでいる者も、この中に含まれる。わたしは彼らを腐ったいちじくのように処分する。

9 彼らは、地上のあらゆる国々から毛虫のようにきらわれる。彼らは、わたしが強制的に追いやる地で、あざけられ、ののしられ、のろわれる。

10 わたしが大虐殺とききんと疫病を送るので、彼らはついに、わたしが彼らと先祖に与えたイスラエルの地から絶たれる。」

—https://api-cdn.youversionapi.com/audio-bible-youversionapi/406/32k/JER/24-537817f4a301571b5c2dfac93745dbaa.mp3?version_id=83—

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エレミヤ書 25

七十年間の捕虜生活

1 ユダのすべての民にあてられた次のことばは、ヨシヤの子でユダ王国のエホヤキム王の治世の第四年に、主がエレミヤに語ったものです。この年に、バビロンのネブカデネザル王が即位しました。

2-3 アモンの子でユダ王国のヨシヤ王の第十三年から今まで、二十三年間にわたって、私に神のことばがありました。私はそのことばを忠実に伝えたのに、あなたがたは聞こうとしませんでした。

4 神は何度も、ご自分の預言者を遣わしたのに、あなたがたは耳をふさぎました。

5 神のことばは、いつも次のようなものでした。「悪の道から離れ、悪事から足を洗いなさい。そうすれば、わたしがおまえたちと先祖に与えたこの地に、いつまでも住むことができる。

6 偶像礼拝という大それたことをして、わたしを怒らせてはならない。わたしに真実を尽くすなら、害は加えない。

7 だがおまえたちは、わたしのことばを聞こうとしなかった。かえって、まっしぐらに悪の道に進み、偶像のことでわたしを怒らせた。ありとあらゆる災いを受ける結果を、自ら招いた。」

8-9 そして今、天の軍勢の主である神は、こう宣告します。「おまえたちはわたしのことばを聞かなかったので、わたしの代理人に立てたバビロンのネブカデネザル王の率いる北方軍団を呼び、この国と住民、それに周囲の国々を攻めさせる。こうして、おまえたちを徹底的に滅ぼし、永久にさげすみの代名詞とする。

10 喜びと楽しみ、結婚式の喜びを取り除く。事業は失敗し、家庭は暗闇に閉ざされる。

11 国の全土は見渡す限りの荒れ地となるので、全世界の人は、おまえたちに降りかかった災害を知ってショックを受ける。イスラエルと近隣諸国は、七十年間バビロン王に仕える。

12 この奴隷の期間が終わったら、わたしはバビロン王とその国の民を、彼らの罪のために罰する。カルデヤの地を永久に荒れ果てた所とする。

13 この書の中で約束した恐ろしい災害、エレミヤが国々に宣告した刑罰を全部、この地にもたらす。

14 多くの国々と強い王たちは、カルデヤ人がわたしの民を奴隷にしたように、今度はカルデヤ人を奴隷にする。わたしは彼らを、彼らがわたしの民を扱った基準に従って罰する。」

15 主は私に、こう語りました。「わたしの手から、わたしの憤りがなみなみとつがれているぶどう酒の杯を取り、わたしがあなたを遣わす、すべての国々の人に飲ませなさい。

16 彼らは飲んでふらつき、わたしが下す致命的打撃によって錯乱状態になる。」

17 そこで、私は主の手から憤りの杯を取り、遣わされたすべての国々の人に飲ませました。

18 私はエルサレムとユダの町々へ行きました。すると、王と長官はその杯から飲んだので、その日以来、彼らはみじめな状態になり、憎まれ、のろわれるようになりました。

19-20 私はまた、エジプトの王とその家来、指導者とすべての国の民のところへ行きました。彼らもまた、その地に住む外国人ともども、この恐怖の杯から飲みました。ウツの地のすべての王、ペリシテの町々の王、すなわちアシュケロン、ガザ、エクロン、アシュドデの残りの者にも、同じようにしました。

21 私はさらにエドム、モアブ、アモンの国々へ行きました。

22 またツロとシドンのすべての王、海の向こうにある地方の王、

23 デダン、テマ、ブズ、およびそこにいる異教の民、

24 アラビヤのすべての王、荒野の遊牧民のすべての王、

25 ジムリ、エラム、メディヤのすべての王、

26 北方のすべての王を、一人一人訪ね、地上のすべての王国を巡りました。最後に、バビロンの王自身が、神の憤りを盛ったこの杯から飲みました。

27 「あなたは彼らにこう言いなさい。『イスラエルの神である天の軍勢の主は言う。酔っ払って、嘔吐し、二度と立てなくなるまで、わたしの憤りを盛ったこの杯から飲め。おまえたちに恐ろしい戦争を送るからだ。』

28 もし杯を受け取らないなら、こう言いなさい。『天の軍勢の主は、どうしてもこれを飲めと命じている。避けるわけにはいかない。

29 すでに、自分の民さえ罰し始めているからだ。おまえたちだけ無罪放免になるわけがない。どんなにもがいても、刑罰を免れることはできない。わたしは地上の全住民に戦争を呼び寄せる。』

30 だから、彼らに預言して言え。

主は天の聖所から自分の民に呼びかけ、

全世界の民に呼びかける。

『主は、

酒ぶねの中でぶどうの実を踏みつぶす者のように、

大声を張り上げる。

31 このさばきの叫び声は、地の果てまで届く。

神が全世界の人をさばき、すべての悪者を殺すからだ。』

32 天の軍勢の主はこう言う。

『刑罰が国から国へと渡り歩き、

神の憤りの暴風は地の果てまで吹きつける。

33 その日、主に殺される者は地の果てから果てまで及ぶ。だれも彼らのために嘆き悲しんだり、死体を埋葬したりしないので、彼らは地の肥やしとなる。

34 悪い羊飼いよ、泣きわめけ。

民の指導者よ、石に頭を打ちつけよ。

おまえたちが虐殺され、散らされる時がきたからだ。

おまえたちは弱々しい女性のように倒れる。

35 逃げ隠れする場所を探しても、

どこにも見つからない。

36 羊飼いの半狂乱の叫び声、

指導者の絶望まじりの叫び声を聞くがいい。

わたしは彼らの牧場を荒らしたのだ。

37 今まで平穏無事な生活を送ってきた者も、

主の激しい怒りによって切り倒される。

38 神は、獲物を探すライオンのように、

忍び足で出て行った。

主の激しい怒りのために、

彼らの国は侵入してくる軍隊によって荒れ果てた。』」

—https://api-cdn.youversionapi.com/audio-bible-youversionapi/406/32k/JER/25-591d852b2c72bdc0cd55cfec25e3cf77.mp3?version_id=83—

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エレミヤ書 26

死の危機に瀕するエレミヤ

1 ヨシヤの子でユダ王国のエホヤキム王の治世の第一年に、主からエレミヤに、次のことばがありました。

2 「神殿の前に立って、ユダの各地から礼拝しに来たすべての人に語りなさい。わたしの言ったことを全部知らせるのだ。わたしが彼らに聞かせたいと思っていることを、ひと言も省略してはいけない。

3 彼らはわたしのことばを聞いて、悪の道から離れるかもしれないからだ。そうすればわたしは、彼らの悪事のために下そうとしている刑罰を思いとどまる。

4 彼らに、わたしがこう言っていると告げよ。もし、わたしのことばを聞かず、わたしが与えたおきてに従わず、

5 また、わたしのしもべの預言者の言うことを聞かないなら――もっとも、何度も預言者を遣わして警告させたのに、おまえたちは聞こうとしなかったが――

6 この神殿をシロの神殿のように壊し、エルサレムを全世界ののろいの代名詞とする。」

7-8 エレミヤが主から告げられたことをみな語り終えた時、祭司と偽預言者、神殿の中にいたすべての者がエレミヤに襲いかかり、「殺せ、殺せ!」と絶叫しました。

9 「どんな権威があって、主がこの神殿をシロの神殿のように壊すなどと言うのか。エルサレムが破壊され、一人も生き残る者がいないとは、いったいどういうことか。」こうして騒ぎは大きくなり、だれもがエレミヤを攻撃しに、神殿へ押しかけました。

10 役人は事の成り行きを聞くと、宮殿から駆けつけ、神殿の入口に座って裁判を開きました。

11 すると、祭司と偽預言者たちは、役人と集まった全員に、「この男は死刑にすべきだ。こいつがどんなにひどい裏切り者かは、お聞きのとおりだ。今まで、この都に不利な預言ばかりしてきた」と告訴しました。

12 エレミヤは次のように自分を弁護しました。「主が、この神殿とこの町に不利な預言をせよと、私にお命じになったのです。私の話したことはみな、神のおことばです。

13 もし、あなたがたが罪を犯すのをやめて主に従うなら、神はすでに宣告されたいっさいの刑罰を思いとどまるでしょう。

14 私は無力で、しかもあなたがたの手中にあるのですから、好きなようにしてください。

15 ただし、ひと言だけ言っておきます。私を殺したら、罪のない者のいのちを奪ったことになります。その責任はあなたがたと、この町の全住民がとらなければなりません。主は確かに、あなたがたの聞いたことを残らず話すようにと、私にお命じになったからです。」

16 これを聞いて、役人をはじめとする人々は、祭司と偽預言者に言いました。「この男は死刑に当たらない。神の名によって語ったのだから。」

17 その時、知恵のある何人かの老人が立って、全員に話しかけました。

18 「この決定は正しいと思います。以前、モレシェテ人ミカが、ユダ王国のヒゼキヤ王の時代に預言しました。

『神は言う。この丘は平地の畑のように耕され、

エルサレムの都は石の山となり、

今大きな神殿の建っている山頂は森になる』

19 そのミカを、ヒゼキヤ王と民は殺したでしょうか。いいえ、そんなことはありません。彼らは悪から離れ、主を礼拝し、主のあわれみをひたすら求めたのです。それで主は、予告しておいた恐ろしい刑罰を下すことを思いとどまったのです。もし私たちが、神のことばを伝えたという理由でエレミヤを殺すなら、神がどんな仕返しをするかわかりません。」

20 エレミヤのほかにも、シェマヤの子でキルヤテ・エアリム出身のウリヤという主の預言者がいて、同じ時期に、エルサレムとその住民とをきびしく非難しました。

21 エホヤキム王をはじめ将校、役人もみな、彼のことばを聞きました。ところが王は、人を遣わして彼を殺そうとしたのです。そのことを知ったウリヤは、エジプトへ逃げました。

22 すると王はウリヤを捕まえるために、アクボルの子エルナタンに数人の者をつけて、エジプトまで行かせました。

23 彼が逮捕され、王のもとへ連れ戻されると、王は彼を八つ裂きにし、死体を共同墓地に捨てさせました。

24 しかし、シャファンの子で王室の秘書官アヒカムは、エレミヤの味方になり、彼のいのちをねらう暴徒たちの手に渡さないようにしました。

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エレミヤ書 27

ユダ、ネブカデネザルに仕える

1 ヨシヤの子でユダ王国のエホヤキム王の治世の初めに、主からエレミヤに別のことばがありました。

2 「くびきを作り、それを農耕用の牛につけるように、おまえの首に革ひもで結びつけなさい。

3 それから、エドムの王、モアブの王、アモンの王、ツロの王、シドンの王に、エルサレム在住の大使を通じてメッセージを送れ。

4 それぞれの王に、イスラエルの神である天の軍勢の主からのことばだと言わせなさい。

5 『わたしは大きな力をもって、地と、全人類と、あらゆる動物を造った。これらを、わたしの目にかなった者に与える。

6 わたしはすでにおまえたちの国々を、わたしの代理人、バビロンのネブカデネザル王に与えた。また、おまえたちの家畜を全部彼のものとした。

7 彼の時がくるまで、すべての国は彼とその子孫に仕える。そのあとで、多くの国の民と強い王たちがバビロンを征服し、住民を奴隷とする。

8 今は彼に従い、彼に仕えよ。おまえたちの首をバビロンのくびきに入れるのだ。わたしは、彼の奴隷になろうとしない国の民を罰する。戦争とききんと疫病を送るので、その国は彼に征服される。

9 バビロンの王はおまえたちを奴隷にしないと言う偽預言者、占い師、夢見る者、霊媒、魔術師のことばに耳を傾けてはならない。

10 彼らはみなうそつきだ。もし彼らの助言に従い、バビロンの王に降伏しないなら、おまえたちを国外へ追放し、遠い地で滅ぼす。

11 だが、バビロン王の意のままになる国の民は、今までのように自国に住み、土地を耕す。』」

12 エレミヤはこの預言をユダのゼデキヤ王にも伝え、こうつけ加えました。「生きていたい者は、バビロン王に降伏しなさい。

13 あなたも民も、なぜ、そんなに死に急ぐのですか。なぜ、主がバビロン王に従わない国々に、与えると言った戦争とききんと疫病を選ぶのですか。

14 バビロン王がこの国を征服するはずはないと、しきりに言っている偽預言者のことばを聞いてはなりません。彼らは、とんでもないうそつきです。

15 『わたしは送り出した覚えもないのに、彼らはわたしの名によって、おまえたちにうそをついている。どうしても彼らの言うことを聞くというなら、おまえを、偽預言者ともどもこの国から追放して、殺すよりほかはない』と、神は言っています。」

16 私はくり返し、祭司とすべての民に告げました。「主は命じます。神殿から運び出された金の皿はまもなくバビロンから戻ってくる、と言っている預言者に、耳を貸すな。そんなことがあるはずはない。

17 彼らの言うことを聞いてはならない。バビロン王に降伏して生き延びよ。そうでないと、この町は全部破壊される。

18 もし、彼らがほんとうに神の預言者なら、まだ神殿に残っている金の皿や、王宮とエルサレムの宮殿にある金の皿が、おまえたちといっしょにバビロンへ持ち去られないよう、祈るべきではないか。

19-21 天の軍勢の主は、こう言います。『バビロンのネブカデネザル王が、ユダとエルサレムの重立った人々を、エホヤキムの子でユダ王国のエコヌヤ王と共に連れ去った時残しておいた、神殿の前にある青銅の柱、神殿の庭の大きな青銅の水盤、そのほか金属製の台や儀式用具などは、

22 みなバビロンに運び去られ、わたしが取り返すまでそこにある。後に、わたしはそれらの物をみな、エルサレムへ持ち帰る。』」

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エレミヤ書 28

偽預言者ハナヌヤ

1 同じ年、ユダ王国のゼデキヤ王の治世の第四年の七月のある日、アズルの子でギブオン出身の偽預言者ハナヌヤが、神殿の中で私に挑みました。祭司全員と人々が聞いている前で、きっぱり断言したのです。

2 「イスラエルの神である天の軍勢の主は、こう言っています。『わたしは、おまえたちの首からバビロン王のくびきをはずした。

3 二年以内に、ネブカデネザルがバビロンへ運び去った神殿の宝物を、全部持ち帰る。

4 また、エホヤキムの子でユダ王国のエコヌヤ王と、バビロンに移された捕虜全員を連れ戻す。わたしは必ず、バビロン王がおまえたちの首にかけたくびきをはずす。』」

5 これを聞いたエレミヤは、祭司と人々の前で、ハナヌヤに言いました。

6 「アーメン。あなたの預言どおりになるように。主があなたの言ったことを全部実現して、神殿の宝物を、愛する同胞といっしょにバビロンから取り戻してくださればよいと、私も思っている。

7 しかし今は、ここにいる人たちの前ではっきりさせておこう。

8 昔の預言者たちは、多くの国々に不利なことを話し、いつも決まって、戦争とききんと疫病の警告をしたものだ。

9 だから、平和を予告する預言者は、ほんとうに神から遣わされたのかどうか、証明しなければならない。預言がそのとおり実現してはじめて、それが明らかになるからだ。」

10 ハナヌヤはエレミヤの首から例のくびきをはずし、それを壊しました。

11 そして、集まっていた人々に、「見るがいい、このとおりだ。主は二年以内に、今バビロンのネブカデネザル王の奴隷になっている国々の民を解放する、と約束なさった」と宣言しました。ここまで聞いてから、エレミヤは出て行きました。

12 するとまもなく、神からエレミヤに次のことばがありました。

13 「ハナヌヤのところへ行き、主がこう言うと伝えよ。おまえは木のくびきを壊したが、これらの国の民は首に鉄のくびきをつけている。

14 イスラエルの神、天の軍勢の主であるわたしが言う。わたしは、これらの国の民に鉄のくびきをはめ、むりやりバビロンのネブカデネザル王の奴隷とした。この運命は、どんなことがあっても変わらない。おまえたちの家畜まで、彼のものになる。」

15 そこで、エレミヤは偽預言者ハナヌヤに言いました。「よく聞け、ハナヌヤ。主はあなたをお遣わしにならなかった。ところが人々は、あなたのうそを信じ込んでいる。

16 だから、あなたはどうしても死ななければならない。これは主のことばだ。今年中に、あなたの寿命は尽きる。主に逆らったからだ。」

17 このことばのとおり、二か月後にハナヌヤは死にました。

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エレミヤ書 29

捕虜たちへの手紙

1-2 エコヌヤ王と王母、宮廷の役人、地方長官、それに技術者たちが、ネブカデネザルによってバビロンへ移されてのち、エレミヤはユダヤ人の長老、祭司、預言者、すべての民にあてて手紙を書きました。

3 この手紙を、ゼデキヤ王の使節としてバビロンのネブカデネザル王を訪問した、シャファンの子エルアサとヒルキヤの子ゲマルヤに託しました。内容は次のとおりです。

4 「イスラエルの神である天の軍勢の主は、エルサレムからバビロンへ移された捕虜全員に、こう告げます。

5 『家を建て、長期の滞在計画を立てなさい。長年にわたってそこにいることになるから、ぶどう園を造れ。

6 結婚して、子どもをもうけよ。子どもにも相手を見つけてやり、多くの孫が生まれるようにしなさい。人口を減らしてはならない。

7 バビロンの平和と繁栄のために努力し、そのために祈るのだ。バビロンが平和であれば、おまえたちも平和に過ごせるからだ。』

8 イスラエルの神である天の軍勢の主は、こう告げます。『おまえたちのうちにいる偽預言者や霊媒にだまされてはならない。彼らの考え出した夢物語を聞いてはならない。

9 彼らは、わたしの名によってうその預言をするからだ。わたしは彼らを遣わさなかった。

10 実際、おまえたちは七十年間バビロンにいることになる。そののち私は、おまえたちに約束しておいたすべての祝福を与え、故国に連れ戻す。

11 わたしは、おまえたちのために立てた計画をよく知っている。それは災いではなく祝福を与える計画で、将来と希望を約束する。

12 その時になったら、わたしはおまえたちの祈りに耳を傾ける。

13 真剣に探し求めるなら、おまえたちはわたしを見つけることができる。

14 そうだ。わたしはおまえたちに見つけられる。わたしはおまえたちを奴隷の身分から解放し、財産を回復し、追いやられた国々から集め、再び故国の土を踏ませる。

15 だが今は、偽預言者の言うことを信じ、主が彼らを遣わしたと言っているので、

16-17 わたしは、エルサレムに残っているおまえたちの親族とダビデの王座についている王に、戦争とききんと疫病を送る。彼らは、腐ったいちじくのようになる。

18 しかもわたしは、彼らを世界中に散らす。彼らは行った先々の国で、のろわれ、ののしられ、あざけられる。

19 わたしが、わたしの預言者を通して何度も語ったのに、いっこうに聞こうとしなかったからだ。』」

20 だから、バビロンにいるすべてのユダヤ人捕虜よ、神のことばを聞きなさい。

21 イスラエルの神である天の軍勢の主は、神の名によってうそをついている、コラヤの子の偽預言者アハブとマアセヤの子ゼデキヤについて、こう告げます。「わたしは二人をネブカデネザルの手に渡し、人々の前で処刑させる。

22 彼らの運命は悪いことを表すことわざとなり、のろいのことばとして、『神がおまえを、バビロンの王に焼き殺されたゼデキヤやアハブと同じ目に会わせるように』と言われるようになる。

23 彼らはわたしの民の間で恐ろしいことをした。隣人の妻と姦通し、わたしの名によってうそをついた。わたしは彼らのすることを全部見てきたので、その行動の一部始終を知っている。

24 夢見る者シェマヤには、次のように言いなさい。」

シェマヤへのメッセージ

25 イスラエルの神である天の軍勢の主は、こう告げます。「おまえはマアセヤの子の祭司ゼパニヤに手紙を書き、その写しをほかの祭司とエルサレムの全住民に送った。

26 おまえは手紙にこう書いた。『主はエホヤダの代わりに、あなたをエルサレムの祭司に任命しました。ですから、預言者だと自称する気が変になった男を捕まえ、足かせと首かせをはめる責任があります。

27 それなのにどうして、アナトテ出身の偽預言者エレミヤを放っておくのですか。

28 彼はバビロンにいる私たちに、捕虜になる期間は長いので、しっかりした家を建て、長期の滞在計画を立て、果物の木を植えるようにと指図しました。私たちがこれから先もずっとここにいて、その木の実を食べることになると言うのです。』」

29 ゼパニヤは、この手紙をエレミヤのところへ持って行き、読んで聞かせました。

30 すると、主からエレミヤに次のことばがありました。

31 「バビロンに流された者全員に封をしていない手紙を出し、こう伝えなさい。わたしは任命した覚えがないのに、ネヘラム人シェマヤは勝手に『預言』し、うそを信じ込ませようとした。

32 わたしは彼とその家族を罰する。彼の子孫は誰ひとり、わたしが民のために用意している祝福を見ない。彼がおまえたちに、わたしに背くように教えたからだ。」

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