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民数記

民数記 20

メリバの水

1 さて、イスラエルの民は第一の月にツィンの荒野に着き、カデシュで野営することになりました。その間にミリヤムが死に、そこで葬られました。

2 そこには飲み水が十分ありませんでした。またまた不満が爆発し、モーセとアロンをつるし上げようと人々がぞくぞくと集まって、

3 抗議の集会を開きました。「あの時、主に殺された者たちといっしょに死んでしまえばよかったのだ。

4 あんたたちの魂胆はわかっている。わざと、この荒野にわれわれを連れ出し、家畜もろとも皆殺しにしようというんだろう。

5 何の恨みがあって、おれたちをエジプトからこんなひどい所に連れて来たのだ。すばらしい土地があるとか言っていたが、いったいどこだ。いちじくやぶどうやざくろが山ほど採れるって? 笑わせるなよ、飲み水もないじゃないか!」

6 モーセとアロンは幕屋の入口に引き返し、主の前にひれ伏しました。すると、主の栄光が輝きわたりました。

7 主はモーセに命じました。

8 「アロンの杖を取り、二人で人々を集めなさい。みんなの目の前で、向こうにある岩に『水を出せ』と命じるのだ。その水を、みんなにも家畜にも欲しいだけ飲ませなさい。」

9 そこでモーセは命じられたとおりに、聖所の奥の主の前に置いてあった杖を取り、

10 アロンと二人で岩の前に人々を集めました。そして、「さあ、わからず屋ども。この岩から水を出してやるから、ありがたく思いなさい」と言うと、

11 モーセは杖を振り上げて岩を二回たたきました。と、どうでしょう。水がどんどんわき出て来るではありませんか。人も家畜も、大喜びでその水を飲みました。

12 ところが主は、モーセとアロンをしかりました。「あなたがたはわたしを信じなかった。岩に命じなさいと言ったのに、杖でたたくとは何事だ。わたしを信じきらず、わたしが聖なる者であることを民に示さなかったのだから、あなたがたは約束の地に入ることができない。」

13 それでこの場所は、メリバ〔「反逆の水」の意〕と名づけられました。イスラエルの民が主に背いて争ったからです。この事件によっても、主はご自分の聖なることを示しました。

エドムの王への申し入れ

14-15 カデシュにいる間に、モーセはエドムの王のもとへ使いを出しました。「王様、私たちはあなたの身内も同然です。私たちの先祖ヤコブは、あなたのご先祖エサウ様の弟でした。ご存じのように、私どもはずいぶん悲しい思いをしてきました。事情があってエジプトへ行きましたが、長く住んでいるうちに奴隷にされてしまったのです。

16 あまりの苦しさに主に助けを求めると、主はひとりの御使いを遣わし、私たちをエジプトから連れ出してくださったのです。今、私たちはあなたの国との境にあるカデシュに野営しております。

17 どうぞ、あなたの領土を通らせてください。畑やぶどう園を荒らさないように十分気をつけます。井戸の水も飲みません。あなたの領土を通過するまで、ただまっすぐ街道を進み、決してわき道にそれたりはしません。」

18 しかしエドムの王は、すげなくそれを突っぱねました。「だめだ、許可できない。一歩でも踏み込んだら、軍を差し向けるぞ。」

19 「そうおっしゃらず、お許し願えないでしょうか。街道からは絶対にそれませんし、水も飲みません。どうしても飲ませていただかなければならないときは、きちんと代金をお払いします。ただ、通らせていただければよいのです。」

20 「だめと言ったらだめだ!」王はあくまでも聞き入れません。そして警告どおり、大軍をくり出して国境の守りを固めました。

21-22 これではどうにもなりません。イスラエル人は迂回することにし、カデシュからホル山へ移りました。

アロンの死

23 エドムとの国境で、主はモーセとアロンに告げました。

24 「アロンはもうすぐ先祖のもとに行く。約束の地に入ることはできない。あなたがた二人がメリバの水のことで、わたしの命令に逆らったからだ。

25 さあモーセは、アロンとその子エルアザルを連れてホル山に登りなさい。

26 そこでアロンの祭司の服を脱がせ、子エルアザルに着せるのだ。アロンはそこで死に、先祖の民に加えられる。」

27 モーセは主の言うとおりにしました。人々に見送られ、三人はホル山へ登って行きました。

28 頂上に来ると、モーセはアロンの服を脱がせ、息子エルアザルに着せました。アロンはそのままそこで死に、モーセとエルアザルは山を下りました。

29 アロンが死んだことを聞くと、イスラエルのすべての民は、三十日の間、泣いて悲しみました。

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民数記

民数記 21

アラデを滅ぼす

1 人々は、先の偵察隊の一行と同じ道を通り、アラデの近くに来ました。それを知ったカナン人アラデの王はイスラエル人を攻撃し、何人かを捕虜にしました。

2 そこでイスラエルの民は、「アラデの国を征服させてください。国中の町を必ず全滅させます」と主に誓願しました。

3 願いは聞かれ、彼らはカナン人と彼らの町を滅ぼしました。そこをホルマ〔「全滅」の意〕と呼ぶようになったのは、この時からです。

青銅の蛇

4 このあと彼らはホル山に帰り、そこから南へ行き、エドムの国をぐるりと回って、紅海へ通じる道に出ました。ところが、途中で我慢できなくなり、

5 また文句を言い始めたのです。不平不満はモーセに集中しました。「何の恨みがあって、われわれをエジプトから連れ出し、こんな荒野で飢え死にさせるのか。食べ物も飲み物もないではないか。あんなまずいマナは、もうたくさんだ。」

6 これに主は怒り、彼らを毒蛇にかませたので、多くの者が死にました。

7 人々は困り果ててモーセに泣きつきました。「赦してください。私たちが間違っていました。主とあなたのおっしゃるとおりにしていればよかったのです。お願いですから、毒蛇がいなくなるように主に祈ってください。」モーセは民のために祈りました。

8 主の答えはこうでした。「銅で毒蛇の複製を作り、竿の先に掲げなさい。かまれた者で、わたしの言うとおり、それを見上げる者は助けよう。」

9 モーセはさっそく蛇の複製を作り、竿の先につけました。かまれた者で、それを見上げた者は一人残らず治りました。

モアブへの旅

10 このあと一行はオボテに行き、そこで野営しました。

11 そこからさらに、モアブに近い荒野にあるイエ・ハアバリム、

12 ゼレデの谷へと進み、そこに野営しました。

13 それから、モアブとエモリとの国境沿いを流れるアルノン川の向こう岸に移りました。

14 アルノン川のことは、『主の戦いの書』(折々に作られたイスラエルの戦いの歌)に、ワヘブの町を通り、

15 モアブとエモリの国境を流れている、と記されています。

16 次に向かったのはベエル〔「井戸」の意〕です。そこは主がモーセに、「水を与えるから、みなを集めなさい」と命じた場所でした。

17-18 その時のことは、次のようなイスラエルの歌になっています。

「水よ、どんどんわき上がれ。

喜びの歌を歌おう。

おお、すばらしい井戸。

指導者たちが杖とシャベルで掘った井戸。」

一行はそこで荒野を離れ、マタナ、

19 ナハリエル、バモテを通って、

20 モアブ平原の谷まで行きました。そこはピスガ山のふもとで、山頂からは荒野がはるかに見渡せました。

シホン王とオグ王を打つ

21 イスラエルは、エモリ人の王シホンに使者を送りました。

22 「どうか、領内を通らせてください。国境を越えるまでは、決して街道からそれたりしません。畑を踏み荒らしたり、ぶどう園に入ったり、水を飲んだりもしません。」

23 しかし、王は承知しませんでした。それどころか軍を集め、わざわざ荒野に出て、ヤハツで戦いをしかけてきたのです。

24 ところが王は戦死し、勝ったのはイスラエル人のほうでした。結局、アルノン川から、北はヤボク川、東はアモンとの国境までを占領しました。アモンとの国境は地形が険しく、それ以上は進めなかったのです。

25-26 こうしてイスラエルはエモリ人の国を占領し、そこに住みつきました。首都だったヘシュボンもイスラエル人のものになりました。シホン王は以前にモアブを治めていた王と戦って勝ち、アルノン川までの全土を占領していたのです。

27-30 昔の詩人が歌っているとおりです。

「シホン王の都、ヘシュボンに来てみるがいい。

岩のように堅い都に。

王は炎のような勢いでモアブの町アルに攻め上り、

完全に滅ぼしてしまった。

アルノン川の高地にそびえるあのアルを。

気の毒なモアブ、ケモシュの神を拝む人たち。

とうとう最期が来たのだ。

息子は外国へ逃げ、

娘はエモリ人の王シホンに捕らえられた。

しかし、今やわれわれが彼らの子孫を滅ぼした。

ヘシュボンからディボンに至るまで、

メデバの近くのノファフまで。」

31-32 エモリ人の国にいる間に、モーセはヤゼルのあたりに偵察を送り込みました。よく調べてから攻めようとしたのです。そして、とうとう町々を占領し、エモリ人を追い出しました。

33 次の目標はバシャンの都でした。バシャンの王オグはこれに対抗し、エデレイに兵を集めました。

34 主はモーセを励ましました。「恐れるな。勝敗はもう決まっている。ヘシュボンでシホン王と戦ったように、オグ王と戦いなさい。」

35 そして、イスラエルは勝利を収めたのです。オグ王とその子らから部下に至るまですべて打ったので、バシャンもイスラエル人のものとなりました。

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民数記

民数記 22

バラムを呼び寄せるバラク王

1 さて、イスラエルはモアブの平原に移り、ヨルダン川の東側、ちょうどエリコの町の反対側あたりに野営しました。

2-3 ツィポルの子でモアブの王バラクは、イスラエル人の数があまりにも多く、エモリ人がひどい目に会ったことを知ると、恐怖におびえました。国民もイスラエル人を恐れました。

4 ぐずぐずしてはいられません。そこで王はすぐ、近隣のミデヤン人の指導者たちに相談しました。「いったいどうしたらいいのだ。あの暴徒どもは、まるで牛が草を食い尽くすように回りの者を滅ぼしている。このままでは絶対に助からない。」

5-6 相談の結果、ベオルの子バラムを呼び寄せることになりました。彼は、ユーフラテス川に近い、王の故郷ペトルに住んでいます。「バラムが来れば何とかなる。」そう望みをかけて、王は使いを送りました。

使いの者は王のことづてをバラムに伝えました。「イスラエル人とかいう暴徒どもがエジプトからやって来て、国中が大騒ぎだ。何しろ彼らは、まるで世界中を征服しそうな勢いで手のつけようがない。それが今にもわが国に攻め込んで来そうなのだ。すぐ来て、彼らをのろってくれないだろうか。そうすれば難なく追い出すことができる。彼らは強すぎて、このままではとてもかなわない。おまえが祝福する者は祝福され、おまえがのろう者は必ず破滅するということだから、ぜひ頼みを聞いてくれないか。」

7 モアブとミデヤンの長老たちによる使いの一行は、進物を携え、急いでバラムに用件を伝えました。

8 するとバラムが、「今夜はここにお泊まりください。明日の朝、主がお示しになったことをお伝えしましょう」と言うので、彼らはそうすることにしました。

9 その晩、神がバラムに現れ、「その者たちはいったい何者だ」とお尋ねになりました。

10 「モアブの王バラクの使いの者でございます。

11 暴徒たちがエジプトから来て、国境に迫っているから、すぐ彼らをのろいに来てくれというのです。戦いに勝ちたがっているのです。」

12 「行ってはならない。頼みを聞いてその民をのろってはならない。わたしはイスラエルの民を祝福しているからだ。」

13 翌朝、バラムはバラクの使いの者たちに言いました。「申しわけありませんが、お帰りください。主は行ってはならないと言われました。」

14 長老たちは、すごすごと王のもとへ戻り、断られたことを伝えました。

15 しかし王はあきらめません。もう一度、より地位の高い者たちを、前よりも大ぜい送りました。

16-17 一行が持って行った親書には、こうありました。「ぜひともおいでください。おいでいただければ手厚くおもてなしし、お望みのものは何でも差し上げましょう。どうか、イスラエル人をのろいに来てください。」

18 バラムは承知しません。「たとえ金銀で飾り立てた宮殿を下さると言われても、私の神、主の命令には逆らえません。

19 しかし、この前とは別のお告げがあるかもしれませんから、今夜はここにお泊まりください。」

20 その夜、神はバラムに命じました。「彼らとともに行きなさい。だが、わたしが命じることだけをするのだ。」

バラムとろば

21 翌朝、バラムはろばに鞍をつけ、モアブの指導者たちと出かけました。

22-23 ところが、神はバラムの心に欲があることを怒り、途中で彼を殺してしまおうと主の使いを送ったのです。そうとは知らないバラムは、供の者二人と先を急いでいました。と、突然、バラムのろばの前に抜き身の剣を下げた主の使いが立ちはだかりました。驚いたろばは急に駆けだし、道ばたの畑に入り込んでしまいました。バラムはわけがわからず、あわててろばに鞭を当てて道に戻しました。

24 主の使いは、今度はぶどう園の石垣の間の道に立っていました。

25 その姿を見るなり、ろばはもがいて体を石垣に押しつけたので、バラムは足をはさまれてしまいました。怒ったバラムは、また鞭を当てました。

26 すると、主の使いが先に行って道幅の狭い所に立ちふさがったので、

27 ろばは道にうずくまってしまいました。バラムはかっとなって、ろばを杖で打ちました。

28 この時、急にろばが口をききました。主がそうなさったのです。「どうして私を三度もぶつのですか。」

29 「私をばかにしたからだ。剣があれば、切り殺してやるところだ。」

30 「でも、これまでに、私が一度でもこんなことをしたでしょうか。」

「いや、なかった。」

31 その時バラムの心の目が開き、剣を抜いて行く手に立ちはだかっている主の使いが見えました。バラムはびっくりし、その方の前にひれ伏しました。

32 「なぜ、ろばを三度も打ったのか。あなたが破滅の道を進んでいるので、止めに来てやったのに。

33 ろばはわたしを見て、三度ともしりごみした。そうでもしなかったら今ごろ、ろばは助かっても、あなたのいのちはなかった。」

34 「私が間違っていました。お赦しください。あなたがおいでになろうとは、気がつきませんでした。これ以上進むなと申されるなら、引き返します。」

35 「いや、このまま行きなさい。ただ、わたしが命じることだけを言うのだ。」

そこでバラムは一行と旅を続けました。

バラムを迎えるバラク王

36 バラク王は、バラムが途中まで来ていると聞いて待ちきれず、わざわざ国境のアルノン川まで迎えに出ました。

37 「なぜ、こんなに遅くなったのか。絶対に悪いようにはしないと約束したのに、信じてくれなかったのか。」

38 「王様、おおせに従い、参るには参りましたが、残念ながら、神が命じられることしか申し上げられません。」

39 バラムは、王といっしょにキルヤテ・フツォテに行きました。

40 王はそこで牛と羊をほふり、バラムや使いの者たちにそれを与えました。

41 翌朝、王はバラムをバモテ・バアル山の頂上に連れて行きました。そこから見下ろすと、多くのイスラエル人が集まっているのが見えました。しかも、それは彼らの一部でした。

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民数記

民数記 23

神のことばを伝えるバラム

1 バラムはバラク王に言いました。「ここに祭壇を七つ築き、若い雄牛と若い雄羊を七頭ずつ用意してください。」

2 王は指示どおり、雄牛と雄羊を一頭ずつ、それぞれの祭壇の上でいけにえとしてささげました。

3-4 「ここでお待ちください。主が何と言われるか聞いてまいりましょう。」こう言うと、バラムは木も生えていない山の頂上に登って行きました。そこに神が現れたので、バラムは言いました。「七つの祭壇を用意し、それぞれに若い雄牛と雄羊を一頭ずつ、いけにえとしておささげしました。」

5 主は王に伝えることを教えました。

6 戻ってみると、王はモアブの指導者全員とともに、焼き尽くすいけにえのそばに立っていました。

7-10 バラムは言いました。

「王よ、あなたは私を東のアラムの国から呼び寄せ、

『イスラエル人どもをのろい、滅ぼしてくれ』と

お頼みになりました。

ああ、しかし、神がのろわないのに、

どうして私がのろえましょう。

神が滅ぼすと言われないのに、

どうして私が滅びると言えましょう。

山の頂から眺め、丘の上からよく見ると、

イスラエル人はどの国民とも違います。

あんな国民は見たこともありません。

まるで海辺の砂のように多く、とても数えきれません。

死ぬ時は、私もイスラエル人のように

幸せに死にたいものです。」

11 王はバラムに言いました。「なんだと! 敵をのろってくれとは頼んだが、祝福しろと言った覚えはない。」

12 「何と言われましても、神様が言えとおっしゃること以外は申し上げられません。」

13 「では、やつらがほんの一部しか見えないこちらに来い。そのくらいの数なら、のろってもかまわないだろう。」

14 王はバラムをピスガ山の頂上のセデ・ツォフィムの原に連れて行き、そこに祭壇を七つ築き、それぞれに若い雄牛と雄羊を一頭ずついけにえとしてささげました。

15 バラムは王に言いました。「主にお会いして来る間、祭壇のそばに立っていてください。」

16 主はバラムに現れ、何を言ったらよいかを教えました。

17 バラムはさっそく王や指導者たちのもとに戻りました。そばには、焼き尽くすいけにえがありました。

王はまどろっこしくなり、じりじりしながら尋ねました。「それで、主は何と言われたのだ?」

18-24 バラムは、答えました。

「よろしいですか、ツィポル殿のご子息である王よ。

お聞きもらさないように、よくお聞きください。

神は人間と違って、うそなどおつきになりません。

神が約束を実行なさらなかったことがあるでしょうか。

その神が、『祝福しなさい』とお命じになったのです。

神の祝福を変えることはできません。

イスラエル人に悪いところはないのだから、

災いに会うこともありません。

神が彼らとともにおられ、

イスラエル人は彼らの王をたたえています。

神は彼らをエジプトから連れ出しました。

神はイスラエルのために野牛のように戦います。

イスラエルには、のろいも魔術も通じません。

『イスラエルの神は、なんと不思議なことをなさるのだ』と、だれもが言うでしょう。

彼らはライオンのように立ち上がり、

獲物を食い尽くし、

その血を吸い尽くすまで休もうとはしません。」

25 「ええい、もうやめないか! のろわないなら、せめて祝福するのだけはやめてくれ!」王はこらえきれずに叫びました。

26 「王様、私は主がお告げになったことだけをお伝えすると、最初に申し上げたではありませんか。」

27 「それなら、また別の場所へ連れて行ってやろう。そこからなら、やつらをのろってもいいと、神は言われるかもしれない。」

28 王はバラムを、荒野を見下ろすペオル山の頂上に連れて行きました。

29 バラムが、「祭壇を七つ築き、若い雄牛と雄羊を七頭ずついけにえにしてください」と頼むと、

30 王は言われたとおり、それぞれの祭壇に一頭ずつ、雄牛と雄羊をささげました。

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民数記

民数記 24

1 バラムは、主がイスラエル人を祝福することがもうよくわかっていたので、これまでのように、わざわざ主に会おうとはしませんでした。その代わり、すぐさまイスラエル人の宿営を眺めに行きました。

2 見ると、部族ごとに一まとまりになった天幕の列が、平原を横切って、はるかかなたまで延びています。

その時、神の霊がバラムに下り、

3-9 こう預言しました。

「ベオルの子バラムが知っていることは、こうだ。

私は目のよく見える者。

私は神のことばを聞き、

全能の神がお見せくださったものを見た。

神の前にひれ伏すと、

それまで見えなかったものが見えるようになった。

ああ、イスラエルはやがて繁栄し、大いに祝福される。

緑に覆われた谷間のように、家々は建ち並び、

川辺の豊かな果樹園のように、

主が植えたかぐわしいアロエのように、

川のそばに植えた杉の木のように、

水を吸って大きくなり、

ますます領地を広げていく。

彼らの王はアガグよりも偉大で、

人々は口々にイスラエルのすばらしさを褒める。

神は彼らをエジプトから連れ出された。

イスラエルは野牛のように強く、

敵対する国々をことごとく滅ぼす。

敵をさんざん打ち負かし、雨あられと矢を射かける。

ライオンのようにうずくまり、眠っているイスラエル。

だれがその目を覚まさせられよう。

イスラエルを祝福する人は幸せになり、

のろう人は不幸になる。」

10 あまりのことばに、王は怒りに身を震わせ、もうたくさんだとばかりに声を荒げて言いました。「いいかげんにしろ! おまえを呼んだのは、やつらをのろわせるためだ。それが口を開けば祝福ばかりだ。それも一度や二度でなく、三度もだ。

11 もうよい、とっとと国へ帰れ。手厚くもてなすつもりだったが、主がじゃまだてするのではどうにもならぬ。」

12-13 「王様、あの時、使いの方に、『たとえ金銀で飾り立てた宮殿を頂いても、神様のおことばには背けません。勝手に自分の考えを言うわけにはまいりません。ただ神様の言われることだけを申し上げましょう』と念を押したはずです。

14 おっしゃるとおり、帰らせていただきます。しかしその前に、お国がこれからどんな目に会うか申し上げましょう。」

15-19 バラムは王に預言しました。

「ベオルの子バラムが知っていることは、こうだ。

私は目のよく見える者。

私は神のことばを聞き、その考えを知り、

そのなさることを見た。

神の前にひれ伏すと、目が見えるようになり、

イスラエルの将来が見通せた。

いつか、ずっと先、

イスラエルから一つの星が輝き出る。

一人の王が起こり、モアブ人を打ち破り、

セツの子孫を滅ぼす。

エドムとセイルの全土は、イスラエルのものとなる。

イスラエルは向かうところ敵なく、

その全地を治め、町々を滅ぼす。」

20 このあとバラムは、アマレク人の住む地方を見渡して預言しました。

「これまで最も強国だったアマレク。

そのアマレクもやがて滅びる。」

21-22 次に、ケニ人の国を見渡して言いました。

「ケニ人の国は堅固で、回りを岩山に囲まれている。

しかしこの国も、いつかは滅びる。

アッシリヤの王が大挙して攻め寄せ、

国民を捕らえ、外国へ連れ去る。」

23-24 最後にバラムは、こう締めくくりました。

「神がこのとおりにしたら、だれ一人、生き残れない。

力を誇ったエベルやアッシリヤも

キプロスから攻め上る船団に手を焼き、

ついには、ひとたまりもなく滅びる。」

25 預言し終えると、バラムはさっさと国へ帰り、バラク王も自分のところへ帰りました。

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民数記 25

ペオル山での偶像礼拝

1 さて、イスラエルの民がモアブのシティムに野営していた時のことです。青年たちの何人かが、土地の娘とふしだらな関係を持ち始めました。

2 モアブ人の信じる神々にいけにえをささげる儀式に加わるようそそのかされ、彼らは宴会に連なるばかりか、ほんとうの神でない偶像を拝むようになりました。

3 やがてイスラエル人は、ペオル山で、進んでモアブの神バアルを拝むほどになったのです。主の怒りが燃え上がったのは言うまでもありません。

4 そこで、主はモーセにきびしく命じました。「族長たちを死刑にせよ。白日のもとで、さらし者とするのだ。そうすればあなたがたを赦そう。」

5 モーセは、バアルを拝んだ者を一人残らず処刑するよう命じました。

6 ところが、人々が幕屋の入口に集まって泣いているところへ、モーセをはじめ国民全員の目の前に一人の男がミデヤン人の娘を連れて来ました。

7 エルアザルの子で祭司アロンの孫に当たるピネハスは、それを見るなり槍を取り、

8 その男のあとを追いました。天幕の中に駆け込むと、ピネハスは奥で寝ていた二人を間髪を入れず突き刺しました。槍は男の背を抜け、女の腹をも刺し貫きました。これで神罰はやみましたが、

9 すでに二万四千もの人が死んでいました。

10-11 このことがあってから、主はモーセに告げて言いました。「ピネハスは見上げたものだ。わたしの怒りを思って、悪事に目をつぶらず、手加減もしなかった。それでわたしの怒りも治まり、これ以上罰を下すのはやめたのだ。

12-13 だからわたしは、彼に約束しよう。彼の子孫は永遠に祭司の職に就く。あんなにもわたしのことを思い、勇気を出して人々のいのちを救ったからだ。」

14 ところで、ミデヤン人の娘といっしょに殺された男はジムリといって、シメオンの族長サルの息子でした。

15 女のほうはミデヤン人の王子ツルの娘で、コズビといいました。

16-17 主はモーセに命じました。「ミデヤン人を打ち滅ぼしなさい。

18 向こうもあなたがたを滅ぼそうと策略をめぐらしているからだ。彼らはバアルを拝ませて道を誤らせようとしている。コズビの事件がいい例だ。」

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民数記 26

第二回人口調査

1 罰がやんだあと、主は、モーセとアロンの子エルアザルとに告げて言いました。

2 「部族ごと、氏族ごとに、二十歳以上の男の数を調べなさい。戦いに出られる者が何人いるか確かめるのだ。」

3-4 そこで二人は、族長全員に調査を命じました。ちょうど、ヨルダン川の東側、エリコの向かいあたりにあるモアブ平原に野営している時でした。

5-11 ルベン族――四万三、七三〇人。ルベンはヤコブの長男です。この部族は、エノク族、パル族、ヘツロン族、カルミ族の四つの諸氏族に分かれますが、その先祖はみなルベンの子です。パルの子の一人エリアブから、ネムエル一族、アビラム一族、ダタン一族が出ました。このダタンとアビラムは、コラと手を組んでモーセとアロンに盾突き、主に逆らった反逆者です。彼らにはたちまち神のさばきが下り、地面が裂けて、のみ込まれてしまったのです。その日はまた、全国民への警告として、彼らの誘いにのった二百五十人の者も焼き滅ぼされました。

12-14 シメオン族――二万二、二〇〇人。この部族には、シメオンの子から興された五つの諸氏族があります。ネムエル族、ヤミン族、ヤキン族、ゼラフ族、サウル族。

15-18 ガド族――四万五〇〇人。この部族に含まれる諸氏族は七つで、みなガドの子から出たものです。ツェフォン族、ハギ族、シュニ族、オズニ族、エリ族、アロデ族、アルエリ族。

19-22 ユダ族――七万六、五〇〇人。この部族に属する氏族は、ユダの子の名を受け継いでいますが、カナンで死んだエルとオナンは含まれません。シェラ族、ペレツ族、ゼラフ族。この調査には、さらにペレツから出た、ヘツロン族、ハムル族の一族も含まれていました。

23-25 イッサカル族――六万四、三〇〇人。この部族には四つの氏族があり、それぞれイッサカルの子の名を受け継いでいます。トラ族、プワ族、ヤシュブ族、シムロン族。

26-27 ゼブルン族――六万五〇〇人。この部族の氏族はゼブルンの子が興したもので、セレデ族、エロン族、ヤフレエル族の三氏族です。

28-37 ヨセフの子孫は、エフライム族が三万二、五〇〇人、マナセ族が五万二、七〇〇人。マナセ族には、先祖マキルの名を継いだマキル族があります。マキルからは、さらにギルアデ族が出ました。ギルアデ族は次のとおりです。イエゼル族、ヘレク族、アスリエル族、シェケム族、シェミダ族、ヘフェル族。ヘフェルの子ツェロフハデには息子がなかったので、娘の名を挙げておきます。マフラ、ノア、ホグラ、ミルカ、ティルツァ。

エフライム族で登録された三万二、五〇〇人の中には、次のような諸氏族があります。みなエフライムの子の名を受け継いだものです。シュテラフ族、ベケル族、タハン族。シュテラフ族からは、その子エランの名をとったエラン族が出ました。

38-41 ベニヤミン族――四万五、六〇〇人。この部族では、ベニヤミンの子が次の氏族を興しました。ベラ族、アシュベル族、アヒラム族、シェフファム族、フファム族。ベラの息子たちが興した一族は次のとおりです。アルデ族、ナアマン族。

42-43 ダン族――六万四、四〇〇人。この部族には、ダンの子シュハムが興したシュハム族があります。

44-47 アシェル族――五万三、四〇〇人。この部族では、アシェルの子から次の諸氏族が興りました。イムナ族、イシュビ族、ベリア族。ベリアの子が興した一族は、次の二つです。ヘベル族、マルキエル族。アシェルにも、セラフという名の娘がいました。

48-50 ナフタリ族――四万五、四〇〇人。この部族は四つの諸氏族に分かれます。それぞれナフタリの子が興したものです。ヤフツェエル族、グニ族、エツェル族、シレム族。

51 以上、戦いに出られる者の数は全部で六〇万一、七三〇人でした。

52-53 調査の結果がわかると、主はモーセに命じました。「調べた人数の割合で、各部族に土地を割り当てなさい。

54 人数の多い部族には広い土地を、少ない部族には狭い土地を与えるのだ。

55-56 大きい部族の間では広い土地が当たるくじによって、小さい部族の間では狭い土地が当たるくじによって分配しなさい。」

57 さて、レビ族で氏族ごとに登録された者は、次の三つです。ゲルション族、ケハテ族、メラリ族。

58-59 レビ族諸氏族は、次のとおりです。リブニ族、ヘブロン族、マフリ族、ムシ族、コラ族。レビには、かつてエジプトでヨケベデという娘が生まれました。この娘がのちに、ケハテの子アムラムの妻になったのです。こうして、アロン、モーセ、ミリヤムが生まれました。

60 アロンの息子は、ナダブ、アビフ、エルアザル、イタマルの四人です。

61 しかしナダブとアビフは、主の前で規定に反した火をささげたために死にました。

62 この調査では、レビ族の生後一か月以上の男の数は、全部で二万三千人でした。レビ族は他のイスラエル人とともには登録されませんでした。彼らには土地が与えられていなかったからです。

63 以上が、ヨルダン川の東、エリコに向かい合ったモアブ平原で、モーセとエルアザルが行った人口調査の結果です。

64-65 シナイの荒野での調査で登録された者は、ここでの調査では一人もいませんでした。当時の大人はみな、主が言われたとおり、荒野で死んでしまったからです。ただ、エフネの子カレブと、ヌンの子ヨシュアは別でした。

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民数記

民数記 27

女性による相続

1-2 さて、ある日のこと、ツェロフハデの娘マフラ、ノア、ホグラ、ミルカ、ティルツァの五人が、幕屋の入口に来て、モーセ、エルアザル、族長たちをはじめ、そこに居合わせた者たちに願い出ました。この娘たちは、ヨセフの子マナセの部族の者で、先祖はマナセの子マキルでした。彼女たちの曾祖父ギルアデは、マナセの孫に当たります。父親のツェロフハデはヘフェルの息子で、ギルアデには孫になります。

3-4 「私たちの父は荒野で死にました。コラの反逆に加わったわけではありませんが、とにかく死んだのです。困ったことに、父には跡取り息子がいませんでした。でも、男の子がいないからといって、父の家系を絶やしたくありません。私たちにも伯父たちと同じように、土地を割り当てていただけないでしょうか。」

5 モーセはこの訴えをどう扱ったらよいか、主に尋ねました。

6-7 主の答えはこうでした。「ツェロフハデの娘たちの言うとおりだ。土地を与えなさい。父親が生きていたら受け取るはずの土地を分けてやるのだ。

8 こんな時のために、次のことを定めなさい。息子のない人が死んだら、遺産は娘が相続してよい。

9 もし娘もいなければ彼の兄弟に、

10 兄弟もいなければ伯父に、

11 伯父もいなければ、一番近い親戚の者に相続させなさい。」

モーセの後継者ヨシュア

12 またある日、主はモーセに言いました。「アバリム山に登り、川向こうの、わたしが与えると約束した土地を見渡しなさい。

13 そのあと、あなたは兄のアロンと同じように天に移される。

14 ツィンの荒野で、わたしの命令に従わなかったからだ。人々が水が欲しいと騒いだ時、わたしは岩に命じて水を出すよう言ったのに、そのとおりにしなかった。そうして、彼らの前で、わたしが聖なる者であることを示さなかった。」それは、ツィンの荒野にあるカデシュでのメリバの水の事件のことでした。

15 モーセは主に言いました。

16 「すべての人間の心を支配なさる神、主よ。死ぬ前にお願いがあります。私が死んだら、だれが民を指導するのでしょう。

17 戦いを指揮し、民を守る指導者を選んでください。どうか、主が特別に目をかけてくださるこの民を、飼い主のない羊のようにしないでください。」

18 「では、ヌンの子ヨシュアを呼びに行きなさい。ヨシュアは神の知恵と力を持っている。

19 彼を祭司エルアザルのところへ連れて行き、全国民の前で指導者に任命しなさい。

20 あなたの権威を正式に譲り渡し、すべての民が彼に従うようにするのだ。

21 わたしの指示が必要になったら、彼は祭司エルアザルに相談する。エルアザルがウリム(神意を伺う一種のくじ)を使って聞けば、わたしは答えよう。それを、エルアザルはヨシュアと民に知らせる。このようにして、わたしはこれからもイスラエルを導こう。」

22 モーセは言われたとおり、ヨシュアを祭司エルアザルのもとに連れて行きました。そして人々の前で、

23 ヨシュアの頭に手を置き、新しい指導者に任命しました。

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民数記

民数記 28

ささげ物の規定

1-2 主はまた、モーセに告げて言いました。「人々にこう伝えなさい。祭壇で焼いてささげるいけにえは、わたしの食物だから、毎日きちんと、わたしが教えたとおりにささげなさい。わたしはその香りによるささげ物を喜ぶ。

3 火で焼くいけにえには、傷のない一歳の雄の子羊を使う。毎日二頭ずつ、焼き尽くすいけにえをささげる。

4 朝に一頭、夕方に一頭。

5 それといっしょに、細かくひいた粉二・三リットルに〇・九リットルの油を混ぜ合わせたものを、穀物の供え物としてささげる。

6 シナイ山で定めたとおりである。良い香りのする、火で焼くささげ物として、毎日ささげなければならない。

7 そのほかに、子羊一頭につき〇・九リットルの強いぶどう酒を、飲み物の供え物としてささげ、聖所のわたしの前で注ぐ。

8 夕方には、もう一頭を、穀物の供え物、飲み物の供え物といっしょにささげる。それもまた、良い香りのする、火で焼くささげ物である。

9-10 安息日には、いつものささげ物のほかに、傷のない一歳の雄羊を二頭ささげる。上等の小麦粉四・六リットルに油を混ぜた穀物の供え物と、ふだんと同じ飲み物の供え物を、いっしょにささげなさい。

11 さらに、毎月一日には、焼き尽くすいけにえをささげる。傷のない若い雄牛二頭、雄羊一頭、一歳の雄の子羊七頭である。

12 雄牛一頭につき、細かくひいた粉六・九リットルに油を混ぜた、穀物の供え物をささげる。雄羊には、これも細かくひいた粉四・六リットルに油を混ぜたもの、

13 子羊なら、同じような粉二・三リットルに油を混ぜたものをささげる。これは、わたしの受け入れる、火で焼くいけにえである。

14 このほかに、それぞれのいけにえに飲み物の供え物をつける。雄牛一頭につきぶどう酒一・九リットル、雄羊には一・一リットル、子羊には〇・九リットル。以上が、月ごとにささげる焼き尽くすいけにえの決まりである。

15 毎月一日にはまた、罪が赦されるためのいけにえとして、雄やぎを一頭ささげる。毎日ささげるいけにえや飲み物の供え物のほかに、これをささげなさい。

16 毎年第一の月の十四日に過越の祭りを祝いなさい〔これは、イスラエル人がエジプトを脱出する時、エジプト人の長男を殺すために来た神の使いが、イスラエル人の長男は見逃したことに感謝し、記念する祭り〕。

17 翌日から一週間は、盛大な祭りを祝う。この間は、パン種の入ったパンは食べられない。

18 最初の日には、全国民が仕事を休み、わたしの前で聖なる集会を開く。

19 その時、傷のない若い雄牛二頭、雄羊一頭、一歳の雄の子羊七頭を、焼き尽くすいけにえとしてささげなさい。

20-21 それに穀物の供え物として上等の粉に油を混ぜたものを、雄牛一頭につき六・九リットル、雄羊には四・六リットル、子羊には二・三リットルずつささげる。

22 また、罪を赦してもらうために、雄やぎ一頭を、罪が赦されるためのいけにえとしてささげなさい。

23 毎日するささげ物のほかに、以上のささげ物をしなければならない。

24 祭りの期間中、毎日、同じいけにえをささげる。わたしはそのいけにえを受け入れる。

25 そして七日目にはまた、すべての民が仕事を休み、聖なる集会を開くのだ。

26 七週の祭り〔のちのペンテコステの祭り〕とも言われる刈り入れの祭りの日には、収穫を祝う神聖な集会を開きなさい。その日には、どんな仕事も休み、穀物の供え物として初物をささげる。

27 また、何よりも私の心にかなう焼き尽くすいけにえをささげなさい。若い雄牛二頭、雄羊一頭、一歳の雄の子羊七頭である。

28-29 それに、油を混ぜた上等の粉を穀物の供え物として、雄牛一頭につき六・九リットル、雄羊には四・六リットル、子羊には二・三リットルずつつける。

30 また、罪が赦されるために、雄やぎを一頭ささげる。

31 この特別ないけにえは、いつもの焼き尽くすいけにえ、穀物の供え物、飲み物の供え物のほかにささげる。いけにえにする動物は、必ず傷のないものでなければならない。

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民数記

民数記 29

1 毎年第七月の一日は祝日とし、ラッパを吹き鳴らしなさい。その日はすべての民が仕事を休み、聖なる集会を開く。

2 そして、傷のない若い雄牛一頭、雄羊一頭、一歳の雄の子羊七頭を、焼き尽くすいけにえとしてささげなさい。このいけにえはわたしの心にかなうから、喜んで受け取ろう。

3-4 それに添える穀物の供え物は、油を混ぜた上等の粉が、雄牛には六・九リットル、雄羊には四・六リットル、子羊には一頭につき二・三リットルの割合である。

5 そのほかに、罪を赦してもらうため、雄やぎを一頭、罪の赦しのためのいけにえとしてささげる。

6 これは、新月ごとの焼き尽くすいけにえ、毎日の焼き尽くすいけにえ、穀物の供え物、飲み物の供え物のほかに特別にささげる物で、すべて決められているとおりである。

7 その十日後に、もう一度、すべての民が集まって聖なる集会を開く。その日は、どんな仕事も休み、身を慎んで静かに過ごさなければならない。

8 その日はまた、わたしの受け入れる焼き尽くすいけにえとして、傷のない若い雄牛一頭、雄羊一頭、一歳の雄の子羊七頭をささげなさい。

9-10 それといっしょに、上等の粉に油を混ぜた穀物の供え物をする。雄牛には六・九リットル、雄羊には四・六リットル、子羊には一頭につき二・三リットルの割合である。

11 そのほかに、罪の赦しのためのいけにえとして、雄やぎを一頭ささげる。これは、第七月の十日の贖罪の日にささげる、罪の赦しのためのいけにえとは別である。また、毎日の焼き尽くすいけにえ、穀物の供え物、飲み物の供え物とも別である。

12 さらに五日後の十五日にも、国中が仕事を休み、聖なる集会を開く。その日から一週間、わたしのために祭りをしなさい。

13 まず最初の日は、わたしの受け入れる焼き尽くすいけにえとして、傷のない若い雄牛十三頭、雄羊二頭、一歳の雄の子羊十四頭をささげなさい。

14 それといっしょに、穀物の供え物をする。油を混ぜた小麦粉を、一頭につき、雄牛の場合は六・九リットル、雄羊には四・六リットル、

15 子羊には二・三リットルささげる。

16 毎日のいけにえや供え物のほかに、さらに雄やぎ一頭を、罪の赦しのためのいけにえとして、ささげなければならない。

17 祭りの二日目には、傷のない若い雄牛十二頭、雄羊二頭、一歳の雄の子羊十四頭をいけにえにする。

18 それといっしょに、いつもと同じ割合で、穀物と飲み物の供え物をそれぞれささげる。

19 このほかに、雄やぎ一頭を、毎日のいけにえや供え物とは別に、罪の赦しのためのいけにえとしてささげる。

20 三日目には、傷のない若い雄牛十一頭、雄羊二頭、一歳の雄の子羊十四頭をささげなさい。

21 それぞれといっしょに、いつものとおりの割合で、穀物と飲み物の供え物をする。

22 そのほか、毎日のいけにえや供え物とは別に、雄やぎ一頭を、罪の赦しのためのいけにえとしてささげる。

23-24 四日目には、傷のない若い雄牛十頭、雄羊二頭、一歳の雄の子羊十四頭を、穀物と飲み物の供え物といっしょにささげる。

25 また雄やぎ一頭を、毎日のいけにえや供え物とは別に、罪の赦しのためのいけにえとしてささげる。

26-27 五日目には、傷のない若い雄牛九頭、雄羊二頭、一歳の雄の子羊十四頭を、いつもと同じ、穀物と飲み物の供え物をつけてささげる。

28 ほかに、罪の赦しのためのいけにえとして、毎日のいけにえや供え物とは別に、雄やぎを一頭ささげる。

29-30 六日目には、傷のない若い雄牛八頭、雄羊二頭、一歳の雄の子羊十四頭を、いつもと同じ、穀物と飲み物の供え物をつけてささげる。

31 さらに雄やぎ一頭を、毎日のいけにえや供え物とは別に、罪が赦されるためのいけにえとしてささげる。

32-33 七日目にも、やはり傷のない若い雄牛七頭、雄羊二頭、一歳の雄の子羊十四頭を、いつもと同じ、穀物と飲み物の供え物をつけてささげる。

34 また罪の赦しのためのいけにえとして、毎日のいけにえや供え物とは別に、雄やぎを一頭ささげる。

35 八日目には国中が仕事を休み、聖なる集会を開く。

36-37 そして、わたしの受け入れる焼き尽くすいけにえをささげなさい。傷のない若い雄牛一頭、雄羊一頭、一歳の雄の子羊七頭を、いつもと同じ割合の、穀物と飲み物の供え物をつけてささげる。

38 そのほかに、罪が赦されるためのいけにえとして、毎日のいけにえや供え物とは別に、雄やぎを一頭ささげる。

39 祭りの時はいつも、以上のようなささげ物をしなければならない。これは、誓願を立てるか自発的にささげる、焼き尽くすいけにえ、穀物の供え物、飲み物の供え物、あるいは和解のためのいけにえとは、別のものである。」

40 モーセはこの命令を、一つ残らず人々に伝えました。

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