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エレミヤ書

エレミヤ書 30

イスラエルの回復

1 これは、主からエレミヤにあった別のことばです。

2 イスラエルの神はこう命じます。「わたしがおまえに語ったことをみな、記録に残しなさい。

3 わたしの民イスラエルとユダを、元どおり、先祖に与えたこの地へ連れ戻す時がくるからだ。彼らはこの地を所有し、再び住みつく。

4 また、わたしがイスラエルとユダについて語った次のことばも、書き留めておくのだ。

5 『平和はどこにあるのだ。

あるのは恐怖とおののきだけだ。

6 男が子どもを産むだろうか。

そんなことはありえないのに、

どうして彼らは、真っ青な顔をして、

産婦のように腰に手を当てて立っているのか。』」

7 ああ、今までの歴史の中で、

やがてくる日のような恐怖の時があったでしょうか。

それは、同胞イスラエルの苦しみの時で、

今までに一度も経験したことのないものです。

しかし、神は彼らを救い出してくださいます。

8 天の軍勢の主は、こう約束します。「その日になると、わたしは彼らの首のくびきを壊し、体に巻きついている鎖を断ち切る。外国人は二度と彼らの主人にならない。

9 彼らは、わたしと、わたしが彼らのために立てるダビデ王に仕えるようになる。

10 わたしのしもべヤコブよ、怖がることはない。

イスラエルよ、うろたえなくてもいい。

わたしがおまえを遠い国から連れ戻し、

おまえの子孫を、流されて行った先から

連れ戻すからだ。

彼らは自分の国でゆったりくつろぎ、

だれも彼らを脅かさなくなる。

11 わたしがそばについていて救うからだ。

わたしはおまえの寄留先の国々を

全滅させることがあっても、

おまえを根絶やしにすることはしない。

もちろん、おまえが完全に罰を免れる

というわけではないが。

12 おまえの罪は、どうしても治らない打ち傷のようで、

ひどく痛んでいる。

13 助ける者はなく、傷口に包帯を巻く者もいない。

どんな薬も効き目がない。

14 恋人はみな、おまえを置き去りにし、

二度と世話をしない。

わたしが、まるで敵ででもあるかのように、

おまえをひどく傷つけたからだ。

血も涙もない敵のように、容赦なく痛めつけた。

おまえの罪があまりにも多く、

とががあまりにも大きかったからだ。

15 なぜ抗議するのか。

当然の刑罰ではないか。

おまえの罪は目も当てられないほど醜いので、

悲しみはいつまでも終わらない。

こんなにも懲らしめるのは、

おまえのとがが途方もなく大きいからだ。

16 だがいつか必ず、おまえを滅ぼす者は

みな滅ぼされ、おまえの敵はみな奴隷となる。

おまえから略奪する者は略奪され、

おまえを攻撃する者は、逆襲される。

17 わたしはおまえの傷を治し、元の健康な体にする。

今は、おまえは『捨てられた者』

『だれも欲しがらないエルサレム』と呼ばれている。」

18 しかし、神は約束します。

「わたしがおまえたちを捕虜になっていた地から

連れ帰り、元の状態に戻す時、

エルサレムは廃墟の上に再建される。

宮殿は以前のように建て直され、

19 町には喜びと感謝の声があふれる。

わたしの民は増え、名誉ある偉大な民となる。

20 彼らの子孫は、

ダビデが王位についていたころのように栄える。

民はわたしの前に堅く立てられ、

わたしは彼らに危害を加える者を罰する。

21 彼らには、再び指導者が立てられる。

しかも、外国人ではない指導者が。

わたしが彼を、

わたしの祭壇に仕える祭司にするために招くと、

彼はわたしに近づく。

招かれないのに近づく者はいない。

22 おまえたちはわたしの民となり、

わたしはおまえたちの神となる。

23 すべてを吹き飛ばす主のつむじ風が突然起こり、

悪者どもを直撃する。

24 わたしは、計画しておいた恐ろしい破壊を

完了するまでは、激しい憤りをおさめない。

のちになって、おまえたちは

わたしの言ったことを理解する。

—https://api-cdn.youversionapi.com/audio-bible-youversionapi/406/32k/JER/30-3031038a60cdac85bf5e221712e5d428.mp3?version_id=83—

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エレミヤ書

エレミヤ書 31

1 その時、イスラエルの全家族はわたしを主と認める。彼らは、わたしの民としてふるまうようになる。

2 昔わたしが、エジプトから逃げて来た

イスラエル人を、荒野であわれみ、

休息を与えた時のように、

彼らをいたわり、愛を注ぐ。

3 それは、かつてイスラエルにこう言ったからだ。

わたしの民よ。

わたしは永遠の愛をもっておまえを愛してきた。

あわれみの綱でおまえを引き寄せてきた。

4 イスラエルのおとめよ。

わたしは、おまえの国を再建する。

おまえは以前のように幸せになり、

タンバリンをたたいて陽気に踊る。

5 もう一度サマリヤの山の上にぶどう園を造り、

その実を食べるようになる。

6 エフライムの丘に立つ見張りが声を張り上げ、

『さあ、シオン(エルサレム)に上って、

神のもとへ行こう』と言う日がくる。」

7 神はこう語ります。

「地上で最も偉大な国イスラエルに、

わたしがどんなことをするかを知って、喜び歌え。

『主は、イスラエルの残りの民である

ご自分の民を救った』と、

賛美と喜びをもって大声で語り伝えなさい。

8 わたしが彼らを、

北から、また地の果てから連れ戻すからだ。

盲人や足の不自由な人、赤ん坊を連れた若い母親、

お産の近い女には、特別に心を留める。

彼らは大きな集団となって帰る。

9 だれの頬にもうれし涙がこぼれる。

わたしは彼らを、

壊れ物を運ぶように注意して連れ帰る。

彼らは静かに流れる川のほとりを歩き、

つまずくことはない。

イスラエルにとってわたしは父であり、

エフライムはわたしの長男だからだ。」

10 世界の国々よ、主からの次のことばを聞き、

言い広めなさい。

主はご自分の民を散らしたが、再び集め、

羊飼いがその群れを飼うときのように見守ります。

11 イスラエルを、

とても歯が立たない敵の手から救い出すのです。

12 彼らは帰国して、シオンの丘で喜びの歌を歌います。

豊作の穀物、麦とぶどう酒と油、

健康そのものの羊と家畜の群れという

主の恵みに浴して、彼らの顔は喜びに輝きます。

彼らのたましいは潤った園のようになり、

悲しみは一つ残らず逃げ去ります。

13 娘たちは喜びのあまり踊り出し、

男たちは、年老いた者も若者も陽気にはしゃぎます。

「わたしは彼らの嘆きを喜びに変え、

彼らを慰め、楽しませる。

苦しいことばかりの捕虜の時代は、

もう過去のこととなった。

14 わたしは祭司たちを、

神殿に運ばれる山のような供え物で再びもてなす。

わたしの民がすっかり満足するまで、

十分に食べさせる」と、主は約束します。

15 主は私に、再び語りました。

「ラマ(バビロンの捕虜となったユダヤ人が集合させられた場所)で激しい泣き声が聞こえる。

ラケル(ヤコブの妻。

イスラエル王国の母として象徴的に言われている)は

子どものために泣いているが、

どうしても慰めることはできない。

それは、子どもがいなくなったからだ。」

16 しかし、神は約束します。

「おまえはもう、泣かなくていい。

わたしは確かにおまえの祈りを聞いた。

おまえはまた子どもに会える。

彼らは遠い敵の国から、

おまえのふところへ帰って来る。

17 おまえの将来には希望がある。

おまえの子どもは生まれ故郷へ帰って来る。

18 私はエフライムのうめき声を聞きました。」

「神は私をひどく罰しました。

子牛がくびきを負う訓練をさせられるように、

私にも懲らしめが必要だったのです。

私を神のもとに立ち返らせ、

元どおりにしてください。

神よ。ただあなただけが主だからです。

19 私は神いたことを後悔しました。

なんと愚かな人間だったのかと反省し、

ももの肉を打ちました。

若かったころにしたことを考えると、

恥ずかしくなります。」

20 神のお答えはこうです。

「エフライムは今でもわたしの子だ。

かけがえのない子であることに変わりはない。

罰を加えないわけにはいかないが、

それでもなお、彼を愛している。

いとおしくてたまらないので、必ずあわれみをかける。

21 捕虜として遠い国へ引かれて行く時、

イスラエルに帰る目じるしとなる道しるべを、

あちこちに立てておきなさい。

通った道をしっかり頭に入れておくのだ。

おとめイスラエルよ。

やがて、おまえは自分の町に

帰って来ることになる。

22 気まぐれな娘よ。

いつまで、どっちつかずでいるのか。

わたしは、今までだれも聞いたこともないような

新しいことをする。

その時イスラエルは、

わたしを尋ね求めるようになる。」

23 イスラエルの神である天の軍勢の主は、こう言います。「わたしが彼らを連れ戻す時、彼らはユダとその町々で、次のように言うだろう。『義の中心であるきよい山よ。神があなたを祝福されるように。』

24 町の住民も、農夫も、羊飼いも、平和で幸福な暮らしをするようになる。

25 わたしは疲れた者には休息を、悲しむ者には喜びを与えるからだ。」

26 ここでエレミヤは目を覚まし、「この眠りは、とてもここちよかった」と言いました。

27 主はこう言います。「わたしが、このイスラエルで人口をおびただしく増やし、家畜を増し加える時がくる。

28 以前この国をくり返し痛めつけたが、今度は気を配って築き上げる。

29 人々は二度と、『父親の罪のあとしまつを子どもがさせられる』ということわざを口にしなくなる。

30 だれもが自分の罪のために死ぬようになるからだ。すっぱいぶどうを食べた本人の歯が浮くのだ。」

31 主は言います。「わたしがイスラエルおよびユダの民と、新しい契約を結ぶ日がくる。

32 それは、わたしが彼らの先祖の手をとってエジプトから導き出した時、結んだようなものではない。彼らがそれを破ったので、やむなく、わたしは彼らを見捨てた。

33 新しい契約とはこうだ。わたしは、わたしのおきてを彼らの心に刻みつける。そのため彼らは、わたしをあがめたいという気持ちになる。こうして、彼らは文字どおりわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。

34 その時はもう、主を知るようにと互いに忠告する必要はなくなる。身分の高い者も低い者も、だれもがわたしを心底から知るようになるからだ。わたしは彼らの罪を赦し、忘れる。」

35 日中は太陽の光を与え、

夜を明るくするために月と星を与え、

海をかき立てて大波を起こす天の軍勢の主は、

こう言います。

36 「もし、これらの自然界の法則がなくなるものなら、

わたしはわたしの民イスラエルを見限るだろう。

37 天が正確に測られ、地中深くの基礎が現れない限り、

罪を犯したからといって、

わたしが彼らを捨てることなどありえない。」

38-39 主は言います。「エルサレムの町全体が、わたしのために再建される時がくる。北東の端にあるハナヌエルの塔から、北西にある隅の門まで、また南西にあるガレブの丘から、南東にあるゴアに至るまで、すべて建て直される。

40 墓地と谷にある灰捨て場を含め、全市が、わたしにとってきよいものとなる。キデロン川に至るまでの畑全部、そこから町の東側にある馬の門に至るまでの地区も、きよいものとなる。これからは、二度と敵に踏みにじられたり、占領されたりはしない。」

—https://api-cdn.youversionapi.com/audio-bible-youversionapi/406/32k/JER/31-958d8fc85d18c96248b898d5d1037735.mp3?version_id=83—

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エレミヤ書

エレミヤ書 32

エレミヤ、畑を買う

1 ネブカデネザル王の第十八年に当たる、ユダ王国のゼデキヤ王の第十年に、主からエレミヤに次のことばがありました。

2 そのころ、エレミヤは王宮の地下牢に閉じ込められており、バビロンの軍隊はエルサレムを包囲していました。

3 ゼデキヤ王が彼をそこに閉じ込めたのは、彼があくまで、エルサレムはバビロンの王に占領され、

4 ゼデキヤ王も捕まり、捕虜としてバビロンの王の前に連れ出され、さばかれると預言し続けたからです。

5 「彼は王をバビロンへ連れて行き、死ぬまで牢に入れておきます。どうして、この事実を素直に認めないのですか。勝てるはずがありません。今、降伏しなさい。」エレミヤは何度も言いました。

6-7 その時、主からエレミヤに次のことばがありました。「まもなく、シャルムの子ハナムエルが来て、アナトテにある畑を買ってほしいと頼む。おまえはいとこなので、法律によって、それを買う優先権があるからだ。」

8 ハナムエルは、そのとおり、牢にいるエレミヤを訪ね、こう頼みました。「ベニヤミンの地のアナトテにある、私の畑を買ってくれないか。法律によって、君にそれを買う優先権があるのだ。」私は、彼の言うことが間違いなく主から出たことを知りました。

9 私は畑を買い、ハナムエルに銀貨十七枚を払いました。

10 証人の前で契約書に署名したうえで封印し、支払いをすませたのです。

11 それから、さまざまの規約を記した封印された証書と、封印されていない写しを受け取り、

12 いとこのハナムエルと証書に署名した証人との前で、看守に見守られながら、その証書をマフセヤの子ネリヤの子であるバルクに渡しました。

13 それから、全員の聞いている前でこう指示しました。

14 「イスラエルの神である天の軍勢の主の命令です。『封印してある証書と封印のない写しを、つぼに入れて長く保管しておきなさい。

15 やがてこの証書に価値の出る時がくる。そのうちに必ず、人々は再びこの国に土地を持ち、家やぶどう園や畑を売り買いするようになる。』」

16 証書をバルクに渡すと、私は祈りました。

17 「ああ神よ。あなたは大きな力をもって天と地をお造りました。あなたにとって、難しいことは何一つありません。

18 あなたは愛と恵みに満ちたお方です。しかし、父親が罪を犯したら、その子どもを苦しめるお方でもあります。偉大な全能の神、天の軍勢の主です。

19 あらゆる知恵をたくわえ、目をみはる大きな奇跡を行います。神の視線は人のすべての道に注がれており、それぞれの生き方と行為に従って、一人一人に報いるのです。

20 あなたはエジプトでは、信じられないようなことを行いました。それらはみな、今日も私たちの記憶に残っています。しかもあなたは、イスラエルばかりか全世界で、今も大きな奇跡を行い続けています。こうして、ご自分の名を今日のように偉大なものとしました。

21 神は、目をみはる奇跡と、大きな力、大きな恐れをもって、イスラエル人をエジプトから連れ出しました。

22 ずっと以前に先祖に約束したこの国をお与えになりました。まことにそれは、乳とみつの流れる地です。

23 私たちの先祖はこの地を占領し、ここに住みつくようになりました。ところが、彼らは神に従わず、神のおきてを守りませんでした。神に命じられたことを、一つも行おうとしませんでした。だからこそ、この恐ろしい災いが下ったのです。

24 ごらんください。町の城壁沿いに、とりでが築き上げられました。バビロニヤ人がこの町を、剣とききんと疫病によって攻め取ろうとしています。何もかも、おことばのとおりになりました。

25 まもなくこの町が敵の手に渡るというのに、神は私に、畑を買い、証人たちの前で大金を払うようにお命じになるのです。」

26 すると、エレミヤにこのようなことばがありました。

27 「わたしは、全人類の神、主だ。わたしにとって、不可能なことは一つもない。

28 わたしは必ず、この町をバビロニヤ人とバビロンのネブカデネザル王の手に渡す。彼がここを占領する。

29 また、今城壁の外にいるバビロニヤ人は、市内に侵入して町に火をつける。屋上で香をたき、ほかの神々にぶどう酒を注いで、わたしの激しい怒りを買う原因となった家々を焼き払う。

30 イスラエルとユダは、若いころから悪いことばかりしてきた。彼らは、ありとあらゆる悪でわたしを激怒させた。

31 この町は、建てられた時から今日まで、わたしを怒らせることばかりしてきた。だから、わたしはこの町を滅ぼす。

32 イスラエルとユダの罪が、わたしを怒らせる。

33 彼らはわたしに背いたまま、いっこうに立ち返ろうとしない。わたしは毎年、くる日もくる日も正しいことと悪いことの区別を教えたのに、彼らは聞こうとも、言いつけを守ろうともしない。

34 神殿の中でさえ憎むべき偶像を拝み、そこを汚した。

35 それでも足りず、ヒノムの谷にバアルの高い祭壇を築いた。そして自分の子どもを焼き、モレクへのいけにえとした。こんなことは、命じた覚えもなければ、考えもしなかったことだ。ユダに大きな罪を犯させる原因となったこの罪は、けたはずれに大きなものだ。

36 だから今、イスラエルの神であるわたしは、この町が戦争とききんと疫病によってバビロン王の手に落ちると断言する。

37 しかしわたしは、わたしの民を、憤って散らした国々から連れ戻す。この町に連れ帰って、安らかに住まわせる。

38 こうして彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。

39 また、わたしは彼らと彼らの子孫のためを考えて、彼らに、わたしを永久にあがめる心と思いを与える。

40 わたしは、二度と彼らを見限ることはなく、恵みだけを与える約束として、彼らと永遠の契約を結ぶ。彼らの心に、わたしを礼拝しようという願いを入れるので、どんなことがあってもわたしから離れなくなる。

41 わたしは心から喜んで彼らを幸福にし、再びこの地に植える。

42 これらの恐怖と災いを送ったように、その時は、約束したすべての祝福を注ぐ。

43 今はバビロニヤ人に荒らされ、人も家畜も姿を消したこの国で、再び畑が売買されるようになる。

44 ベニヤミンの地でも、エルサレムでも、ユダの町々でも、山地でも、平野でも、ネゲブでも、もう一度、証書に署名し、封印し、証人を立てて畑を売買するようになる。わたしは必ず、土地を彼らに返すからだ。」

—https://api-cdn.youversionapi.com/audio-bible-youversionapi/406/32k/JER/32-25177eca08b41e5a7902728a826ce947.mp3?version_id=83—

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エレミヤ書 33

回復の約束

1 まだエレミヤが牢につながれていた時、神は再び彼にことばを与えました。

2 「主という名の、天と地の造り主である神は、こう言います。

3 『わたしに尋ねなさい。そうすれば、この地に起ころうとしている、信じられないほど不思議なことを教える。

4 たとえ敵のとりでに対抗するために、この町の家々と王宮を壊して城壁を補強する材料にしたとしても、

5 バビロニヤ人は侵入して来る。この町の男たちは、すでに死んだも同然だ。わたしが、激しい怒りをもって殺そうと決めているからだ。彼らのひどい悪のために、わたしは彼らを見捨てた。たとえ助けを呼び求めても、あわれまない。

6 しかし、わたしがエルサレムの損害を補償し、繁栄と平和を与える時がくる。

7 ユダとイスラエルの町々を再建し、彼らの財産を元どおりにして返す。

8 彼らのすべての罪をきよめ、赦す。

9 その時、この町はわたしにとって名誉となる。また、わたしの喜びとなり、地上のすべての国々の間で、わたしをあがめ、わたしの栄光を現す中心地となる。世界中の人は、わたしがわたしの民にどんな祝福を与えたかを知って、恐れに取りつかれ、身震いする。

10-11 花婿と花嫁の喜びに満ちた声、わたしに感謝の供え物を運んで来る人の喜びの歌が、再び、この破滅を宣告された地で聞かれるようになる。人々は、『神をほめたたえよう。神は恵み深く、そのあわれみは永遠に続く』と歌うようになる。わたしはこの地を、前よりも幸福にし、栄えさせる。

12 今は全住民と家畜の滅亡が決まっているが、もう一度、羊や子羊を導く羊飼いの姿を見るようになる。

13 山地の村々、平野部の東にある町々、ネゲブのすべての町々、ベニヤミンの地、エルサレム近郊、それにユダのすべての町々でも、再び羊の群れが増える。

14 イスラエルとユダに、わたしが約束しておいたすべての祝福の実現する日がくる。

15 その時、わたしはダビデの真実の子を王にする。彼は正義をもって支配する。

16 その日、ユダとエルサレムの人たちは安心して住み、『主は私たちの正義』という標語を掲げる。

17 それからは、ダビデの世継ぎが永久にイスラエルの王座につく。

18 さらに、いつもレビ人が、完全に焼き尽くすいけにえをはじめ、その他のいけにえや供え物を、神にささげるようになる。」

19 その時、主からエレミヤに次のことばがありました。

20-21 「わたしが昼および夜と結んだ契約を破り、きちんと決まった時間に、昼や夜がこないようにできるか。もしできたら、わたしがわたしのしもべダビデと結んだ契約も破られ、彼の王座につく子孫はいなくなる。このように、神に仕えるレビ人の祭司たちと結んだわたしの契約も、決して破棄されない。

22 星が数えきれず、海辺の砂が量りきれないように、わたしのしもべダビデの子孫と、わたしに仕えるレビ人の子孫は増える。」

23 神は再び、エレミヤにこう語りかけました。

24 「おまえは人々が何と言っているか聞かなかったのか。彼らは、神はユダとイスラエルを選んでおきながら見捨ててしまった、と言っている。イスラエルはもはや国家としての価値がなくなったと、あざ笑っている。

25-26 だが、わたしはこう答えよう。わたしが昼と夜、天と地の法則を変えないように、わたしの民を捨てるはずはない。わたしは決して、ユダヤ人とわたしのしもべダビデとを見限らない。また、ダビデの子がやがてアブラハム、イサク、ヤコブの子孫を支配するという計画を変えない。それどころか、彼らにあわれみをかけ、その財産を元どおりにする。」

—https://api-cdn.youversionapi.com/audio-bible-youversionapi/406/32k/JER/33-d1ca769a286d9265e5a11f7c4a1152bc.mp3?version_id=83—

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エレミヤ書 34

ゼデキヤへの警告

1 バビロンのネブカデネザル王とその支配下の国々の軍隊が一つになって、エルサレムとユダの町々を攻めている時、主からエレミヤに次のことばがありました。

2 「ユダのゼデキヤ王に、主がこう言うと伝えなさい。わたしはこの町をバビロン王に渡すので、彼は町を焼く。

3 おまえは逃げられない。捕虜になってバビロン王の前に引き出され、有罪を宣告される。そしてバビロンへ連れて行かれる。

4 だがユダのゼデキヤ王よ、次のことをよく聞くのだ。おまえは戦争や虐殺に巻き込まれて死ぬことはなく、

5 人々に囲まれて安らかに死ぬ。みな、おまえの先祖にしたように、おまえを記念して香をたく。人々はおまえのために、『ああ、王様が死んでしまった』と泣く。このことを確かに言っておく。」

6 そこでエレミヤは、そのとおりゼデキヤ王に知らせました。

7 ちょうどその時、バビロン軍はエルサレムとラキシュ、アゼカを包囲していました。ユダでまだ残っている城壁のある町は、ここだけだったのです。

奴隷の解放

8 ゼデキヤ王が、エルサレムにいる奴隷を全員解放したのちに、主からエレミヤに次のことばがありました。

9 王は全住民に、ヘブル人(イスラエル人)の奴隷は男女を問わずすべて自由の身にするようにと命じたのです。ユダヤ人は兄弟同士だから、奴隷にしてはいけないというのです。

10 高官や住民はみな王の命令に従い、奴隷を自由の身にしましたが、それは一時的なことでした。

11 あとで心変わりして、使用人を再び奴隷にしました。

12 それで、次のことばがエルサレムにあったのです。

13 イスラエルの神は、こう言います。「わたしは、奴隷だったおまえたちの先祖をエジプトから連れ出した時、彼らと契約を結んだ。

14 わたしは彼らに、ヘブル人の奴隷は例外なしに、六年の年季が明けたら自由の身にしなければならない、と念を押した。だが、このことは実行されなかった。

15 しかし最近になって、おまえたちは、わたしが命じたとおりの正しいことをして、奴隷を自由の身とした。『きっと命じられたとおりにします』と、神殿で、おごそかに約束した。

16 ところが今になって急に態度を変え、誓いを破ってわたしの名を汚し、いったん自由にした者たちを再び奴隷にした。

17 結局おまえたちはわたしの言うことを聞こうとせず、奴隷を解放しなかったので、戦争とききんと疫病でおまえたちを殺す。流浪の民として世界中に散らす。

18-19 おまえたちは契約を守らなかったので、誓いを確かなものとするために牛を二つに断ち切ってその間を通る儀式にならい、おまえたちを真っ二つにする。高官であろうが、宮廷の役人であろうが、祭司であろうが、一般市民であろうが、誓いを破った以上は、家畜のように殺す。

20 わたしがおまえたちを敵の手に渡すので、敵はおまえたちを殺す。おまえたちの死体は、はげたかや野獣のえじきとなる。

21 わたしはまた、ユダのゼデキヤ王と部下である役人たちを、いったんこの町から遠のいたバビロン王の軍勢に引き渡す。

22 わたしが呼び戻すので、バビロン軍は再びこの町を攻撃して占領し、火をつける。ユダの町々を、必ず見る影もなく壊し、猫の子一匹いない廃墟にする。」

—https://api-cdn.youversionapi.com/audio-bible-youversionapi/406/32k/JER/34-67c90672bafca0fe99eb2d17fb9a422e.mp3?version_id=83—

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エレミヤ書 35

レカブ家の人々

1 ヨシヤの子のエホヤキムがユダ王国の王であった時、主はエレミヤに、こう語りました。

2 「レカブの家系の人たちが住んでいる所へ行き、神殿へ連れて来なさい。奥の一室に案内し、ぶどう酒をすすめるのだ。」

3 そこで私は、ハバツィヌヤの子エレミヤの子ヤアザヌヤのところへ行き、レカブ家を代表する彼と、その兄弟、息子たちを連れて、

4 神殿へ行き、イグダルヤの子で預言者のハナンの息子たちに与えられている部屋に入りました。その部屋は宮殿の役人が使う部屋の隣で、神殿の入口を守るシャルムの子マアセヤの部屋の真上にありました。

5 私は彼らの前にぶどう酒の入ったつぼとコップを置き、「さあ飲みなさい」とすすめました。

6 ところが、彼らはことわったのです。「私たちはぶどう酒を飲みません。先祖レカブの子ヨナダブが、子々孫々、永久にぶどう酒を飲んではならないと命じたからです。

7 また、家を建てたり、作物を植えたり、ぶどう園を造ったり、畑を所有したりせず、いつもテントに住むようにと言いつけました。言われたとおりにして、自分の地で、満ち足りた長寿を全うするためです。

8 私たちは、あらゆる点でヨナダブの言いつけを守りました。ぶどう酒は一滴も口にしませんでしたし、家族の者も、同じようにしてきました。

9 家を建てたり、畑を所有したり、作物を植えたりもしませんでした。

10 テントに住み、先祖ヨナダブが命じたことをみな忠実に守ってきました。

11 ところが、バビロンのネブカデネザル王がこの国に攻め上った時、怖くなってエルサレムへ引っ越すことに決めました。それで今、ここにいるのです。」

12 その時、主はエレミヤに語りました。

13 イスラエルの神である天の軍勢の主は、こう言います。「ユダとエルサレムへ行って、レカブ家の人たちから教訓を学びなさい。

14 彼らは先祖の命令を守り、ぶどう酒を飲まない。ところがおまえたちは、わたしがくり返し語ったのに、聞こうとも従おうともしない。

15 わたしは次々に預言者を送り、悪の道から離れ、ほかの神々を拝むのをやめるようにと言わせた。わたしのことばに従うなら、おまえたちと先祖に与えたこの地で、平和に暮らせるようにすると言わせた。だがおまえたちは、聞こうとも従おうともしなかった。

16 レカブ家の人たちは先祖の言いつけを守ったというのに、おまえたちはわたしの言うことを聞こうとしなかった。

17 だから、イスラエルの神であるわたしは言う。おまえたちはわたしのことばに耳を傾けず、呼んでも顔をそむけているので、ユダとエルサレムに、前々から言っておいたすべての災いを下す。」

18-19 エレミヤはレカブ家の人たちのほうを向いて、こう言いました。「イスラエルの神である天の軍勢の主は、こう言います。『おまえたちはあらゆる点で先祖の命令に従ったので、おまえたちの家系には、わたしを礼拝する者が絶えない。』」

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エレミヤ書 36

エホヤキム、エレミヤの巻物を焼く

1 ヨシヤの子でユダ王国のエホヤキム王の第四年に、主からエレミヤに次のことばがありました。

2 「巻物を取り、わたしがイスラエル、ユダ、その他の国々について語ったことをみな書き記しなさい。ヨシヤの時代に語ったことから始め、わたしのことばを残らず書き留めるのだ。

3 ユダの民は、わたしがこれからしようとしている恐ろしいことが文字になっているのを見て、悔い改めるかもしれない。そうすれば、わたしは彼らを赦す。」

4 そこでエレミヤは、ネリヤの子バルクを呼びました。バルクはエレミヤの口述どおり、全部の預言を筆記しました。

5 書き終わったあと、エレミヤはバルクに言いました。「私は囚人の身だから、

6 次の断食の日、私の代わりに神殿でこれを読み上げなさい。その日は、人々がユダ全国から上って来る。

7 もしかしたら、彼らは悪の道を離れ、手遅れにならないうちに主に赦しを求めるかもしれない。もっとも、ここに書かれている神ののろいは、すでに宣告ずみなのだが。」

8 バルクは言われたとおり、神殿で、神のことばをひと言ももらさず人々の前で読みました。

9 このことは、ヨシヤの子エホヤキム王の第五年に当たる十二月の断食日に起こりました。その日、ユダ全国から、神殿の儀式に参列するために人々が上って来ました。

10 バルクは巻物を読むため、シャファンの子の書記ゲマルヤの事務所へ行きました。この事務所は新しい門の入口に近く、境内の奥の集会所のそばにありました。

11 シャファンの子ゲマルヤの子ミカヤは、神のことばを聞くと、

12 宮殿の会議室へ報告に行きました。ちょうど、役人たちが待っています。そこは、書記官エリシャマをはじめ、シェマヤの子デラヤ、アクボルの子エルナタン、シャファンの子ゲマルヤ、ハナヌヤの子ゼデキヤのほかに、同じ職務につく人たちがいました。

13 ミカヤが事情を伝えると、

14-15 役人たちはクシの子シェレムヤの子ネタヌヤの子エフディを使いに出し、バルクに、彼自身の口から神のことばを語るため、出向くようにと言わせました。バルクは同意しました。

16 バルクが読み終えると、一同はおびえきって言いました。「ぜひ王のお耳に入れなければ。

17 何はともあれ、このことばはどこから手に入れたのだ。エレミヤが口述したのか。」

18 バルクは、エレミヤの口述どおり書き写したと説明しました。

19 役人たちはバルクに忠告しました。「さあ、二人とも身を隠しなさい。居場所をだれにも知らせてはいけない。」

20 それから、巻物を書記官エリシャマの部屋に隠し、王に報告するために出かけました。

21 報告を聞いた王は、さっそくエフディに、その巻物を取って来させました。エフディはそれを書記官エリシャマのところから持って来て、王と側近の者たちの前で読みました。

22 ちょうど十二月で寒かったため、王は宮殿の暖房設備のある部屋にいて、暖炉の前に座っていました。

23 エフディが三、四段読むたびに、王はナイフでその部分を切り裂き、火に投げ入れたので、とうとう巻物は全部灰になってしまいました。

24-25 ところが、エルナタンとデラヤとゲマルヤのほかは、だれも抗議もしません。この三人は、巻物を焼かないようにと訴えましたが、王は耳を貸しませんでした。そのほかの家来は、王のひどい仕打ちを見ても、感情を外に出しませんでした。

26 王は王子エラフメエルとアズリエルの子セラヤとアブデエルの子シェレムヤに命じて、バルクとエレミヤを逮捕させようとしました。しかし、主は二人を隠したのです。

27 王が巻物を焼いたのち、主はエレミヤに命じました。

28 「別の巻物を手に入れ、前のように、わたしの言ったことをすべて書き、

29 そのうえで王に言うのだ。『主は、こう宣告する。前の巻物には、バビロン王がこの国を荒らし、何もかも壊すと書いてあったので、おまえは怒って焼いた。

30 そこで、ユダ王国のエホヤキム王について、次の一項目をつけ加える。彼には、ダビデの王座につく者がいなくなる。彼の死体は捨てられ、太陽の炎熱と夜の霜にさらされる。

31 わたしは彼とその家族、家来たちを、それぞれの罪のゆえに罰する。彼らに、またユダとエルサレムの全住民に、予告しておいたすべての災いを下す。わたしの警告を聞こうとしなかったからだ。』」

32 エレミヤは、もう一つの巻物を取り、先に言ったことをみなバルクに口述しました。ただし、今度は、前にはなかったこともつけ加えてありました。

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エレミヤ書 37

エレミヤ、投獄される

1 バビロンのネブカデネザル王は、エホヤキムの子エコヌヤの代わりにヨシヤの子ゼデキヤを、ユダの新しい王に選びました。

2 ところが、ゼデキヤ王も、家来も、国に残っている民も、主がエレミヤを通して語ったことばを聞きませんでした。

3 それにもかかわらず王は、シェレムヤの子エフカルとマアセヤの子の祭司ゼパニヤをエレミヤのもとに送り、自分たちのために祈ってほしいと言わせたのです。

4 そのころ、エレミヤはまだ牢に入れられていなかったので、自由に出入りできました。

5 エジプト王の軍隊が、包囲されたエルサレムを救援するためユダの南の国境に現れたので、バビロン軍は一戦を交えるため、エルサレムから退却していました。

6 その時、主からエレミヤに次のことばがありました。

7 「イスラエルの神が、こう言う。これから先どうなるかを聞くため、使いをよこした王に言いなさい。エジプト王の軍隊はおまえたちを助けに来たが、やがてエジプトへ逃げ帰る。バビロニヤ人が彼らを破って、もと来た所に押し返す。

8 一方、バビロニヤ人はこの町を占領し、すっかり灰にする。

9 バビロニヤ人がもう来ないと考えて、自分を欺くな。そんなはずはないからだ。

10 万一バビロン軍を負かし、生き残りのわずかな兵が重傷を負ってテントに横たわっていたとしても、彼らははい出して来ておまえたちを破り、この町に火をつける。」

11 バビロン軍がエジプトと戦うためにエルサレムの囲いを解いた時、

12 エレミヤは町を出てベニヤミンの地へ行き、自分の買った土地がどうなっているかを見ようとしました。

13 ところが、ベニヤミンの門を出ようとした時、歩哨に見つかり、バビロニヤ人に通じる裏切り者として捕らえられたのです。その歩哨は、ハナヌヤの孫でシェレムヤの子のイルイヤでした。

14 「とんでもない誤解だ。味方を裏切るつもりは少しもない」と、エレミヤは抗議しました。しかし、イルイヤは聞こうとせず、役人たちの詰め所に連れて行きました。

15-16 彼らが怒ったのは言うまでもありません。彼らはエレミヤをむちでさんざんたたいたあげく、書記官ヨナタンの家を改造した地下牢に閉じ込めました。エレミヤは長い間そこにいました。

17 ゼデキヤ王は彼のところへ使いを送り、こっそり宮殿に呼び寄せました。主からのことばが最近あったかどうか尋ねたかったのです。エレミヤは、「はい、ありました。あなたはバビロン王に負けます」と答えました。

18 続いてエレミヤは、牢に入れられたことに話題を変えました。「私は牢に入れられるようなことは何もしていません。いったいどんな罪を犯したというのですか。もし私が、あなたや家来や一般の民衆に対して何か悪いことをしたのなら、それを教えてください。

19 あなたの前で、バビロン王は来ないと断言した預言者たちは、今どこにいるのですか。

20 お願いです。どうか私を、あの地下牢に戻さないでください。あそこにいたら、死んでしまいます。」

21 そこでゼデキヤ王は、エレミヤを地下牢に戻さないよう手配し、代わりに宮殿付属の牢に入れて、町にパンがある限りは、毎日、焼き立てのパンを一個ずつ与えるようにと命じました。こうして、エレミヤは宮殿付属の牢にとどまることになりました。

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エレミヤ書 38

エレミヤ、井戸に入れられる

1 しかし、マタンの子シェファテヤ、パシュフルの子ゲダルヤ、シェレムヤの子ユカル、マルキヤの子パシュフルは、エレミヤが人々に次のように言うのを聞いていました。

2 「エルサレムに残っている者はみな、剣かききんか疫病で死ぬ。しかし、バビロニヤ人に降伏する者は助かる。

3 エルサレムの町は、間違いなくバビロニヤ人に占領される。」

4 これを聞いた四人は王のところへ行き、こう進言しました。「あの男を生かしておいてはいけません。あんなことを言われたら、わずかしか残っていない兵士と民衆の士気は、くじかれてしまいます。あの男は裏切り者なのです。」

5 王は同意しました。「よろしい。おまえたちの好きなようにせよ。私には、おまえたちを止めることはできない。」

6 そこで彼らはエレミヤを牢から連れ出し、綱を使って、構内にある空の井戸につり降ろしました。この井戸は王子マルキヤのものでした。中に水はありませんでしたが、泥がたっぷりたまっていたので、エレミヤはその中に沈みました。

7 王の信任の厚い役人でエチオピヤ人のエベデ・メレクは、エレミヤが井戸に閉じ込められたと聞くと、

8 王がさばきの座についているベニヤミンの門に駆けつけました。

9 「王よ。あの四人は、エレミヤを井戸につり降ろすという、悪を行いました。町にはもう、パンはほとんどありません。このままだと、彼は飢え死にします。」

10 すると王は、エベデ・メレクに、三十人を連れて行き、エレミヤが死なないうちに引き上げるようにと命じました。

11 エベデ・メレクはさっそく三十人の男たちを連れて、使い古した衣料が保管してある宮殿の倉庫へ行きました。そこで見つけたぼろきれや着物をかかえてエレミヤのいる井戸へ行き、綱に結びつけてつり降ろしました。

12 エベデ・メレクは、大声でエレミヤに言いました。「ぼろきれをわきの下にはさみ、その上に綱を巻きつけなさい。」エレミヤがそのとおりにすると、

13 彼らはエレミヤを引き上げ、元いた宮殿の牢に帰しました。

ゼデキヤ、エレミヤに質問する

14 ある日、ゼデキヤ王は使いを出し、エレミヤを神殿の通用門に呼んで言いました。「ぜひとも聞きたいことがある。何事も隠し立てはならない。」

15 「ほんとうのことを申し上げたら、王は私を殺すに決まっています。あなたが私のことばに耳を貸すはずがありませんから。」

16 王は、自分の造り主である全能の神を指して、絶対にエレミヤに手をかけたり、いのちをねらう者に引き渡したりしないと誓いました。

17 そこでエレミヤは、王に言いました。「イスラエルの神である天の軍勢の主は、こう告げます。『もしおまえがバビロン軍に降伏するなら、おまえもおまえの家族も生き延び、しかも町は焼かれずにすむ。

18 だが、降伏することを拒むなら、町はバビロンの兵士によって焼き払われ、おまえは恐ろしい運命をたどる。』

19 王は言いました。「だが、私は降伏するのが怖い。バビロニヤ人は、先に投降したユダヤ人に私を引き渡すだろう。そうなったら、どうなることかわかったものではない。」

20 ためらう王に、エレミヤは答えました。「主に従いさえすれば、彼らの手に落ちることはありません。王のいのちは助かり、万事がうまく運びます。

21-22 しかし、あくまで降伏を拒むなら、王宮にいる女性はみな引き出され、バビロン軍の将校たちのものになります。女性たちは、王を恨み、こう言うでしょう。

『王はエジプト人という、すてきな友人をお持ちです。

ごらんなさい、彼らはみごと裏切り、

王を悲惨な運命に渡しました。』

23 ご家族はみな、バビロニヤ人の前に引き出されます。王ご自身も同じ目に会います。あなたはバビロン王に捕らえられ、町は焼け野原になります。」

24 これを聞いた王は、エレミヤに言いました。「今私に言ったことをだれにも話してはならない。

25 家来どもが、会見のことを知って、話の内容を教えなければ殺すと脅したら、こう言うのだ。

26 『ヨナタンの地下牢にいたら死ぬに決まっているので、そこへ送り返されないよう、王に嘆願しただけです』と。」

27 王の推測どおり、まもなく町の役人たちが押しかけ、エレミヤに、なぜ王はおまえを呼び出したのかと尋ねました。エレミヤは、王に言われたとおり答えたので、だれもほんとうのことを知ることがありませんでした。王との会見を立ち聞きした者はいなかったからです。

28 エレミヤは、エルサレムがバビロニヤ人の手に落ちるまで、牢に閉じ込められたままでした。

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エレミヤ書 39

エルサレムの陥落

1 ユダ王国のゼデキヤ王の第九年の十二月末、ネブカデネザルの率いる軍隊は再びエルサレムを攻撃し、町を包囲しました。

2 それから二年後の六月末、ついに彼らは城壁を破り、町を占領しました。

3 バビロン軍の将校はみな入城して中央の門に座り、戦勝祝賀会を開きました。そこにいたのは、ネルガル・サル・エツェル、サムガル・ネブ、サル・セキム、指揮官のネルガル・サル・エツェル、そのほか大ぜいでした。

4 ゼデキヤ王とその護衛兵たちは、町が落ちたのを見て、夜の間に抜け出し、王宮の庭のうしろにある二重の城壁の間にある門を通り、ヨルダンの渓谷に向かって野原を横切ろうとしました。

5 ところがバビロニヤ人は王を追いかけてエリコの草原で捕まえ、ハマテの地リブラにいたネブカデネザルのところへ引き立てました。バビロン王はゼデキヤに宣告を下しました。

6 バビロン王はゼデキヤの目の前で、彼の子どもと、ユダの貴族全員を殺しました。

7 そのあとでゼデキヤの両眼をえぐり出し、鎖につないで、奴隷としてバビロンへ引いて行ったのです。

8 一方、エルサレムの町は王宮もろとも焼き払われ、城壁は無残な姿をさらすばかりでした。

9 親衛隊長ネブザルアダンとその部下は、町に残っている住民と、投降した者をバビロンへ連れて行きました。

10 しかし、すごく貧しいわずかの人たちはそのままユダの各地に残しておき、畑とぶどう園を与えました。

11-12 一方、ネブカデネザル王はネブザルアダンに、エレミヤを捜し出すよう命じました。「あの男が無事かどうか見て来い。十分面倒を見てやり、欲しい物は何でも与えるのだ。」

13 そこで、親衛隊長ネブザルアダン、宦官の長ネブシャズ・バン、指揮官ネルガル・サル・エツェル、そのほかの将校たちは、王の命令を実行に移す相談をしました。

14 まず兵士たちを送ってエレミヤを牢から連れ出し、シャファンの子アヒカムの子ゲダルヤに預け、無事に家へ帰らせることにしました。こうしてエレミヤは、国に残っている人々と共に、故国で暮らすことになったのです。

15 バビロン軍が来る前、エレミヤがまだ牢に閉じ込められていた時、主から次のことばがありました。

16 「エチオピヤ人エベデ・メレクに、こう伝えよ。イスラエルの神である天の軍勢の主は言う。わたしはこの民に、予告した災いをすべて下す。この町をおまえの見ている前で滅ぼすが、

17 おまえは救い出す。おまえがひどく恐れている者の手にかかって殺されるようなことはないから、安心するがいい。

18 わたしに信頼した報いとして、おまえのいのちを助け、危害を受けないように守るから。」

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